10月15日(土) 2005 J1リーグ戦 第27節
名古屋 1 - 4 川崎F (16:04/瑞穂陸/6,348人)
得点者:'0 マルクス(川崎F)、'47 ジュニーニョ(川崎F)、'54 ジュニーニョ(川崎F)、'71 ジュニーニョ(川崎F)、'79 古賀正紘(名古屋)
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長期戦線離脱していた大森選手が復帰した名古屋。前日の紅白戦でもスタメンは微妙と思われていただけに、中田監督の決断には誰もが驚かされた。「彼の優れたコーチング能力は、チームが悪くなっても立て直してくれる。そこに期待していた」と、大森選手の起用を決断した理由を話した中田監督。サポーターも彼の復帰を待ち望んでいたため、ひときわ大きな声援で迎えられた。彼が低迷を続ける名古屋を立て直す柱となるのではと、誰もが期待をしていたのだが…。
立ち上がり、名古屋は中央で我那覇選手にフリーでボールを触らせ、そこから中村選手、マルクス選手へとつながれて、わずか45秒ほどで手痛い失点を喫す。「先制点を取ることがグランパスにとっては勝敗を分ける大きな要素。最初の失点が90分響いた形になったと思う」と名古屋・安選手は悔やむ。我那覇・マルクス・ジュニーニョの攻撃陣3選手は要注意だとわかっていたはずの名古屋。だが、そのうちの2人にボールを操られ、ゴールを奪われた要因は、立ち上がりの集中力にあった。一瞬の集中力がいかに大切か、このゴールが証明してくれたはず。名古屋の選手たちは、この失点後、気持ちを切り替え、集中して守備をし、そこから攻撃に転じるという形を取り戻していく。徐々にチャンスを作り出していくも、ゴールを割ることができなかった。
後半、名古屋は、またしても立ち上がりに失点するという、前半と同じミスを犯す。しかも、やはり要注意攻撃陣のひとり、ジュニーニョ選手のゴールで。2点を追う名古屋は、下がり気味だった守備を立て直し、アウグスト選手のサイド攻撃、または我那覇選手を抑えるなど、アグレッシブにプレスをかけていく。攻撃も中盤から積極的にボールを動かし、前戦へとつないでいく。しかし、そこからの選手の動き出しがなかなか見えず、パスの出しどころがないまま、フィニッシュまで持っていけない場面が続く。対して川崎Fは、ボールを奪うと中盤、そしてジュニーニョ・我那覇・マルクスの3選手へとつなぎ、実にシンプルに、自分たちのペースで攻撃を仕掛けていく。そんな中、ジュニーニョ選手のゴールが決まり、3−0とされてしまった名古屋。もう後がない状況にもかかわらず、「リスクを冒してでも攻撃を仕掛けようと指示をしたが、選手たちがミスを恐れてしまった」(中田監督)ことで、積極的な攻撃を仕掛けられない。そして、一瞬のスキを突かれて、ジュニーニョ選手に突破を許すと、それを止めようとした楢崎選手が痛恨のイエローカード。PKを与えてしまう。これをパンチングで弾くものの、こぼれ球を押し込まれ、ジュニーニョ選手のハットトリックで4−0となる。
これでガックリうなだれてしまった名古屋。しかし、藤田選手だけは違った。チームメイトに『最後まで諦めるな!』と言わんばかりに、時には相手GKのところまで果敢にボールを追いかけて、戦う気持ちを示した。それに触発されてか、チームも息を吹き返す。79分、セットプレーから古賀選手がヘディングでシュート。一矢報いるが、時すでに遅し。結局4−1で川崎Fの圧勝でゲームセットとなった。
スコアは4−1の大差だったものの、シュート、CK、FKなどのチャンスは両チームとも拮抗した数字だったこの試合。確かに名古屋は攻めていた。ボールも支配していた。しかし、シュートを打つ場面、またはフィニッシュへとつながる配球が消極的だったように思う。勝敗を分けたのは、ゴールへの強い気持ち、そしてゴールへの自信だったように思う。後半戦に入って、チームの戦い方を確立し、自信をつけた川崎Fの5連勝は、当然の結果。目標の5位以内へと着実に進んで行く勢いを感じる。そしてまた連勝することができなかった名古屋は、悪くすると今後、残留争いに巻き込まれかねない状況に追い込まれたと言っていい。攻撃にまだまだ課題が残るが、わずかな光も見えた。それは、復帰した大森選手が見せた、高いセンタリングの精度とシュートを打つ積極性。そして、さらなる成長を見せてくれた豊田選手の前戦でのキープ力。復帰したベテランと急成長の若手に、名古屋の今後を期待したい。
以上
2005.10.16 Reported by 茂木美佐子
J’s GOALニュース
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