5月3日(水) 2006 J2リーグ戦 第13節
札幌 1 - 1 仙台 (14:04/札幌厚別/11,319人)
得点者:'50 菅井直樹(仙台)、'89 石井謙伍(札幌)
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白熱した好ゲーム。札幌が持ち味である攻撃的なサッカーを最後まで押し通し、仙台が自分たちのゲームプランを最後まで徹底させた。両チームが互いに自分たちの意思を最後まで貫くことができたということを考えれば、1-1の引き分けは試合内容を反映したフェアな結果と言っていい。
開始15分という早い時間帯で、攻守のバランスを司る守備的MF大塚が負傷退場してしまうアクシデントがありながらも、ゲームの主導権は常に札幌が握り続けた。出場停止明けのフッキが相手の厳しいマークを受け続けながらも巧みにボールを保持して攻撃に厚みをつける。登録上は4-4-2の形ながらもチアゴ・ネーヴィスが高い位置にいて千葉、熊林、梁の3人でカバーし合う仙台の中盤に対し、3-5-2のシステムでなおかつフッキが前線から引いてくる札幌はこのエリアでフリーになれる選手が多く、前を向いてパスを動かせる場面が目立った。アグレッシブにパスを動かす札幌のスタイルが生き、ボールを持つ時間は仙台を大きく上回った。
だが、これは仙台の狙い通り。「今日は基本的にカウンターを狙っていたので、札幌がボールを持つ時間が長くなったというのは決しておかしなことではない。ボールは持たれていたが、フッキを抑えることができていたし、それ以外の攻撃でも気をつけるべきはクロスだけ。GK高桑にとって難しい場面はほとんどなかった」とジョエル・サンタナ監督は強気にキッパリと言い切った。しかし、こうも付け加えることになる。「サッカーは90分間のスポーツだということ」。
前半のシュート数は札幌が10で仙台が0。仙台はゲームプラン通りに札幌にボールを持たせ、カウンターのチャンスを虎視眈々と狙っていた。そして50分、そのカウンターを繰り出し、相手がクリアし切れなかったボールを攻め上がった菅井が押し込む。狙い通りの展開へ持ち込むことに成功した。
だが、狙い通りの試合をしていたのは札幌も同じ。アグレッシブに攻めるスタイルの札幌にとって、この展開は望むところ。1点のビハインドを追い、攻撃への姿勢を強めるべく74分に石井を投入して3トップの形に。81分には関を中盤インサイドに投入して芳賀と並べることで、セカンドボールへの寄せを強めた。対する仙台はチアゴ・ネーヴィスに代えてDF渡辺を投入し、最終ラインの人数を増やすことで逃げ切りを図る。「攻める札幌」と「守る仙台」という構図がより強く明確になった。札幌が攻め、仙台が跳ね返すというシーンがひたすらに繰り返された。
時計の針がさらに進むと、仙台のジョエル・サンタナ監督はベンチの中田と萬代を準備させる。時間を空費させるための交代だ。だが後半ロスタイム、まずはロペスに代えて萬代が投入された直後、ここで仙台守備陣の集中がわずかに緩んでしまう。札幌の左サイド西谷が送り込んだクロスボール。菅井が「DFの枚数は足りていたのに…」と振り返り、GK高桑が「もっとしっかりボールに触るべきだった」と悔やむ。途中出場の石井が頭で合わせたシュートがゴールネットを揺らし、同点。そしてタイムアップの笛が鳴った。
仙台としては勝てば首位という状況で、見事なまでにゲームプランを遂行しながらも最後の最後で集中を欠いた悔しさがある。札幌にとっては、ホームで持ち味の攻撃サッカーを展開し、常に主導権を握りながらもタイムアップぎりぎりまで肝を冷やした。だが、どちらも自分たちの狙ったサッカーをしっかりと体現できたというのは事実である。「戦いが見られた、いい試合だった」とジョエル・サンタナ監督は評し、「札幌のサッカーはこういうサッカーだということを最後の時間帯に出せてよかった」と柳下監督は振り返る。そう、結果はドローに終わってしまったが、第1クール締めくくりの試合でどちらも意図したサッカーを展開することができた。今後のシーズンに向けて、双方がしっかりとした手応えを掴んだ試合だったはずだ。
以上
2006.05.03 Reported by 斉藤宏則
J’s GOALニュース
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