5月3日(水) 2006 J2リーグ戦 第13節
草津 1 - 0 水戸 (14:04/群馬陸/3,926人)
得点者:'89 チカ(草津)
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ロスタイムにドラマは待っていた。試合はすでに90分を大きく回り、サポーターもスコアレスドローを覚悟したその瞬間、草津にラストチャンスが訪れた。左サイドでボールを受けた島田がゴール前にクロスを放り込む。混戦の中、ボールを受けた佐藤が落としたボールは、中盤から駆け上がってきたチカの足元へ。チカが右足でとらえたボールは、一直線に水戸のゴールネットをせり上げた。
「打った瞬間、決まったと思った」とチカが振り返った土壇場でのゴールは、チームに4月1日以来約1カ月ぶりの勝利をもたらす値千金の決勝点となった。それまでのうっ憤を晴らすかのように、一気に最高潮のボルテージに達するサポーター。そして、それに応える選手たち。草津対水戸の北関東ダービー第1ラウンドは草津の劇的な勝利で幕を閉じた。
ここ2試合スコアレスドローが続いていた草津にとって、もはや引き分けは満足できない結果だった。加えて、草津には水戸以上に勝たなくてはならない理由があった。前節のアウェイ・愛媛戦、試合を終えた選手に待っていたのは、拍手でもブーイングでもなく無言の抗議だった。サポーターは選手の挨拶を待たずに引き上げてしまっていたという。もちろんチームへの愛情の裏返しであることに間違いはないし、これが選手たちの闘志に火をつけた。主将である佐藤は、その件に関して「JFLからのライバル愛媛戦だったし、勝ってほしいというサポーターの強い思いもあっただろう。あの試合は内容的にも良くなかったし、仕方のない面もある。今日は、必ず勝点3を取るつもりで選手たちはゲームに入っていった」と話してくれた。
勝利のみを目指してゲームに挑んだ選手たちからは、確かに今まではとは違った気迫が伝わってきていた。「選手は屈辱を受けて、やらなくてはいけないと思ったのかもしれない。最後まで勝つという強い気持ちが見えた」(植木監督)。決勝ゴールは、チカをはじめ、選手たちの意地の結集だったとも言えるだろう。前田監督も「気持ちの面で草津が上回っていた」と敗因を述べた。
ゲームは、草津が決勝点を挙げて締めくくったものの、それまでの両チームの出来は決して良いものではなかった。バイタルエリアでのプレーの精度が低く、得点の匂いが漂っていたのは、ゴール前のセットプレーのみ。スペースをきっちりと埋める水戸の守備に対して、草津はポゼッションでは上回りながらも攻めあぐんだ。一方の水戸は、粘り強い守備から時折鋭いカウンターは見せたもののチャレンジに欠けていたような気がする。「もっとサイドから攻められたと思う。2枚目のFWを狙うというチームの意図がうまくいかなかった」(秦)。パスの質もさることながら、次節に向けて、まずは中盤と前線との連携の改善が必要となる。
この日、草津サポーターは、勝利を挙げた選手たちを最大限の賞賛で迎えた。決勝点を演出した島田は「プロでやっている以上、結果が求められるのは分かっている。ブーイングも刺激になる。今日はホームだし、内容よりも結果が欲しかった。次のレイソル戦(5/6@柏)も勝って、サポーターと喜びたい」と笑顔を見せた。この日の勝利は、選手とサポーターが共に勝ち取ったものだ。草津にとっては、勝点3以上に価値のある白星となった。
以上
2006.05.03 Reported by 伊藤寿学
J’s GOALニュース
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