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【第84回全国高校サッカー選手権大会 3回戦(さいたま市駒場スタジアム) レポート】勝利を呼び込んだ劇的なゴール。遠野がベスト8進出を果たす(06.01.04)

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第84回全国高校サッカー選手権大会 3回戦

鹿島学園(茨城) 2-1 浦和東(埼玉)(12:10キックオフ/8,037人)
得点者:41分 小森隆生(浦和東)、55分 榎本有真(鹿島学園)、62分 佐々木竜太(鹿島学園)

立正大淞南(島根) 1-2 遠野(岩手)(14:10キックオフ/3,800人)
得点者:56分 小島暢明(遠野)、79分 金園英学(立正大淞南)、79分 佐々木勝洋(遠野)

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ゴール前の混戦から金園英学の放ったシュートが、GK高橋が懸命に伸ばし右手の先を抜ける。揺れるゴールネット。そしてスタジアムが大歓声に包まれた。手元のストップウォッチは40分と45秒。10人の立正大淞南が最後の力を振り絞って仕掛けた最後の猛攻撃が実を結んだ瞬間だった。あまりにも劇的な同点ゴール。それは勝利への強い欲求が結実したもの。どんなに苦しい状況に追い込まれてもあきらめない立正大淞南の執念に誰もがPK戦への突入を確信した。

しかし、試合には更に劇的な幕切れが残されていた。勝利の二文字を強く信じるのは遠野も同じ。そして右からのCKのチャンスを得る。キッカーは小島暢明。「最後はやってくれると思っていました。相手は1人少なかったんで数的有利は作れていましたから」(小島暢明・遠野)。小島の右足から放たれたボールがきれいな弾道を描いてゴール前へ。そこへ佐々木勝洋が飛び込む。次の瞬間、頭で合わせたボールがゴール右下へ吸い込まれた。

この日の遠野は、耐えて、耐え抜いて勝利をものにした1、2回戦とはまったく別の姿を見せた。鋭い出足で中盤のボールを支配すると、ボールをつないで積極的に前に仕掛ける。ゲームを作るのはトップ下の小島。前線では菊池亮が楔のボールを受けて起点を作り、2列目からは鈴木秀啓がスピードを生かしてスペースへと飛び出していく。前半から主導権を握って攻め続ける姿は、いくつものチャンスを作り出した。

やや引いた位置に構え、統制の取れた守備でボールを跳ね返す立正大淞南の前にゴールを奪うことが出来なかったが、それでも慌てることはなかった。「相手はカウンターを狙ってくる。その準備をしていれば点を取られることはない。ただし、自分たちが圧力をかけて点を取りに行かないとやられるぞ」。そんな松田監督の指示を忠実に実行に移した。それはロスタイムで同点に追いつかれるという場面にあっても変わらない。最終的には、その強い気持ちが勝利を手にする原動力になった。

一方、90分間に渡って遠野に主導権を握られながらも、最後の最後まで勝利を信じた戦った立正大淞南の粘り強さも見事だった。「部員全員が良く粘った」(南健司監督・立正大淞南)。その言葉どおり、押し込まれても、ピンチにさらされても、全員がしっかりとボールにプレッシャーをかけてゴールを守った。そしてロスタイムに奪った同点ゴール。それは、遠野同様、強い気持ちがもたらしたゴールだった。敗戦に悔しさは残るが、力を出し切っての結果だった。「最後まであきらめなかったら何が起こるかわからないということも知りました」(平野甲斐選手・立正大淞南)。その気持ちは必ず受け継がれ、何時の日か全国の舞台で実を結ぶことになるはずだ。

さて、この試合に先立って行われた第1試合では、鹿島学園と地元・浦和東が対戦。互いに慎重に戦う前半は、ともに大きなチャンスを作れないままに終了、そして、後半になってゲームが動き出した。先制点は浦和東。41分、ゴール前の混戦から小森隆生がゴールネットを揺らした。ここからは浦和東のペース。中盤でプレッシャーをかけ、ボールを奪うと長いボールを前線に送り込んで試合を進めていく。ゲームをコントロールしながらリスクを最小限に抑える浦和東戦い方に、鹿島学園は苦しい状況に追い込まれた。

しかし、この時間を我慢強く過ごしたことが最終的に逆転勝利に結びついた。55分、右サイドからのクロスに榎本有真が頭で合わせて同点に追いつくと、ペースは鹿島学園に。そして62分、佐々木竜太のスーパープレーが飛び出した。右サイドのスペースに出されたボールを快速を飛ばしてコントロールすると、体を寄せてくるDFをものともせずにドリブルでゴール前へ。そして右足を振りぬいてゴールネットを揺らした。

「去年苦い思いをしたので、それを糧に1年間頑張ってきた。精神的に大人になること、逞しくならなければだめということを痛感したので、この1年間、それを言い続けてきた」(鈴木雅人監督・鹿島学園)。その言葉どおり、たくましく成長した選手たちは、苦しい時間を辛抱強く我慢してベスト8進出を果たした。「この子たちは僕が分からない力を持っているのかなという気がする」(同)。鹿島学園は身につけた逞しさを武器に、初の国立の舞台を目指す。

以上

2006.01.03 Reported by 中倉一志
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