11月6日(日) 2005 J2リーグ戦 第39節
山形 0 - 2 仙台 (14:04/山形県/16,878人)
得点者:'43 シュウェンク(仙台)、'73 シュウェンク(仙台)
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スタンドのサポーターは、まるでデジャヴのような感覚にとらわれたのではないだろうか。
後半28分、右コーナーキック。シルビーニョからのボールを頭で合わせたシュウェンクは、前半43分の先制点のときと同じく、ゴール真正面で完全にフリーだった。その先制の場面では、バロンの体に触れ至近距離でコースを変えたボールにGK桜井も咄嗟に手を出したが、今度はネットへズドンと一直線。桜井は一歩も動くいとまもなかった。
今年最後のみちのくダービーは2−0。仙台がホーム山形に対し第1戦の借りを返すとともに、昇格の可能性に確実な一歩を刻んだ。
キックオフ直後から、すべてのフィールドプレーヤーが厳しいプレスを受けながらのプレーを強いられたが、中でも、山形の大塚と永井、仙台のシルビーニョと、中盤で攻撃の起点になり決定的な仕事をする選手は特に厳しくマークされた。
そのマークをかわす方法のひとつに、少ないタッチ数でのプレーがある。10分、中盤のルーズボールをシルビーニョがワンタッチで縦に送り、シュウェンクが飛び出した桜井を見ながらループシュートを放つ。これはバーの上を越えていったが、少しでも余裕を与えると、特に決定力のある仙台は一瞬にしてゴールチャンスをつくることを再確認させるには十分のプレーだった。
試合は自然とコート中央付近でボールを奪い合う場面が多くなったが、ポゼッションで軍配が上がったのは、球際の強さを見せたのは仙台。それは、ルーズボールを無理にでも奪い取ろうという姿勢の仙台に対して、ややそこからのリアクションを待つ傾向の強い山形との差が表れたものだった。仙台が奪ったボールは、財前と中田の右サイドからの攻撃に多く活用されたが、その中田と左・村上の両SBが起点となる長いボールも、攻撃にアクセントとなった。対する山形は、仙台のボランチの奥までボールを運ぶことができないことが響き、前半のシュートは2本に終わる。
山形・鈴木監督が「(あのプレーで)少し流れが向こうに行ってしまった」と振り返ったのが、前半36分、シュウェンクがペナルティーエリアの外からバー直撃のシュートを放ったプレーだった。直後には、シルビーニョから左に配給されたボールを受け、中へ向かってドリブルを始めた大柴を、戻っていた阿部が手で止め警告を受ける。ハーフタイムに向かって流れわ加速させる仙台と押し戻す山形。その決着がついたのが、前半43分、コーナーキックからのシュウェンクの先制点だった。
ビハインドの山形は、後半の頭から原に代えて林を投入し、裏やサイドのスペースを狙う意図をより鮮明にする。さらに仙台もやや引き気味に守備をシフトしたことで、フリーになった中盤の大塚を起点に反撃を開始する。16分、大塚のパスを受けた永井が左サイドでフリーで待つ阿部に決定的なパスを送る。20分には大塚が右へ展開、上がってきた臼井が中へクロスを入れる。しかし、ミスで自らチャンスを潰すうちに、後半28分の追加点を許すことになった。 山形は佐々木、根本をトップに投入しスクランブル態勢。後半だけで7本のコーナーキックを得たが、一度もゴールネットを揺らすことなく、終了のホイッスルを聞いた。
今季初の3連敗を喫した山形は、勝ち点54で足踏み状態。遠くへ去っていくライバルたちを、唇を噛みしめながら見送る試練の日々を迎えている。3位甲府とは勝ち点8差の6位。入れ替え戦出場の権利を得るには、残り5試合で3チームを抜き去るという、きわめて難しい状況になったが、「数字の上ではまだ可能性はあり、諦める気はまったくない」と鈴木監督はきっぱりと言い切る。
「藤川コーチが入念にスカウティングしてくれて、彼の指示どおり動いているので、今日は藤川コーチの仕事が素晴らしかったなということで、先ほど誉めたところであります」と、満面の笑みを浮かべたのは仙台・都並監督。シルビーニョ、財前を欠いた前節・札幌戦こそ引き分けに終わったが、2人が戻ってきた今節ではきっちり勝って、勝ち点2差で3位甲府を追走する。前回のみちのくダービーで今季初の出場を果たして以降、気迫のプレーで引っ張ってきた菅井が次節は出場停止となるが、今はチーム自体に勢いがある。敗れた2位福岡の背中もうっすらと視界に入ってきたが、「ひと山越えると調子が下るような癖を持っているチームなので、そこを引き締めて次のゲームに向かっていきたい」厳しい戦いの中で信念を貫いてきた指揮官が手綱を締めた。
以上
2005.11.07 Reported by 佐藤 円
J’s GOALニュース
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