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【J2:第37節 草津 vs 湘南 レポート】草津、湘南の攻防はスコアレスドロー。草津は「パンドラの箱」を開けた。(05.10.23)

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10月22日(土) 2005 J2リーグ戦 第37節
草津 0 - 0 湘南 (19:04/群馬陸/3,793人)
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「ベテランだから外したというのではなく、チームを活性化して、競争させるという雰囲気を作らなければいけないと思った」(手塚監督)。草津は、先発メンバーから、鳥居塚や山口といった、これまでの主力選手を外した。19日には、宮川、高須、寺田らトップ5選手をサテライトへ緊急降格させるなど、「秩序」の崩壊をも覚悟の上でチームに変化を求めた。草津はついに「パンドラの箱」を開けた。

草津は、サテライトから昇格させたルーキー・櫻田を鳥居塚に代わりボランチに抜擢。さらに、アマチュア契約選手・杉山を右SBとして初先発させた。この日の布陣は今季初の4-4-2の2ボランチ制。新たなチームの第一歩を踏み出した。対する湘南は、カシアーノ、石原の2トップを組み、チームに変化をつけてきた。

最初のチャンスは草津。8分、佐田とのパス交換から樹森が左サイドをえぐり、クロス。そのボールに後藤が頭で合わせるが、ゴールならず。対する湘南は21分、石原がDFとの競り合いに勝ち、GKと1対1の場面を作り出すが、岩丸がファインセーブ。前半は、ロングボールを多用し、セカンドボールを拾うことでリズムをつかんだ草津が主導権を握る。湘南は、カシアーノが危険な雰囲気を漂わせたが、草津の中盤でのプレスが速く、ゲームを組み立てられない。

後半も中盤での攻防は続く。後半開始直後の50分。湘南は右CKにカシアーノがフリーで合わせたが、至近距離からのヘディングシュートを岩丸が再び、スーパーセーブ。間一髪のプレーで危機を救う。草津は後半も、FWが前線からボールを追いかけると、連動して後藤、櫻田、佐田らが猛烈なプレス。「積極的に前からボールに行った」(櫻田)。苦しむ湘南は終盤、柿本を投入し、ゴールに迫るが最後でアイデアが出なかった。押す草津に対し、しのいでチャンスを待った湘南。両チームに決定機は平等に訪れたが、どちらも決めきれずスコアレスドロー。勝点1を分け合う結果となった。

湘南は、草津のプレスに受身に回り、攻撃が単調になっていた。加藤や佐藤も、うまくボールが回せず、苛立ちをつのらせた。佐藤は「ゆっくりボールを持てるはずのサイドバックにプレッシャーをかけられ、サイドで起点が作れなかった。チームとしての問題点があり過ぎる」と嘆いた。少ないチャンスをものにできなければ、今後も苦しいゲームが続くだろう。

チーム改革という勝負に出た以上、結果を残さなければいけなかった草津は、球際にその気迫が現れていた。後藤、櫻田の動きは、草津の将来に期待を感じさせた。しかし、引き分けという最低限の結果は残したものの、勝ちを逃したのも事実。湘南の出来が決して良くなかったことからも安心はできない。この改革、新システムの評価は次節・徳島戦に持ち越しとなる。

ギリシア神話で、パンドラの箱の中に最後まで残っていたのは「希望」だった。草津は、チーム再生への「希望」だけを拠り所として改革に挑む。もう後戻りはできない。

以上

2005.10.23 Reported by 伊藤寿学
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