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【J1:第3節 広島 vs 浦和 レポート】次節にも不安の残る退場劇。広島にとって、信じられない6分間が勝負を決めた。(06.03.18)

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3月18日(土) 2006 J1リーグ戦 第3節
広島 1 - 4 浦和 (14:05/広島ビ/16,742人)
得点者:'28 三都主アレサンドロ(浦和)、'32 ポンテ(浦和)、'62 鈴木啓太(浦和)、'66 ワシントン(浦和)、'85 ウェズレイ(広島)
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悪夢の6分間。広島サポーターにしてみれば、本当に忘れ去ってしまいたいくらい、信じられない出来事が続いた前半26分からの32分までの時間帯だった。

26分、浦和は小野のパスを受けた長谷部がダイレクトで前に出す。そこに走りこむワシントン。初めて迎えた決定的なシーンだ。だがここは、広島のセンターバック・ジニーニョが素早く身体を寄せ、ボールをはじき出したかに見えた。しかし、転がったワシントンに対するファウルをとられ、ジニーニョは一発レッドカード、退場を命じられた。浦和・ブッフバルト監督が「この試合を左右した」と語り、広島・小野監督が「本当に悔やまれる」と唇をかんだ退場劇。確かにドラマは、ここからスタートした。
ペナルティエリアすぐ外にボールをセットした三都主は、広島の壁のつくり方から、逆サイドにシュートコースがあるのを見切っていた。一閃した左足から放たれたボールは、壁の外側をすりぬけファーサイドのネットに突き刺さった。10人になった上に先制点を許した広島の選手たちの肩が落ちる。それでも、急きょセンターバックに入った戸田が積極的にラインを押しあげ、反撃を試みるために前に出た。しかし、そこで再び広島のサポーターが目を疑ったシーンが起こる。32分、中盤のハイボールのこぼれを処理しようとした小村が、低いボールをヘディングでパスを出そうとした。しかし、そこでバウンドが変わったのか、しっかりボールが頭に当たらず、後ろにこぼれてしまった。それが、ポンテの足下に転がり、そのままゴールにつながってしまった。

この悪夢の6分間に至るまでは、ペースは広島だった。今季の狙いの一つであるMFがFWを追い越す動きが何度も見られたし、中盤でも運動量で上回ってセカンドボールを拾い、浦和の能力の高いMF陣に自由にプレーをさせなかった。だが、すべては26分から32分の間に起こった出来事が、変えてしまった。
その後も広島は、しゃにむに攻めた。前半終了間際には、駒野のクロスから佐藤寿がつなぎ、ベットが決定的なシュートを放っている。しかし、浦和を相手に一人少ない状態で戦うためには、いつもよりもさらにハードワークを要求される。その必然として、広島の選手たちは体力を消費し、60分すぎからは足が完全に止まる。そして、「津波のように押し寄せる」と戸田が表現した浦和の分厚い攻撃を跳ね返しきれなくなり、崩れ落ちるように失点を重ねてしまった。後半21分にワシントンにヘッドを突き刺された後、呆然と立ちすくむ広島の選手たちの姿には、悲しみしかなかった。

「広島はいいチームだった。これほどの勝利を得られたのは幸運だ」と浦和・ブッフバルト監督は語った。この言葉、もちろん対戦相手に対する敬意も含まれているとはいえ、半分は本音だろう。85分にDFに張り付かれているにもかかわらずループシュートを決めたウェズレイをはじめ、佐藤寿・駒野ら能力の高い選手が組織的に動き、MFがどんどん飛び出してゴールを狙う広島のサッカーは、浦和にとって間違いなく脅威を与えていた。その状況がわずか6分間で激変してしまうとは、闘将・ブッフバルト監督も予測不可能だっただろう。
小野監督は、数的不利な状況下でもあきらめずに戦いぬいた選手たちを「誇りに思う」と称えた。4失点して負けたチームの監督としては、異例のことだろう。しかし一方で、その必死の頑張りにもかかわらず、勝点という報酬を得られなかったこともまた、冷厳な事実だ。ジニーニョという最終ラインの核を退場で失い、次節までわずか中2日しか修正時間がない中で、果たしてどう立て直していくか。その姿を広島のサポーターは、固唾を飲んで見守っている。


以上

2006.03.18 Reported by 中野和也
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