11月6日（日） 2005 J2リーグ戦 第39節
草津 0 - 2 京都　（16:05／群馬陸／4,808人）
得点者：'60 松田正俊（京都）、'89 加藤大志（京都）
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降りしきる雨の中、群馬県敷島陸上競技場で、京都・柱谷監督の体が2度、3度、宙に舞う。Ｊ1昇格決定に続き、2度目の胴上げだ。断トツの強さでＪ2昇格を決めた京都の選手たちは、優勝の瞬間を見ようと群馬まで駆けつけたサポーターとともに喜びを分かち合った。選手たちの歓喜の声はピッチを引き上げた後も、しばらくの間、ロッカールームから響き渡っていた。

　草津対京都に先立って、午後2時から三ツ沢で始まった横浜FC対福岡の結果次第では、京都の優勝と草津の最下位が同時に決定する可能性のあるゲーム。前半を終わって、横浜ＦＣが3点リードという情報が記者室に伝わると、ため息に近い声があちこちから上がっていた。これからのゲームを待たずに京都の優勝が決まってしまうからだ。そして、横浜FCの勝利が濃厚になったことで、草津の最下位確定がいよいよ現実に近づいてきた。

　午後4時のキックオフとほぼ同時に、横浜FC対福岡の試合が終わり、その段階で京都の優勝が決定。京都はこのゲームに勝たなければ、優勝の喜びが半減してしまうだけに、なんとしても勝利を上げたかったはずだ。

　アレモンを出場停止、パウリーニョをケガが欠く京都は、代わりに松田、中払の2トップ。迎え撃つ草津は、サテライトで調整を続けていた吉本を35節の甲府戦以来の先発で起用した。草津は、序盤から素早いプレスで京都に応戦。京都はプレスに受身に回り、うまくパスが回せない。「前半は連動した守備が出来ていた」（杉山）。草津は、中盤でいい形こそ作るものの、ゴール前まで持ち込めない。前半の両チームの決定機は京都の１回のみ。31分に京都がCK後の混戦から放ったシュートは、杉山がゴール手前でブロック。ほぼ互角の展開で前半を折り返した。

　ゲームの転機は、56分に京都が中払に代えて田原を投入したこと。松田、田原と、前線でのターゲットが二つになったことで、草津のセンターバック2人がそのマークに追われ、京都の2、3列目が飛び出してくる。そして、田原投入から4分後の60分、米田からのパスを左サイドで待っていた松田が右足でゴール。草津は、その後、チカ、吉本がヘッドでゴールに迫るが平井を中心とした京都の守備陣に阻まれた。「いつものことだが、決めるか決めないかの差が出た」と佐田。京都は終了間際に加藤がトドメを刺し2-0で草津を退けた。

　試合後、柱谷監督が「2度目の胴上げだが、やはりうれしい」と笑顔を見せたのに対して、最下位確定の悔しさについてのコメントを問われた手塚監督は「先に悔しいと決めつけられても困る」と、ぶ然とした表情で話した。

　優勝を決めた京都と、最下位が決まった草津。両チームの勝点差は64。草津は今節、パウリーニョとアレモン抜きの「飛車角落ち」京都に善戦こそはしたものの、トータル的なチーム力の差は歴然だ。両クラブとも残りは5試合。「Ｊ1を意識した戦い」と柱谷監督が言うように、京都はＪ1に向けた準備が始まる。一方の草津は、来季に向けた土台作りと言ったところか。福岡、仙台など昇格争いを繰り広げるクラブとのゲームが続く最終章をいかに戦うかが、今季の草津の評価を最終的に決めることになる。

以上

2005.11.07 Reported by 伊藤寿学