第84回全国高校サッカー選手権大会 3回戦
作陽(岡山) 1-1(PK 4-5) 広島観音(広島)(12:10キックオフ/3,179人)
得点者:45分 古川恭治(広島観音)、77分 西脇陽(作陽)
鹿児島実業(鹿児島) 5-0 徳島商業(徳島)(14:10キックオフ/4,337人)
得点者:4分 栫大嗣(鹿児島実業)、10分 迫田亮介(鹿児島実業)、38分 諏訪園良平(鹿児島実業)、57分 迫田亮介(鹿児島実業)、65分 平田政志郎(鹿児島実業)
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これが昨年覇者であり名門たる貫禄なのか。たしかに突出したタレントは不在なのかもしれない。しかし彼ら赤色のユニフォームを纏う者には隙がない。ボールに対する反応が鋭く、攻守の切り替えも素早い。便宜上、3−5−2のかたちを採ってはいるが、流れによってポジションは相互補完的だ。そして前線から終始プレッシャーを与え、どの局面においても相手に時間を与えず、マイボールにすれば判断素早くワンタッチプレーを重ねていく。ルーズボールさえも彼らの手ならぬ足に掛かれば救い出され、チャンスボールに塗り替えられる。ボールへの執着と一瞬たりとも弛むことのない集中力、豊富な運動量、ゴールに対する執念、そしてそれら総ての徹底が鹿児島実業というチームの色といえるだろう。
鹿児島実業は試合開始のホイッスルからギアをトップにいれ、主導権を握る。最初のゴールが生まれたのは4分のことだ。鳥栖に入団を決めている栫大嗣が右サイドからのクロスを胸トラップするや否やボレーを放ち、2回戦同様に先制点を叩き込む。さらに10分、自陣でボールを奪うとキャプテンの赤尾公にボールが渡る。前がかりになり手薄な徳島商業に対しドリブルで持ち込むと、赤尾は右サイドを走る迫田亮介にはたき、迫田が追加点を沈めた。
「ラストパスが来なかった」試合後、徳島商業のFW中川大輔は振り返っている。事実、1トップの彼は孤立する場面が多々見られた。ビルドアップができなかった訳ではない。たしかに相手の勢いに手を焼いたが、徳島商業が標榜する「繋ぐサッカー」が閃きを見せる瞬間もあった。30分過ぎにはショートパスを繋ぎ、右サイドバックの八幡充が果敢な攻め上がりを見せた。だが鹿児島実業の戻りが速く、クロスを送るまえに封じられてしまうのである。2点を先制してもなお鹿児島実業の律動は止まない。38分にはカウンターから諏訪園良平がシュートを放ち、3−0で前半を折り返した。
「点差が開いていたので、後半は開き直って悔いないようにプレーしようと思った」とキャプテンの斎賀淳が話したように、残りの40分のあいだ徳島商業も意地を見せた。停滞を見せ始めた相手を尻目に積極的に動き、スペースを生み出し、パスサッカーを展開する。だが数少ないチャンスも枠を捉えることができず、逆に57分、65分とさらなる追加点を許し、鹿児島実業が準々決勝進出を決めた。「相手のほうが気持ちが強かった」と斎賀も脱帽の、前回覇者の圧勝だった。
この試合の前に行なわれた駒沢競技場第一試合では、広島観音と作陽の中国勢同士が対戦した。やや広島観音ペースで進みながらスコアレスで前半を終えると、後半に入り両チームともに選手の入れ替えを図った。前半の流れを保っていた広島観音は45分、相手のミスからボールを奪い、パスを受けた鍋原大崇がドリブルで持ち込みシュートを放つ。これは作陽GK黒田瞬が弾くが、走りこんだ古川恭治が先制点を捻じ込んだ。
一方の作陽は攻撃の手綱を握る宮本大希がマークされ、なかなか前を向けない。また要所でのミスも足を引っ張った。それでも残り10分を切り流れを引き寄せると77分、コーナーキックから西脇陽がヘディングシュートを決め瀬戸際で同点とし、勝負はPK戦に縺れこんだ。そして互いに一本ずつ外したのち、6本目を沈めた広島観音が前日に続きPK戦を制し、準々決勝の切符を手にしたのだった。広島観音は粘り強い守備と勝負強さを兼ね備える遠野、鹿児島実業はU-18日本代表ストライカーの森島康仁を擁する滝川第二と、それぞれ対戦する。これまでの戦いを糧に、さらに上を目指す。
以上
2006.01.03 Reported by 隈元大吾
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