4月1日（土）J2 第6節 草津 vs 山形（13:00KICK OFF/群馬陸）
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前節、鳥栖に敗れた12位・草津と、東京Vに逆転負けした最下位・山形。ともに3連敗中となかなか波に乗れないクラブ同士の対戦となる。もしも、この試合で星を落とすと、草津は最下位転落、山形は12位との勝点差が3以上に開くことになってしまう。どちらにとっても負けられない最下位を巡るゲームは、意地と意地のぶつかり合いとなりそうだ。

今節、ホームの草津にとっては吉報がある。開幕戦で左足を負傷し全治1カ月の診断を受けた、チームの精神的支柱・鳥居塚の復帰が近づいているのだ。植木監督は今季、MFだった鳥居塚をセンターバックにコンバート。チーム最年長のベテランを最終ラインの真ん中に据えることで、チームの建て直しを図った。開幕戦では鳥居塚が後方からチーム全体に指示を与え、「ピッチ上の監督」として存在感を発揮、チームを勝利に導いていた。
鳥居塚が欠場した2節以降、チームは迷走した。「鳥居塚がいないことで最終ラインのボールが落ち着かない」と植木監督が嘆いた通り、急造の守備ラインは混乱。攻撃のビルドアップにも大きな影響を及ぼしていた。その結果、開幕戦で魅せた新生・草津のパフォーマンスはすっかりと陰を潜め、白星から遠ざかってしまった。

今週前半の練習では、別メニューながらも復帰に向けて調整を続ける鳥居塚の元気な姿があった。当初は4月5日の札幌戦からの出場を視野に入れていたが、予想を上回る回復状況で今節から出場する可能性が見えてきた。「ドクターからのOKは出ているので、あとは直前の練習を見て決めたい」と植木監督。コーチ兼任選手として前節のアウェイにも帯同した鳥居塚は「前節の1失点目も、3人全員がボールを取りに行って抜かれた。だれか1人が相手を遅らせる守備が出来ていたら、失点は防げていたはず。その辺に経験不足が出てしまっていた」とチームの若さを指摘。そして、「監督から行けと言われれば、いつでも出る準備は出来ている。出場したら、最終ラインでしっかりと声を出したい」と意気込む。J2は4月1日から8日までの1週間で3試合の過密日程。ケガ上がりの鳥居塚をいつ復帰させるか、植木監督の決断に注目だ。

対する山形だが、ここまで1分3敗と結果が出ていないものの前節・東京Vのゲームを見る限り、チーム状態は悪くはないと言っていいだろう。特に、レアンドロが2点目を奪った左サイドからのスピーディーな攻撃は目を見張るものがあった。草津はサイドからのセンタリングで失点するシーンが目立つだけに、スピードで勝負する右の佐々木、テクニックを駆使する左の財前が草津の両サイドを効果的に崩せれば初勝利が見えてくる。草津は、山形のサイド攻撃に対して、システムを変えて対応すると見られる。

過去3試合、黒星が並んでいる両チーム。鳥居塚は「負けが続くと、どうしても選手が自信を失ってしまう」と昨季の経験を踏まえて話す。嫌な雰囲気を払拭するためにも、今、双方に求められているのは白星だ。


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2006.03.31 Reported by 伊藤 寿学