12月3日（土）J1 第34節 Ｃ大阪 vs Ｆ東京（14:00KICK OFF/長居）
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　5チームに優勝の可能性がある中で行われる最終節。5つのチームのなかで、唯一自力で優勝を決めることができるのがC大阪だ。勝点58のうち、リーグ後半戦（第19節以降）にあげたのは35。15試合負けなしの10勝5分という驚異的な勢いで、終盤になって優勝争いの主役に躍り出た形だ。最終節に勝てば勝点は61となり、他のチームの結果に関わらず優勝が決まる。Jリーグ史上類を見ない大激戦だが、中でも長居スタジアムの試合はもっとも注目を集めるはずだ。

　さて、C大阪は前節アウェイで横浜FMと対戦、1-1で引き分けた。相手のハードなディフェンスの前に攻撃が思うに任せなかったが、森島寛晃のラッキーなゴールで先制。しかし猛攻を受けて後半ロスタイムに追いつかれてしまうという展開だった。得た勝点は1、最終戦を前にして初めて首位に立った。「プレーがいつもよりも硬かった」と振り返った小林伸二監督は、「プレッシャーをコントロールして次の試合に向かいたい」と決意を新たにしていた。

　横浜FM戦で4度目の警告を受けたブルーノ・クアドロスが出場停止。バックラインの中央でにらみをきかせていた彼を大一番で欠くのは痛い。しかし、選手たちは前向きにとらえている。「最終ラインが日本人だけで組めるという利点もある。プラスに考えたい」と話すのはボランチの下村東美。「ボランチに入る、僕とファビーニョのところでできるだけ相手を止めるようにしたい。そうすればバックラインへの負担が軽くなるから」（下村）。ファビーニョは、「ブルーノからは『タイトルを獲ってくれ』と言われている。彼はこれまですべての試合に出て貢献している選手。僕だけでなくほかの選手たちもブルーノのためにもタイトルを獲るんだと思っているはず」と、チームメイトを思いやった。

　ブルーノ不在は不安材料だが、今週は朗報もあった。10月20日の川崎F戦で左足首の靭帯を痛めて全治3週間と診断されていたDF前田和哉に、復帰のめどが立ったことだ。週初めから練習に合流し、非公開練習となった木曜日（12月1日）も紅白戦に参加した模様。「日ごとに状態はよくなっている」（小林監督）とのことで、何とか出場にこぎつけられそうだ。DF以外のポジションはすべて今までと同様の見込みで、「ことし1年言い続けてきたことをやるだけ。自分たちのスタイルを表現しない限り、優勝はできないと思っている」と、小林監督は話す。

　今週、C大阪の練習グラウンドにはいつもよりはるかに多数の報道関係者が訪れた。しかし、選手たちの様子はこれまでと変わらない。過剰な緊張も、浮き足立つ様子も皆無だ。キャプテンの森島は、「5年前と違って、今回はいい形で気持ちをもってこられた。試合の入り方を間違えなければ大丈夫。今まで1試合1試合やってきたことが出せれば結果はついてくる」と、きっぱり。あくまで自然体で、しかし強い気持ちを持っていることがうかがえる。

　対するFC東京は、C大阪同様に好調だ。ここ11試合負けなしで、失点が少なく堅守を見せているところもC大阪のイメージと重なる。FWササ、DF加地亮が出場停止、ルーカスも負傷欠場の見込みと、ベストメンバーではないようだが、目前で優勝を決められるのは絶対に避けたいはずで、全力でぶつかってくるだろう。

　チケットはすでに完売、観客動員の記録も更新されそうな勢いだ。当日は冷え込みが予想される大阪だが、長居スタジアムだけは別。熱気と歓声に包まれ、史上最高の盛り上がりが見られるはずだ。そのなかで季節外れのサクラを見事に咲かせることができるどうか? 舞台は完璧に整った。キックオフが待ち遠しい。

以上

2005.12.2 Reported by 横井素子

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【今節の予想スタメン】
●C大阪：システム/3−6−1
GK　吉田
DF　藤本・前田・柳本
MF　久藤・ファビーニョ・下村・ゼ・カルロス
MF　森島・古橋
FW　西澤

●F東京：システム/4−5−1
GK　土肥
DF　藤山・ジャーン・茂庭・金沢
MF　梶山・今野
MF　戸田・栗澤・鈴木
FW　阿部

※F東京の予想スタメンは後ほど掲載いたします。