今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第28節 東京V vs F東京 レポート】東京ダービーはF東京がサササルセードのロスタイム弾で勝利。東京Vは7戦連続勝ち星なしに終わる。(05.10.22)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
10月22日(土) 2005 J1リーグ戦 第28節
東京V 1 - 2 F東京 (15:04/味スタ/21,033人)
得点者:'19 森本貴幸(東京V)、'43 梶山陽平(F東京)、'89 サササルセード(F東京)
----------

「勝たなきゃという気持ちが強すぎて、先制するとそれが転じて守らなきゃという気持ちになって受け身になってしまう」

小林慶行はこの3試合を振り返ってこう言った。前節の新潟戦、前々節の磐田戦は共に先制はするものの引き分けに終わり、今日は先制したにも関わらず後半ロスタイムの失点での敗戦。シーズンも残り6試合、東京Vにとってはそろそろ降格圏脱出を本気で目指さねばならない時期に差し掛かっている。

勝ち点26で17位の東京Vと勝ち点32で11位のF東京。双方さえない状況で戦う今回の東京ダービー。15時の時点で早くも肌寒く、気温は18度。なまり色の空が広がる。

東京Vは、小林大、上村、平本らを欠く苦しいチーム状況のため4バックを敷く。GKは高木、4バックは右から山田、林、戸川、相馬。3ボランチで小林慶行、戸田、平野が並ぶ。トップ下にジウ、2トップに14試合ぶりに先発の森本、そしてワシントン。前述の小林慶行のコメントを象徴するような守備的な苦しい布陣となった。

一方F東京はGK土肥、4バックは藤山、ジャーン、茂庭、金沢が並び、今野、梶山のダブルボランチ。トップ下には馬場、3トップ気味に右に戸田、左に阿部。そして中央にルーカスという布陣。

試合は序盤から終盤までほぼF東京ペース。ルーカスを中心に戸田、阿部がそこに絡む。一方東京Vはワシントンを上手くも茂庭、ジャーンに押さえられ、なかなか決定機に至らない。しかし先制点は東京V。「モチベーションも高いだろうしイヤだった」と原監督が振り返った森本の今季リーグ戦初ゴール。
前半19分、ディフェンスラインから林がロングボールを左サイドに展開。そのままサイドを駆け上がる相馬の元に渡り鋭いクロスに「うまく詰めた」(森本)が右足で押し込み先制。

しかし、問題はここからの東京Vの戦いぶりだ。取ってしまった先制点の呪縛でもあるのか、どうにも受け身になってしまう。前半残る時間は、「3ボランチのために上手く前線にボールが渡らない」という小林慶行が意識して前線との間に入るが、攻撃の形はなかなか作れず。また、東京V右サイドを金沢、阿部に使われ、「サイドチェンジで前に運ばれ」(戸川)防戦一方。

そして、前節新潟戦の44分の失点を思い起こさせる43分に梶山の「意識して打って行った」というミドルシュート。これで、ここまで2試合と同じく先制すれど追い付かれるという展開。しかし、どうしても負けられない東京Vは後半に入り、中盤をボックス型に変える。ボランチに戸田、平野、右アウトサイドに小林慶行、左サイドにジウが入る。このため両サイドのケアははっきり出したかか、ペースをつかみはじめる。

しかし、攻撃の糸口がみつからず、後半のシュート数は3。ちなみにF東京の後半45分間でのシュート数は9。F東京は後半に入り鈴木、ササの順で投入。前線を変えることで「勝負をかけて行こう」と1点を取りにくる。そして87分には栗澤を投入。ロスタイムの得点には空中戦から梶山、その途中交代の栗澤、ササとつながり右サイドからニアサイドを割るシュートが決まった。その直後、試合終了のホイッスルが鳴った。

F東京は勝ち点を35に伸ばし、ほっと一息といったところか。一方の東京Vにとっては、そろそろ2001年の悪夢が頭を過る時期ではある。選手達は「がんばります」と繰り返す。しかしGK高木は「まだ自力もあるんだから、勝つだけ」と語る。これくらいの気持ちで試合に臨めば、「勝たなきゃ」と必要以上に堅くなることもなさそうなのだが、このままの精神状態では、東京Vがこの状況から脱するのは難しそうだ。

「点は取れるんだから、1点とったら守るんではなくて、次、そしてその次って行けば負けないと思う」実に14試合ぶりの先発となった森本のコメントが物語る今のチーム状況。この90分を見る限り若きストライカーの言葉にはうなずかされる。次節も、戸田、相馬、平本を欠く。厳しいチーム状況を救うのは若きストライカーなのかもしれない。

以上

2005.10.22 Reported by 了戒美子
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着