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【J1:第3節 広島 vs 浦和 プレビュー】浦和の強烈な個性に対し、広島は運動量で対抗。(06.03.17)

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3月18日(土)J1 第3節 広島 vs 浦和(14:00KICK OFF/広島ビ)
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「足がつるまで、走らないといけない」

戸田和幸は、広島が浦和戦での勝利を果たすためのポイントを、そう言い切った。

 今季の浦和について、戸田は「穴がなくなった」と表現している。昨年のチーム得点王がDFの闘莉王だったことでもわかるように、エメルソンを失った浦和はストライカー不足に悩まされていた。しかし今年は、東京Vからワシントンを獲得。前線に一つの芯ができた。このことによって「浦和のストロングポイント」と戸田が指摘する攻撃的な中盤の力がさらに引き出されるはず。実際、開幕2試合を振り返ってみて、まだ完璧にかみあっているとは言いがたいが、それでも個々の能力の高さを十分にゲームの中で見せつけ『浦和強し』を印象づけている。

 一方の広島はどうか。キャンプから「アメーバのように状況に応じて形を変える中盤」を志向し、そこから前線の選手を飛び出して攻撃を仕掛けることをトライしてきた。しかし、この2試合を通じて、そのサッカーがうまく機能しているとは言いがたい。鹿島戦では、基本であるファーストディフェンスの厳しさがなくて相手に自由を与えてしまい、4失点。大分戦ではボールを奪ってからの展開が小さくて遅く、MFが湧き出るように次々と飛び出すようなキャンプで見せた攻撃は、ここまであまり表現することができていない。

 その鍵となるのは、運動量である。広島が今年志向するサッカーは、基本的にはハードワークを要求される。しかし、ここまでの2試合では、選手個々の『動く』意思はあるものの、全体として運動量は足りない。特に、鹿島戦で問題となったファーストディフェンスの厳しさは、大分戦で少し改善されたとはいえ、まだまだ相手に対する間合いも遠かった。実際、運動量が落ちた後半は、相手のブラジル人ボランチコンビに自由を与え、そこから大分に攻撃のリズムを作られた。そこを分断できたのは、戸田が自らの判断で前に走り、ボランチに激しくプレスをかけたからである。体力的に苦しくなってなおアグレッシブに走り続けた戸田のプレイを実践してこそボールを高い位置で奪うことができるし、それがないとMF陣が前線を追い越すプレイも実現できない。

「浦和は誰かを封じれば攻撃を抑えることができるというチームではない。起点はいくつもある」と広島・小野監督は警戒感を露にする。だからこそ、特にMFに対して『アグレッシブに走る』ことを要求しないといけない。それを戸田はよくわかっているからこそ「足がつるまで走りぬく。70分しかもたないかもしれないが、そういうつもりでやらないと」という言葉を口にするのだろう。

 広島の2トップの能力の高さは、Jでもトップクラス。中盤が今ひとつ機能していない中でもきっちりと結果を出していることが、その証明だ。特に裏に飛び出すスピードに長け、昨年は3点ぶちこまれた佐藤寿人に対する警戒感は、浦和の選手たちの中でも特に強い。だからこそ、広島のMF陣には相手のネームバリューに気持ちをひるませることなく、リスクを恐れずにどんどん前に出て、できるだけ高い位置でボールを奪うことが肝要となるだろう。浦和を相手に気持ちで遅れをとり、後ろに下がってスペースを与えてしまうことが、広島にとって最悪の選択。戸田の言葉を全員が実践することで強力2トップを孤立させないようにできるかどうか。そこに、強豪を撃破してタイトル争いに名乗りをあげようとしている広島の野望の成否が、かかっている。

以上

2006.03.17 Reported by 中野和也
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