11月12日(土) 2005 J1リーグ戦 第30節
清水 0 - 1 横浜FM (16:05/日本平/12,286人)
得点者:'62 グラウ(横浜FM)
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前半を制したのは、完全に清水の方だった。センターバックを高木和、青山という若いコンビ(平均21.5歳)に任せ、ボランチはケガから早い復帰を見せた伊東と枝村というベテランと新人の組み合わせとした清水は、立ち上がりからエンジン全開。全体をコンパクトに保って、バランスの良いポジショニングからの鋭い出足で横浜FMからボールを奪うと、素早く縦にボールを運び、サイドに展開してチャンスを作った。
象徴的だったのが、キックオフ20秒後の攻撃。左サイドで奪ったボールからチョがうまく落として枝村がサポートし、再びチョから左サイドに出して飛び出した兵働がクロス。ニアに飛びこんだマルキーニョスのシュートは外れたものの、ムダのないボール運びによる鮮やかな速攻―長谷川監督流に言えば完璧な『ファーストブレイク』―だった。
その後も、清水が主導権を握り続ける。足下でボールをつないでくる横浜FMに対して、中盤でのプレッシャーがはまり、カウンター気味に素早く前線の2人にボールを当てて、横浜FMの守備陣を押し込み、セカンドボールも清水が拾う場面が目立った。横浜FMが誇るドゥトラと田中隼の両アウトサイドも、下がって守備に追われるしかなかった。
そんな中、14分のマルキーニョスのボレーシュート、37分の兵働のクロス、40分の太田のクロス、43分の枝村のミドルシュートなど、チャンスもいくつか作ったが、肝心の詰めの部分での精度がもうひとつ。横浜FMも、中澤やドゥトラの強さ・うまさが目立って、要所はしっかりと抑えた。
「素晴らしいプレーができている」と長谷川監督がコメントしたように、点が入らなかったこと以外は、清水が思い通りのサッカーをした前半だった。
後半は、岡田監督が清水対策に動く。コンディションが万全ではないボランチの奥に代えて、マグロンを少し前めに入れて、前線は中央に久保、右に坂田、左に山瀬という3トップ気味の形に変更。それによって清水のサイドバックがボールを持ったときにプレッシャーをかけ、前線に当てるロングボールを容易に蹴らせないようにした。
それによって、清水が前半よりも中盤を経由してつないでいく場面が多くなり、横浜FMはじっくり構えて守ることができるようになった。こうなると3バックの強さが光る。清水も前半と同様に出足は良かったが、前半ほど思うようにチャンスを作れなくなっていった。
先制点の場面も、横浜FMの前線からのプレッシャーが効いた。後半17分、ペナルティエリア手前でボールを持ちすぎた市川にプレスをかけて奪うと、上野が左に開いた久保に出して低いクロス。このボールにGK西部が飛び出したが止めきれず、こぼれ球をグラウが押し込んで、横浜FMが抜け目なく相手のミスをつき、貴重な先制点を奪った。
その後も、清水がボールポゼッションで上回り、反撃を試みるが、横浜FMの高く厚い壁をなかなか切り崩せない。それでも33分に、横浜FMのGK榎本がこぼしたボールをチョが奪い、そこで足をかけられてPKをゲット。ここでは清水に運があったが、このPKをチョが左に外して、同点に追いつく最大のチャンスを逃してしまう。
最後は、清水が西野と澤登を同時に投入し、3トップにしてパワープレーで攻めたが、横浜FMが最後まできっちり守りきって1-0のままタイムアップ。
清水の側から見れば、最低でも勝ち点1は取れたゲームだった。もしも失点を0に抑えて勝ち点3が取れれば、非常に大きな自信を手にできる内容だっただけに、詰めの部分の精度を欠いてゴールが奪えなかったのは残念なところ。
「エスパルスの選手たちは非常によく走っていたし、気迫があったし、今日は我々に運があった」と岡田監督は試合を振り返ったが、ワンチャンスをきっちり決める決定力と押し込まれても最後のところで踏ん張れる守備力、すなわち『試合を決める力』という意味では、2年連続王者の横浜FMが一枚上回った。
以上
2005.11.12 Reported by 前島芳雄
J’s GOALニュース
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