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【J1:第27節 磐田 vs 鹿島 レポート】スリリングな攻防が繰り広げられた伝統の対戦。しかし、結果は優勝を狙うのには非常に厳しい『痛み分け』。(05.10.17)

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10月16日(日) 2005 J1リーグ戦 第27節
磐田 1 - 1 鹿島 (15:05/静岡/29,465人)
得点者:'46 増田誓志(鹿島)、'59 カレンロバート(磐田)
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 青と赤の伝統の決戦は、どちらも激しい闘志で死力を尽くし、自分たちのサッカーをして、チャンスも数多く作ったが、結果は、皮肉にもどちらにも納得いかないものとなった。

 雨が降ったりやんだりのエコパは、気温も涼しく動きやすいコンディション。日本代表の東欧遠征帰りの選手が両チーム合わせて5人いたが、その5人が全員先発に入った。

 茶野と金が出場停止の磐田は、3バックを(右から)鈴木秀、田中、服部というベテランで固め、ケガからの復帰組の成岡と西は、成岡がトップ下に入って、西は中山との2トップ。その他は、いつも通りの布陣で臨んだ。

 対する鹿島は、アレックスミネイロがケガ、フェルナンドが出場停止。その状況で、4バックの右に青木を入れ、ボランチは小笠原とリカルジーニョ、2列目は深井と増田、2トップは鈴木隆と本山という形を組んだ。

 どちらも、少しメンバーの変化があったが、立ち上がりが良かったのは鹿島。開始早々に鈴木隆が右サイドを抜け出してクロスからチャンスを作ると、厳しい当たりで磐田の選手にボールをキープさせず、自分たちのボールは身体を張ってキープしながらテンポ良くつなぎ、完全に主導権を握った。
 4分に新井場の折り返しから増田がシュート、10分に新井場の左クロスから深井がヘディング、16分にはリカルジーニョのスルーパスで鈴木がGKと1対1になるなど、続けざまにチャンスを作る。さらに24分には、鈴木の左クロスに対してファーサイドから飛びこんだ増田が、ヘディングをゴールに突き刺したが、これは増田のファウルをとられてノーゴール。

 鹿島は、2列目の深井と増田がワイドに開いて、磐田のサイドのスペースを狙い、2トップのどちらかがサイドに開いたり、左サイドバックの新井場が上がったりして、数的優位を作りながらサイドを攻略。そのため、中盤で優位に立てなかった磐田は、両アウトサイド(右の太田、左の村井)が深く下がらざるをえず、攻撃に転じても厚みのある攻めはできなかった。

 だが、前半は「耐える展開」(鈴木秀)と悟った磐田は、割り切って5バック気味で守り、鹿島の方はサイドでは優位に立ち続けたが、中央の攻めに迫力がなく、磐田の最終ラインを崩しきれない。前半の途中からは膠着した展開となり、0-0のまま後半へ折り返した。

 後半は、開始早々試合が動く。1分、左サイドに開いてボールを受けた深井が、ドリブルからクロスを入れると、ファーサイドから入った増田がボレーシュートを決め、鹿島が先制点を奪った。

 しかし、これで攻めるしかなくなった磐田は、徐々にエンジンがかかり始める。11分には中山に代えてカレンを投入して、ドリブルというアクセントを加え、中盤でのポゼッションも徐々に上げていく。そして、14分の右CKからこぼれ球をカレンが頭で押し込んで同点に追いつくことに成功した。

 その後は、さらに磐田が勢いづき、「1人1人の距離感が良くなった」(成岡)という中盤でしっかりとボールをつないで、主導権を鹿島から奪い返す。そうして磐田がポゼッションで上回ると、サイドの村井と太田も高い位置を保てるようになり、とくに左サイドからの攻撃が機能。28分には村井のクロスから福西が決定的なヘッドを放つが、これは右に外れ、33分にはカレンがゴール前でフリーになったが、これもシュートが遅れてDFに阻まれ、2度の大きな決定機を逃す。

 一方、鹿島も、29分に石川と興梠を投入し、新井場をボランチに、小笠原を2列目に上げて対抗。29分、31分、34分とカウンターから決定的なチャンスを作るが、これもシュートミスやGK川口の好セーブで勝ち越し点に結びつかない。

 後半は、磐田のポゼッションvs鹿島のカウンターで、この対戦らしいスリリングな攻防が繰り広げられ、内容的には満足のいくものとなった。だが、結局どちらもチャンスを作りながら2点目が決められず、1-1のままタイムアップ。

 首位のG大阪が昨日快勝しているだけに、どちらにとっても非常に厳しい、まさに「痛み分け」という結末だった。

以上

2005.10.16 Reported by 前島芳雄
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