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【第84回全国高校サッカー選手権大会 準々決勝(市原臨海競技場) レポート】国立への道は険しい。言葉どおりの試合が展開され、白熱した2試合で最後に笑ったのは、初の国立となる多々良学園と野洲だった(06.01.05)

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第84回全国高校サッカー選手権大会 準々決勝

鹿島学園(茨城) 1-2 多々良学園(山口)(12:10キックオフ/5,500人)
得点者:12分 斎藤達也(多々良学園)、44分 佐々木竜太(鹿島学園)、62分 石田聖雄(多々良学園)

大阪朝鮮(大阪) 1-1(PK 1-3)野洲(滋賀)(14:10キックオフ/7,800人)
得点者:55分 趙栄志(大阪朝鮮)、72分 瀧川陽(野洲)

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「国立まで4度の挑戦で25年かかりました」多々良学園の白井三津雄監督は、柔らかい表情で選手を迎えた。

学校の経営破たんにより『多々良学園』の名が消えてしまうかもしれない。サッカー以外のところで注目をあび、心なしか白井監督の表情も疲れているようにさえ見えた。それでも「3年間の感謝を込めて、白井先生を国立で胴上げしたい」(石田聖雄・3年)という思いで、選手達は足を動かした。

いつものオレンジではなく真っ白のユニホームでピッチに現れた多々良学園は、ボランチに入っていた平間直道(3年)が司令塔にはいる3−5−2のシステムで、鹿島学園戦を迎えた。平間を中心にサイドへのパスを展開しながらチャンスをうかがうと、前半12分、1年生のMF齋藤達也がゴール前のこぼれ球に反応、すばらしいオーバーヘッドキックで先制点をあげる。一度は鹿島学園の佐々木竜太にゴールを決められ追いつかれるも、運動量の落ちた後半22分に途中交代の石田がゴールを奪い2−1と引き離し、そのまま試合が終了。悲願の国立へたどりついた。

白井監督は「国立への扉はオマエが開けるから信じて飛び込め」と石田をピッチに送り出したという。まさに国立への執念ともいえる並々ならぬ思いが、石田のゴールを生み、多々良学園を初のベスト4へ導いた。「とにかく悔いの残らない試合をしたい」主将の菅田恭介は試合後に笑顔を見せた。頂点まであと2つ。国立への熱き思いを胸に、白井監督と多々良学園の選手達の新たな挑戦がまた始まろうとしている。

続いて行われた第二試合。PK戦終了後に野洲の山本佳司監督は、大阪朝鮮の選手達に握手を求めた。

「ボールが動かせずいつも通りのことができなかった。これがベスト4の重圧かと思った」野洲の金本竜市(3年)は、激闘とも言える試合をそう振り返る。試合は終始大阪朝鮮のペースだった。激しい球際、素早いプレス、攻守の切り替えの早さで野洲を圧倒。よく凌ぎきったなと思えるほど前半の40分は、風上に立っていた大阪朝鮮が攻め、野洲が体を張って守っていた。後半に入っても流れは変わらず、金裕士(3年)の右サイドのドリブル突破から、趙栄志(2年)が右足で合わせ得点を奪う。大阪朝鮮のペースで進み1点勝負の予感が漂う中、野洲の反撃は後半20分過ぎからだった。「前半を守りきれば後半に点が取れると思っていた」(金本)。仲間を信じ、自分たちのサッカーを貫こうと、パスをつなぎドリブルと個人技でチャンスを作る野洲。願いは後半32分に届く。平原研(3年)とのワンツーから抜け出した乾貴士(2年)がラストパスを送る。中央で瀧川陽(3年)が落ち着いて右足を振りぬき同点に追いついた。

「PKはどう転ぶか分からないけど信じていました」と山本監督。大阪朝鮮の4人目のキッカーのボールが大きく宙に舞ったとき、山本監督は大きく3回手を叩いた。2回目の出場でもぎとったベスト4。国立行きを争うのにふさわしい好ゲームに「大阪朝鮮の体を張ってくる闘争心とか、終わった後の表情は素晴らしかった。彼らのひたむきな力には感激した」。山本監督は報道陣に囲まれて、そう口にした。勝者がいれば敗者もいる。試合内容では大阪朝鮮が勝っていた。だが勝負には敗れた。それは野洲にもいえることだ。内容では負けたが、勝負には勝った。大阪朝鮮の涙を背負い、野洲は封じられた個人技とパスサッカーを国立で見せるつもりでいる。野洲をまとめるキャプテン金本に聞いてみた。国立で野洲のサッカーを見せてくれますかと。「前半から見せられるといいと思います」さわやかな笑顔が返ってきた。

以上

2006.01.05 Reported by 青柳舞子
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