10月15日(土) 2005 J2リーグ戦 第36節
山形 2 - 2 横浜FC (14:00/山形県/8,651人)
得点者:'34 原竜太(山形)、'39 小原章吾(山形)、'76 北村知隆(横浜FC)、'88 中島崇典(横浜FC)
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CB浮氣からのロングボールを、攻め残っていた富永が空中戦を制し頭で前方へ。途中で退いた城に代わって、右サイドからトップに上がっていた北村がそれに飛びついた。一方の山形はゆっくりとラインを押し上げている最中。あっという間に戻ってきたボールへの反応が完全に遅れたことが致命傷となった。北村はほとんどフリーの状態で、シュートをゴールネットに突き刺す。
1−2と横浜FCが1点差に追い上げたのは後半31分。試合は急激に加速していった。
前半のキックオフ直後、右サイドの佐々木がドリブルで山口をかわし、中央へのセンタリングからCKを獲得したプレーで、まずは山形が主導権を握る。5分には阿部が3人の輪を抜け出しシュート。10分過ぎには、再び佐々木が右から鋭いクロスを差し込んだ。しかし得点につながらず、ここから横浜FCがじわじわと反転攻勢に移る。12分、内田のフリーキックをトゥイードが頭に合わせ、16分には内田が中央で約30メートルをフリーで独走しミドルシュートを放つ。横浜FCが厳しいプレッシングから試合の支配権を完全に取り戻した。この時間帯、山形はカウンター攻撃を何度か浴びせ、そのたびにスタンドが沸いたが、これは押し込まれた中で低い位置からドリブルで持ち上がっただけで、2人目、3人目のサポートの遅さもあり、横浜FCに完全に守られた。
横浜FCのパスミスが目立つようになったのは前半30分頃。その直後、山形に先制点が転がり込む。32分、阿部がペナルティーエリア内へ縦のスルーパス。競った原にトゥイードの足がかかり、山形がPKを獲得。これを原が自ら決め、チーム最多得点を12に伸ばした。さらに39分には左CKから、マークを剥がした小原がプロ公式戦初ゴール。山形が2−0で前半を折り返した。
「最終ラインが、山形さんの長いボールに対して深みを取りすぎてしまって、中盤のラインと最終ラインのスペースを使われてしまった」(足達監督)という反省を、横浜FCは後半、ラインを上げることで修正する。さらに後半15分から23分までの間に、早川→小野智、トゥイード→富永、城→小野信と立て続けに切ったカードが効果を発揮する。小野智は右サイドを積極的に攻め上がり、その前方で小野信も精度のいいクロスをゴール前に供給する。防戦一方になった山形はこのとき、守備で混乱が生じていた。積極的にボールを奪いに行くのか、引き気味にブロックをつくり待ち受けるのか。意思の不統一が、後半31分の反撃弾の温床となった。
1点差に詰め寄った後も横浜FCの勢いは止まらない。山形の3つ目のカードはFW原→DF小林。4−4−2から3−6−1で、残り4分とロスタイムを守りきろうという目論見だった。しかしロスタイム直前、小野信が右45度からフリーキック。吉武のヘディングに桜井がよく反応したが、弾かれたボールを今度は中島が押し込んだ。
2点のビハインドから引き分けに持ち込んだ横浜FCにとっては、この勝ち点1は貴重なものと言えそうだ。
2失点もやや不運な面がある。流れからの失点を許していないことを考えると、守備の好調さが途絶えたと判断するのは早計だろう。むしろ、心配なのは攻撃面。特に三浦知、城の2人でシュート1本という数字は深刻だ。後半のような積極的なラインのプッシュアップが、今後順位を上げていくために求められる。
山形は2−0の怖さを味わうことになった。
勝ち点、得失点差で並んでいた甲府が敗れて3位に浮上したが、自動昇格をめざす山形にとって、福岡との勝ち点差がさらに2つ開き10差になったことは喜べない状況だ。残り8試合で勝ち点10差は厳しい数字だが、今日のようなゲームをリードしたまま終える勝負強さを手にすることができるかどうか。可能性が0になる前に、短期間で改善を図りたい。
以上
2005.10.15 Reported by 佐藤 円
J’s GOALニュース
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