10月22日(土) 2005 J1リーグ戦 第28節
清水 1 - 1 磐田 (19:04/日本平/16,220人)
得点者:'26 西紀寛(磐田)、'66 兵働昭弘(清水)
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キックオフ前から両チームサポーターが熱い応援をピッチに送り、とくに清水サポーターは、現在のチーム状況もあって気合いが入っていた。中立的な場所にある(というより磐田に近い)エコパではなく、日本平で行なわれたことで「本当にアウェーに来て戦うという雰囲気があった」(山本監督)とホーム/アウェーも明確。いつにない特別な雰囲気の中で、特別な状況でのダービーマッチはスタートした。
ホームの清水は、マルキーニョスと太田圭がケガから復帰し、DFラインでは森岡を外して高木和をボランチから下げ、ボランチには18歳の新人、公式戦初先発の枝村匠馬を抜擢。「ある意味賭けの部分はあったが、フレッシュな力が今のチームには必要だと感じた」(長谷川監督)という狙いだった。対する磐田は、福西を負傷で欠き、代わりに成岡をボランチに起用して、トップ下は船谷。2トップは西とカレンと若い選手が多く入った。また、右サイドにはいつもの太田吉ではなく、河村を起用し、太田兄弟の対決は先発では実現せず。
立ち上がりは、スロースターターの磐田に対して、清水が勢いで上回り、守備でも相手との適切な間合いを保って早めにつぶし、主導権を握る。注目の枝村も、本人の「(心臓が)バクバクだった」という言葉とは裏腹に、落ち着いたプレーを見せ、コンビを組む伊東よりも高い位置でボールを左右に散らしたり、前線に絡んだりと、監督の期待によく応えた。磐田のほうは、両サイドの河村と村井も引き気味にならざるを得なかったが、守備陣は慌てることなく危険なところをしっかりと抑えて、清水に決定的なシュートは打たせない。両チームとも高い集中力を見せて、序盤から引き締まった見応えのある展開となった。
そして前半の半ばあたりから、磐田のエンジンが徐々にかかり始め、個々のキープ力を生かしながらテンポ良くパスをつないで反撃を開始。そんな中の26分、左サイドを抜け出した村井のクロスに対して、清水のCB2人とGK西部がかぶってしまい、逆サイドに抜けたボールをカレンが折り返して西がフリーでシュート。これがきれいに決まって、劣勢だった磐田が先制点を奪った。清水にしてみれば、またしても無用なミスからの失点。中盤ではバランスの良い守備を見せたが、ペナルティエリア内ではまだ冷静さを欠いていた。しかし、ここ2試合とは違って、今回はホームのサポーターにも支えられ、清水の選手たちは下を向くことなく、それまでのプレーを続行。少し慎重になった磐田に対して、再び主導権を握って攻めた。
ハーフタイムでは、長谷川監督が「気持ちも入っているし、良いプレーができている」と選手たちを励まし、後半も清水が攻勢に出る。1分に兵働の左クロスにマルキーニョスが飛びこみ、14分には太田の右クロスに対して枝村が長い距離を走ってヘッドで合わせるなど、積極的な姿勢を見せた。それが実るのが21分。市川の右クロスをフリーで受けたマルキーニョスがシュートし、ここはGK川口がうまくブロック。だが、こぼれ球を拾った兵働が、ここしかないというGKの頭上を強いシュートで抜いて、値千金の同点ゴールを決めた。
その後の展開は、まさに一進一退。29分には、ともに交代で入ったチェ・テウクと太田吉がサイドで壮絶な走り合いを見せ、31分に中山、32分に澤登と「ミスター」と呼ばれる選手も登場して試合を引き締める。両監督に演出の意図はなかっただろうが、局面局面での見どころもたっぷりとあり、ピッチ全体で気持ちの入ったぶつかり合いが見られ、ますます試合は盛り上がった。
41分には中山が決定的なシュートを打つ場面があったが、これはGK西部がスーパーセーブ。最後まで両者が攻め合い、最後までどちらも身体を張ってシュートをブロックし、一瞬も息の抜けないゲームが続いたが、結局2点目は生まれることなく、1-1のままタイムアップ。結果は互いに勝点3を取り逃した形だが、観る側にとっては、サッカーの楽しみが目一杯詰まった一戦だった。
試合後、4試合ぶりに勝点を得た清水のサポーターは選手たちの頑張りを称え、3試合連続引き分けの磐田のサポーターはめずらしく大きなブーイング。その光景は、どちらのほうがより気持ちが入っていたかということを象徴していたのかもしれない。ただ、間違いなく言えることは、磐田の選手たちも素晴らしいプレーを見せたし、「ダービーマッチ」と呼ぶにふさわしい、魂のこもった最上級のゲームが観られたということだ。
以上
2005.10.23 Reported by 前島芳雄
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