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【第84回全国高校サッカー選手権大会 1回戦(市原臨海競技場) レポート】粘り強さを見せた青森山田とPK戦を制した佐賀東が2回戦で激突(05.12.31)

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第84回全国高校サッカー選手権大会 1回戦

青森山田(青森) 2-0 柳ヶ浦(大分)(12:10キックオフ/市原/3,100人)
得点者:16分 小澤竜己(青森山田)、66分 川西翔太(青森山田)

丸岡(福井) 1-1(PK 1-3) 佐賀東(佐賀)(14:10キックオフ/市原/2,000人)
得点者:18分 矢崎良(丸岡)、66分 山下洸一(佐賀東)
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■青森山田(青森) VS 柳ヶ浦(大分)

市原臨海会場の第一試合は、インターハイを制した「優勝候補」青森山田(青森)に、初出場・柳ヶ浦(大分)が挑んだ一戦となった。

序盤から主導権を握ったのは青森山田。右サイドMF松本怜が極端にサイドへ張り出す変則システムのメリットを生かして、彼と柳ヶ浦の左サイドバックの1対1を意図的に作り出す。松本は持ち前のスピードを生かして再三にわたってこの1対1を制して、試合の流れをも引き寄せた。

先制点が生まれたのは16分。これは松本とは逆の左サイドからだった。FW伊東俊がドリブルで突っ掛けたところを柳ヶ浦DFが倒してPK。これをFC東京入団が内定している小澤竜己が「落ち着いてやれた」という言葉どおり、冷静に突き刺す。1-0。
これで勢いが出た青森山田は各局面で柳ヶ浦を圧倒。右サイドの松本を中心に柳ヶ浦守備陣を次々に切り裂くのだが、致命的に詰めが甘い。柳ヶ浦GK伊藤勇士の奮闘もあって、前半に追加点を奪えず。黒田剛監督が「前半に2点目が取れれば…」と嘆いたとおりの内容で、ハーフタイムを迎えてしまった。

後半に入ると、風上に立った柳ヶ浦が盛り返す。中盤をボックス型からダイヤモンド型に改め、松本へのマークを徹底。青森山田の持ち味を殺すことに成功する。しかし、柳ヶ浦もなかなか決定的な形を作り出せない。MF金尚佑を起点にペナルティーエリア付近までボールを運ぶことは前半よりもできるようになった。しかし、その先に待つ百戦錬磨の青森山田守備陣を切り崩すには至らない。逆に青森山田は劣勢のじれったい展開になっても、ダブルボランチの馬見塚光と櫛引祐輔のコンビを中心に、バランスを保ち続ける。

均衡したかに見えた試合の終焉は唐突だった。66分、中盤でボールを拾ったセンターバックの鈴木琢朗が右サイドのスペースへグラウンダーのスルーパス。これに抜け出したのは、後半ほぼ完全に沈黙させられていた松本だった。グラウンダーの折り返しを交代出場のFW川西翔太が合わせて、2-0とした。
青森山田はこれが後半初めてのシュート。後半を通してもわずか2本しか打っていないが、それが逆にこのチームの勝負強さ、粘り強さを象徴していたとも言えるだろう。試合はこのまま終了し、青森山田が2回戦へと駒を進めた。



■丸岡(福井) VS 佐賀東(佐賀)

市原臨海会場第二試合は、14年連続20回目の出場となる名門・丸岡と、2年連続2回目の出場となる新興勢力・佐賀東の対戦となった。

前半18分、丸岡はセットプレーから先制する。MF森将貴の左CKをニアサイドでMF矢崎良が頭で合わせた。ものの見事な一撃に、「警戒はしていたけど、高さが全然違った」と佐賀東・蒲原晶昭監督も諦め顔。丸岡ペースで試合は動き出したかに見えた。

しかしここからの丸岡はいつもの丸岡ではなかった。動きが重く、ミスが目立つ。単なる初戦の硬さという以上に、コンディションの悪さが目に付いた。後半には足がつる選手が続出。「こんなの初めて」と小林正純監督も驚く、悪コンディションだった。
この丸岡を相手に、佐賀東は伸び伸びとしたプレーを披露。見事なゲームコントロールを見せるボランチの吉村広之、技巧派の左サイドMF伊藤陵を中心に試合を組み立て、失点に気落ちした様子もない。ゴールこそ遠かったものの、後半へ希望をつなぐ内容での折り返し。蒲原監督も前半を終えた選手たちの様子を「選手はこれならやれるという様子で戻ってきた」と振り返った。

後半も丸岡はピリッとしない。能力の高い2トップが何度か局面を打開したが、好機でのシュートはミス。丸岡らしい攻撃の組み立てはできないままだった。19分、佐賀東ベンチも動く。県大会でラッキーボーイ的な働きを見せた1年生FW井上博喜をピッチへ送り出した。

そして試合が佐賀東にとって望ましい方向へと動いたのは66分のことだった。右サイドのスペースでボールを受けたMF山下薫の低弾道クロスをニアに飛び込んだ井上がスルー。ファーでフリーになっていたエースFW山下洸一に対し、丸岡右サイドバックは絞り切れず。「山下→山下」という幾度となく相手ゴールネットを揺らしてきたホットラインがこの全国大会でも結実し、佐賀東が同点に追い付いた。

試合はこのまま終了。迎えたPK戦は大会屈指の名手であるGK川原隆広がそれにふさわしいプレーを披露して、佐賀東が3-1で勝利。「インターハイチャンピオン」への挑戦県を手に入れた。

以上


2005.12.31 Reported by 川端暁彦(エル・ゴラッソ
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