12月7日（水）J1・J2入れ替え戦 第1戦 甲府 vs 柏（19:00KICK OFF/小瀬）
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　J2リーグ3位の甲府とJ1リーグ16位の柏が激突する2005年J1・J2入れ替え戦。その第1戦は甲府のホーム、小瀬陸上競技場で行われる。経営危機を乗り越えてJ2の上位チームに成長した甲府は、リーグ最終節（第44節）で京都に2−1と逆転勝ちした勢いで入れ替え戦に突入したい。しかし、相手の柏は16位とはいえJ1で揉まれてきたチーム。選手個々のレベル、戦闘力はJ2とは違う。また、昨年の入れ替え戦を経験した選手も多く残っており、初めてづくしの甲府とは違って、極端に硬くなることはないだろう。第2戦をホーム（柏スタジアム）で戦うことが出来ることを含めて、有利であることは確かだ。

　甲府の現状で一番の不安要素はディフェンス陣が揃わないという点。右サイドの杉山は、京都戦でチームを同点の危機から救ったが、レッドカードを受けて出場停止。また、左サイドの井上は、脹脛の痛みがあり出場は難しい。第1戦は両サイドバックが不在となる。しかし、器用な選手が多い甲府、京都戦で左に入った山本を右サイドに入れ、左サイドには青葉が入ることになりそうだ。杉山、井上のサイドバックコンビに比べて守備力を重視した布陣となるが、役割がはっきりするだけで攻撃力が落ちるということはない。

　攻撃陣で欠ける選手は出ないが、京都戦後「バレーのポジショニングが駄目」と大木監督が話したことが気になる。バレーが動き出さないために、長谷川がスペースを探すことに苦労していたことを指すと思われる。長谷川は「相手が引いたとしても、スペースを探すことは出来ると思うし、ゴールへの道は開ける。バレーも気合が入っているので、絶対にやってくれる。お互いを活かすようにスペースを使っていきたい」と自信のコメント。バレーと長谷川は、共に得点力のあるFW。共に活きるコンビネーションで先制点を狙いたい。

　柏は、FW、MFの台所事情が苦しい。なかでも、ボランチ・明神の回復具合が気になる。明神は攻撃の手数を左右する選手だけに、復帰すれば甲府には大きな脅威だ。そして、外国籍選手の使い方もポイントになる。リーグ戦の終盤は日本人選手だけで戦った場合のほうが、結果が出来ているからだ。外国籍選手は前線での守備の意識が不十分なことがその理由だが、早野監督は苦しい台所事情の中で選手の組み合わせに大きく悩むことになりそうだ。

J　2、J1と戦ってきたリーグのレベルは違うが、ポゼッションサッカーの甲府とカウンターサッカーの柏の対決となる入れ替え戦。ただ、大木監督は「柏は試合によって内容が大きく違う。『カウンターのチーム』と、ひと括りでは言えない。自分たちのプレーをしっかりすることが大切」と話す。ともかく、甲府にとって攻守のリズムが取りにくい試合展開になる可能性が高い。柏が前掛りに来てくれればリズムは掴めるが、しっかり守って、ボールを奪い、シンプルに攻撃を仕掛けてくるようだと、粘り強く戦い、スペースを探すことが必要になる。そして、なにより大切なことは、受身にならずにアグレッシブに戦うメンタル面を発揮することだ。前日練習でリラックスした様子で調整を行った甲府の選手。注目されることを喜んでいる。彼らが満員の小瀬陸上競技場でどんなプレーを見せるのか楽しみに待ちたい。

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2005.12.06 Reported by 松尾潤