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【J1:第28節 広島 vs C大阪 レポート】勢いは間違いなく本物! C大阪、7連勝で優勝戦線に名乗り。(05.10.23)

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10月23日(日) 2005 J1リーグ戦 第28節
広島 1 - 2 C大阪 (15:05/広島ビ/12,682人)
得点者:'8 森崎和幸(広島)、'44 西澤明訓(C大阪)、'65 森島寛晃(C大阪)
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「一戦一戦、自分たちのやるべきことをやるだけです」
C大阪・小林監督からも、そして西澤明訓・森島寛晃の両ベテランからも、この同じ言葉が聞かれた。だんだん大きくなって聞こえてくる様々な雑音を遮断し、挑戦者としての自分たちの立場をしっかりと確立させたい。そんな強い意志が、指揮官とチームリーダーの間の共通認識となっている。その意識の共有が、C大阪快進撃の要因なのかもしれない。

今日の試合も、C大阪は決して楽に勝てたわけではない。むしろ、前半は広島のカウンターに大いに苦しめられた。左サイドのゼ・カルロスのサイドチェンジを中心とした幅広い攻撃で広島守備陣に襲いかかったC大阪だったが、そこを広島の集中力の高い守備で跳ね返され、8分にはセットプレイから森崎和幸にゴールを奪われる。
「それから、ちょっとパニックになった」(小林監督)という最終ラインの乱れを突かれ、広島に何度もビッグチャンスを作られてしまった。しかし、C大阪は前線の西澤を中心に、前線から豊富な運動量を利したディフェンスで広島の守備陣に強烈なプレスをかける。それを間断なく続けたことで、ペースが広島に完全に移ってしまうことを防いだ。そして、ボールを奪うと2タッチでスピーディーにパスをま回す。また、ファビーニョと西澤のところで微妙にタメることで、選手たちが次々にスペースに飛び出していく。そんなダイナミックなサッカーをC大阪は展開し、主導権を奪い返した。
44分、森島のヘッドをルーキーGK・佐藤昭大が素晴らしい反応を見せるも、微妙にこぼしてしまう。そこを西澤がつめてゴールに流し込んで同点。確かに幸運な部分はあったが、C大阪がダイナミックな攻撃サッカーで圧力をかけ続けた必然のゴールだった、とも言えた。

そして後半、C大阪はファビーニョの素晴らしいクロスに森島が飛び込み、逆転に成功する。その後は焦る広島の選手を軽快なタッチでいなし、また前線の3人が最後まで運動量を落とさずにディフェンスを続けた。これにより、C大阪は広島に同点機を与えることなく、最後まで逃げ切った。

試合後の会見で「優勝戦線に参加してきたが?」という質問に対しても、小林監督は慎重な姿勢を崩さない。しかし前半にゼ・カルロスという切り札を、後半には守備の牽引車・前田和哉を怪我で欠きながらも動揺を見せずにチーム一丸となり、一度は広島に傾きかけた流れを自分たちで修正して、勝利をつかんだC大阪の勢いは本物だ。7連勝・10試合連続負けなし、どちらも今季のJ1では最高記録。そして勝ち点13差あったG大阪との差を、C大阪は7試合で5差まで詰めてきた。こうなると、残り6試合での逆転は決して非現実的な数字ではあるまい。G大阪と鹿島にしぼられた感のあった優勝争いに、桜色の旗印をかかげた「大阪の勇者」が、割って入ろうとしている。

一方の広島は、せっかくいい形で先制し、前半は何度もチャンスをつくっておきながら決められず、そして後半は自分たちの内面から崩れていった。逆転されたのは65分。まだまだ十分に同点・逆転する時間はあるのに下を向いてしまい、やがて足が止まった。小野監督は3−4−3システムにして勝負に出たが、逆に最終ラインと中盤の間にスペースが空いてしまって、そこをC大阪に使われ逆襲をくらうという悪循環に陥ってしまった。
特に9月以降の7試合で15失点という状況。それまでの21試合で16失点という堅守を誇っていたのに、その3分の1の試合数でほぼ同数の失点を喫してしまっている。
「完全に崩されているわけではない。しかし、五分五分の状況で、流れをこちらにもってこれなくなっている」と小野監督は言う。この急激な失点増を止めるために、次節の磐田戦に向けてJ有数の分析家・小野監督がどういう手を打ってくるか。サポーターは、その答えが出されることを、期待しているはずだ。


以上

2005.10.23 Reported by 中野和也
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