12月3日（土） 2005 J2リーグ戦 第44節
山形 1 - 0 鳥栖　（14:04／山形県／3,145人）
得点者：'72 佐々木勇人（山形）
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●松本育夫監督（鳥栖）：

「悪条件の中、選手たちが本当に最後まで力抜くことなく、自分たちの持っているものを出そうという努力をしてくれたと思います。勝負は時の運と言われますけれども、わずかあそこの１本の、相手にとってはチャンスに、ゴールを決められてしまったと思います。後期、相手にワンチャンスを活かされて負けるゲームが非常に多かったので、これも自分たちの力だろうと思う。そこのところは指導者としてしっかり把握して、来年のシーズンに対しての準備、考え方を持っていきたいと思います。

いずれにしても再建途上にあるチームでして、今年が新生のクラブだと思います。その中で選手たちが、３月５日の開幕戦から今日の44試合目まで、試合で力抜くことなく戦ってくれた、あるいはトレーニングしてくれたことが、来シーズンに財産となって活かされる、利子を生むだろうと思う。決して無駄な１年ではなかった、新しく生まれ変わったクラブが努力している。フロントと現場、チームが一生懸命戦った１年だったと思います。ですから、必ずや、培ったもの、学んだものが大きく活かされるし、活かしていかないといけない１年だったと、私は思っております。いずれにしても、44試合、まったく力を抜くことなく戦ってくれた選手に対して感謝をしたいという気持ちが、今の率直な私の心中です」

Ｑ：あいにくの雪のコンディションだったが、選手たちに雪対策の指示は？

「２つの柱が今日はあったと思います。一つは、この雪のために細かいプレーをせずに、とにかくゴールに近づけるプレーを徹底してやれということです。本来でしたら、両サイドバックの背後へボールを送るということをやりたかった。その辺の技術的なところが未熟でして、バックのラインを越すボールが蹴れなかった、ほとんどが引っかかってたという技術の無さ、これは認めざるを得なかったですね。あそこはやはり、越すボールが出ればまた違ったものが出てきたはずなんですけども、両サイドバックの背後を突けなかったというのが、今日のゲームの反省しなければいけなかったことだろうと思います。

もう一つは、今日チームを離れる選手もおりますし、残る選手もいるんですけれども、いずれにしても同じメンバーが戦うことは２度とない。ですから、持ってる力を全部出し切れと。メンタルな面での支えはしたつもりです」

Ｑ：今シーズン、クラブ全体としてどう総括されますか？

「クラブが新しいプロのクラブをつくる大変な努力をしてる１年だったと思います。それはなぜかと申しますと、事務やフロントに約20名の社員を募集して今働いている。その一人ひとりが、いかにしてお客さまに来てもらえるかという仕事をしに入ってきました。それから、私のほうの現場は、２人の選手をシーズンの途中で交換トレードと言いますか、宮原をセレッソに出し、濱田をうちのほうに迎える。それから、福岡に村主を出して立石を迎えた。この４名の選手が、それぞれ相手のところに行ってものすごく力を発揮したと思います。本当に両クラブともハッピーだった。こういうことがこれまでできなかったんですね。できないクラブでしたから、そういう意味でも、フロントと現場が一体となって、とにかくいいクラブチームをつくろうと、地域密着型の大変な努力を今しております。それはやはり、フロントと地域の方とのコミュニケーションといったものもあるし、選手もできるだけそういうところへ、肌のふれ合いと言いますか、そんなことも常にやらせている。平均約8000人のお客さまに来ていただいたというところにも、クラブの改善というものが大きくでたし、実績が残せたと思います。ただ、地域密着の、地方のチームのプロフットボールクラブをつくるのは、これからかなり時間も努力も必要だということだけは確かだと思います。しかし、その努力をしようとする姿がこれまでなかったクラブですから、素晴らしい発展をこれから遂げていくだろうと確信しております」

以上