●いばらきサッカーフェスティバル2006 2002FIFAワールドカップ開催記念事業
14:05キックオフ/カシマ/7,289人
鹿島 2-1 水戸
得点者:'33 田代有三(鹿島)、'52 アンデルソン(水戸)、'78 深井正樹(鹿島)
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「前線の選手にもっとクサビを入れてほしい。セーフティーにプレーをしすぎですね。だから、もらいたいところでもらえなかった。もっとリスクをかけてやるべきだと思うし、仕掛けていくシーンが多くてもいい」。1得点1アシストを挙げ、勝利に大きく貢献した鹿島・深井だったが、試合後の彼の口からは不満の言葉があふれ出した。開幕1週間前に行われた「茨城ダービー」に勝利はしたものの、鹿島にとって課題が噴出した90分間となった。
降りしきる雨と強い風によりピッチ状況は悪く、序盤からパスミスを連発。組織で守備を固める水戸を崩せない時間が続いた。だが、この日がお披露目となったアウトゥオリ・サッカーの目的はハッキリしていた。システム上は昨季と同様の4-4-2だが、中盤の構成はボックス型ではなく両サイドMFを置く形。ボール所持時にはサイドの2人が高い位置を保ち、4-2-4に近い形となった。その2人のMFを起点にするサイド攻撃が多く見られ、この形が今季の鹿島の主な攻撃の形となることだろう。しかし「ゴールエリア近くの崩しのパスやシュートの精度をもっと上げたい」と深井が話すように、サイドから崩しても最後のところで雑なプレーが目立ち、チャンスを生かしきれない。33分に水戸DFのミスから最後は田代が押し込んで先制点を挙げたが、まだ新生・鹿島の完成にはほど遠いようだ。
後半に入ると水戸が息を吹き返した。後半開始からアンデルソンと権東を投入。中盤では権東が冷静なボールコントロールで支配率を高め、さらにアンデルソンがサイドに流れてボールを受け、そこからドリブル突破でチャンスを作りリズムをつかんでいく。迎えた52分、椎原からのスルーパスを受けた岡本が右サイドをドリブル突破。ライン際から放ったクロスをファーサイドでアンデルソンがボレーで叩き込み、1-1の同点に追いつく。
その後は、失点により尻に火のついた鹿島が本山を中心に水戸を押し込む場面が続いた。58分には石川のクロスを田代がヘッドするも水戸GK武田が右手1本でセーブ。77分にも田代がGKと1対1になる決定機を迎えたが、GK武田の絶妙な飛び出しによりシュートは枠の外へ。鹿島にとってフラストレーションが溜まる展開となった。だが78分に深井とのコンビで左サイドを崩した新井場のクロスに対し、飛び込んだ田代が引っ張られてPKを獲得。そのPKを深井がGKに止められながらも、そのこぼれ球を押し込み決勝点を挙げた。
開幕1週間前とはいえ、あくまで調整の試合。この結果や内容で一喜一憂する必要はない。復帰が発表されたばかりの柳沢、日本代表遠征中の小笠原ら攻撃の主力が加われば鹿島の攻撃は確実に威力を増すはずである。とはいうものの、この試合に出た彼らのいぬ間にアピールしておきたい選手たちが「セーフティーにプレーをしすぎ」(深井)となり、持ち味を出し切れなかったのは不安材料。今季はW杯もあり、代表組の不在や体調不良の試合は増えるはず。彼らの奮起なくして王者復権はあり得ないのである。
対する水戸は「攻撃面では何もできなかった」(岡本)という課題は残しつつも、「誰が出ても同じサッカーができている」という岡本の言葉通り、選手交代によりチームが活性化。選手層の厚さを証明した。2失点したものの、それ以外には崩される場面がなく、守備の安定度の高さを見せつけた。「負けたけど満足」という前田監督の言葉に偽りはないだろう。
いよいよ1週間後に始まるJリーグ。互いにこの一戦を糧にすることができるか。J1、J2ともに「茨城旋風」が巻き起こることに期待したい。
以上
2006.2.26 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
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