12月3日(土) 2005 J1リーグ戦 第34節
磐田 1 - 0 神戸 (14:04/ヤマハ/13,330人)
得点者:'72 茶野隆行(磐田)
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どちらのチームも、今季抱え続けてきた課題が出たゲーム。その中で、勝敗を決したのは初々しいルーキーが呼びこんだ幸運だった。
田中と鈴木がケガ、福西が出場停止と、守備陣の主力を欠いた磐田は、ルーキーの森下俊(19歳)をリーグ戦初先発(初出場)させる。先発11人の平均年齢は25.09歳。磐田としては、かなりの若返りだ。対する神戸も、通算出場が25試合以下の選手が4人。GKの荻(22歳)は初出場・初先発で、平均年齢24.82歳。来季を見据えた積極的な若手の起用を試みた。
立ち上がりは若手のアピールの場という意味でも、降格決定後も高いモチベーションを見せている神戸がよく動いて中盤をコンパクトに保ち、個人技で勝る磐田に主導権を握らせない。人に対するマークも忠実に行ない、マイボールのときは確実につないで左右から攻める。16分には、朴の左CKに金古が頭で合わせ、右ポストをかすめて外れるなど、惜しいチャンスも作った。
序盤はほぼ互角の展開だったが、前半の半ば過ぎから磐田がボールを支配して攻め、神戸が守りを固めるという展開になっていく。その中で、磐田が何とか攻め崩そうとさまざまな攻撃を試みるが、神戸も集中力の高い守りでスペースを与えず、決定的なチャンスをなかなか作らせない。磐田もワンタッチの素早いワンツーなどを駆使して何とか突破を試みるが、崩しきるところまではいかない。前半が0-0で終わったことは、神戸にとっては狙い通りだった。
後半は、ここまで我慢してきた神戸が、前からプレッシャーをかけて攻勢に出る。高い位置でボールを奪って速く攻め、いくつかチャンスを作るが、ここは磐田も意地を見せて守りきる。神戸にとっては、播戸がケガを負って前半で交代したことも痛かった。15分あたりまでは神戸のペースで試合が進んだが、16分に攻撃参加したDFの茶野が猛然とドリブルで相手ペナルティエリア内に切り込んだ。このあたりから磐田が盛り返していく。18分にはCKからのヘッドで決定的な形を作るなど、徐々に神戸にプレッシャーを与える。
たしかに流れは磐田に来ていたが、先制点は思わぬ形から生まれた。27分、セットプレーの2次攻撃で森下が左後方からクロスを上げると、そのボールがゴール側に流れてバーに当たる。その跳ね返りがゴール前に残っていた茶野の前にうまく落ち、これを押し込んで磐田が先制点を奪う。皮肉にも、DFの2人で奪ったゴールだった。
その後は、神戸がさらに通算3試合目の石澤(20歳)と初出場の中村(19歳)を投入して反撃を試み、お互いにチャンスは作るが決め手を欠く。磐田のほうは、23分に入った中山が脇腹あたりを痛めて河村と交代。それもあって無理に追加点を奪いにいくというより、最後は1-0で逃げ切るという戦い方になって、結局そのままタイムアップ。磐田がなんとかホームでの最終戦で勝ち点3を手にし、6位で2005年リーグ戦を終えた。
神戸は、降格決定後も3連敗となってしまったが、内容はある程度手応えをつかめるもの。若手も存在をアピールして「彼らの中に将来のヴィッセル神戸のヴィジョンを見た」と、この試合かぎりで退任するパベル監督も語った。
一方、磐田はここ3試合で1失点と守備が安定してきたことと、森下が安定したプレーを見せたことが大きな収穫。GK川口が「攻めているときの守りの意識について、つねにみんなに話している」と語ったように、カウンターに対する備えは良くなってきた。しかし、「しっかり守られると崩しきれていない」(服部)という課題と、チャンスを決めきれないという課題は残ったまま。1週間後に控えた天皇杯の新潟戦に向けて、やるべきことはまだ多い。
以上
2005.12.03 Reported by 前島芳雄
J’s GOALニュース
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