10月22日（土）J2 第37節 札幌 vs 山形（13:00KICK OFF/函館）
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　この対戦カード、相性の良し悪しは実にハッキリしている。この２年間で山形の７戦全勝。ちなみに、５年前の函館でのＪリーグ初公式戦はこの札幌対山形戦だったが、その試合も山形が勝っている。

　柳下監督は「マジメでスキのないチーム。攻撃でも守備でもサボることをしない」と山形を評する。相手のミスをついてチャンスをつかめる機会はより少なくなるだろう。かといって、もう敵わないという気持ちで腰が引けていてはやられるばかり。どこまで能動的なアクション＆ムービングを仕掛けられるかが札幌のカギだ。

　布陣としては、ＤＦ曽田が出場停止。曽田が立っていた３バック中央には池内が右から移って入り、持ち味である厳しいコーチングで緩みを断つ。そしてＭＦ西谷が前節の出場停止から復帰。前節・湘南戦では攻めていたようでも一本調子だった攻撃に、左サイドから深みのあるアクセントを注入していく。浦和から期限付き移籍加入後、次でリーグ戦出場４試合目となる西谷は「自分が一番いいボールを出して、合わせられる人がいるようになった。先取点が取れれば勝てると思う」と、パスの呼吸が合ってきている手応えを語り、札幌のペースに巻き込むことを目論む。

　また前線では、ここのところ相川が目立っている。前節・湘南戦は無得点だが、その前の第34〜35節は連続得点。身体全体を使ってのボールキープ力や、積極的にシュートを打つパフォーマンスに、得点の予感が秘められている。今週は水曜に別メニューだったが木曜には練習に復帰。先発で入ってくれば、頼もしいところだ。

　第３クールのこの対戦では、札幌が攻める時間もこれまでより増えたが、終盤に山形・田中康平のシュートがＤＦに当たりゴールという不運な点の取られ方で、０対１で敗れた。惜しくもあるが、満足せずもっと高めなければ、山形への苦手意識の払拭も、そして順位を上げることも叶わない。

　一方の山形は、ＭＦ大塚が今節出場停止で、代わりに本橋が出場停止から戻ってくる。高橋が前節負傷して退いたのが気がかりだが、右サイドでは佐々木が元気よく、中盤はさほど力落ちしないだろう。ほか、原と阿部の２トップや、左から内山、小原、レオナルド、臼井の４バックも変わらずという様相だ。

　前節・対横浜ＦＣ戦の山形は、先制して前半のうちに２点のリードを得た。ＤＦ小原も「前半は理想通りの展開だった。後半も最初の方はやられる気配もなく、いい戦いができたと思うんですが・・・」という展開だったが、後半に追いつかれて２対２の引き分けに終わった。詰めの甘さを克服して最後まできっちりやり抜くのを今節のテーマとして、北海道に乗り込んでくる。

３位・山形と６位・札幌との勝点差は３。札幌が勝てば差はなくなるが、負けて６に拡がると、その差はとても遠く感じる。また札幌が負けて７位・鳥栖が今節勝つと、勝点が並び、得失点差で札幌と鳥栖の順位が逆転する。

　そして山形としても勝っておかないと、勝点差１に迫る４位・仙台、５位・甲府に追い抜かれる可能性がある。もちろん、勝点差10の２位・福岡にこれ以上引き離されたくもない。

　上にしがみつこうとし、同時に、下に引き剥がされてたまるかというピリピリした立ち位置にいる両チームが、函館で火花を散らす。

以上

2005.10.20 Reported　by　永井謙一郎