5月3日(水) 2006 J1リーグ戦 第11節
名古屋 1 - 1 横浜FM (19:04/豊田ス/25,687人)
得点者:'80 マグロン(横浜FM)、'83 古賀正紘(名古屋)
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■特J!プレイヤー: 古賀 正紘選手(名古屋)
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試合のホイッスルが鳴ると会場はどよめきに包まれた。試合前、プレスに配られたメンバー表では確かに4バックだった。しかし、目の前で動いている名古屋のシステムは3バック、しかもDFである古賀が玉田と2トップを組んでいるではないか! 試合の途中で3バックに変更し、DFである増川をトップに上げるなどの変更は、これまでも度々あったが、試合開始からは初めてだった。古賀自身も「(スタメンでFWは)プロになって初めて」と驚いたという。勝ち点、そして得点に飢えている名古屋に「注射を打つことが必要だと感じた」フェルフォーセン監督のこの“奇策”は、しかし、順調な滑り出しを見せた。
この日の名古屋の布陣は、CBに久々にケガから復帰の秋田、右に大森、左に増川の3バック。ワンボランチで吉村、右サイドに中村、左に本田、2列目に山口と金、そして2トップは玉田と古賀。序盤から前へ前へと攻めていき、流れをつかんだ。そして、「背の高い選手をFWへ置くことで、攻撃のオプションを増やしたかった」と言うフェルフォーセン監督のゲームプランを確実に展開していく。前線へのクロス、FK、CK、スローイン、すべてにおいて明らかに古賀のポストプレーを意識してボールを入れていく。さらに、2列目の金と山口が積極的に前線へと詰め、特に山口はこの試合4本のシュートを放つなど、チーム一番の活躍を見せたと言っていい。いつもよりひとつ後ろの位置でプレーしている本田と中村も、サイドアタックから中央のスペースを意識したボール運びを展開し、横浜FMのDFを崩しに掛かる。フェルフォーセン監督のこの日の采配は、久々にゴールの臭いを感じさせるゲーム展開へとチームを導いていた。
さらに、この日の名古屋は攻撃だけではなかった。守備もほぼ完璧。3バックは久保、吉田、清水、塩川、マグロンら、横浜FMの攻撃陣にほとんど仕事をさせず、集中して落ち着いた対応をしていた。これに対し横浜FMは、「名古屋が前へ前へとプレッシャーをかけてきた中で、前半は耐える展開になると思っていました。松田を中心とした3バックが本当によく耐えてくれた(岡田監督)」という展開。攻撃も横浜FMらしからぬロングボールでワンチャンスを狙う形しか作らせてもらえなかった。それだけ、この日の名古屋は攻守共に、今季最高ではないかと思わせるほど数々のチャンスを作り、素晴らしいゲームを演じた。
後半、メンバーをそのままで流れをつなげにいく名古屋。しかし、滑り出しはややスローペースとなった。ここで岡田監督が早々にカードを切る。「こういう試合になったときは、前線でチェックしてくれる選手の方がチームにとってはありがたい」という判断で、久保を下げ、大島を投入。これが功を奏し、徐々に横浜FMの動きが良くなってくる。しかし、名古屋の動きは横浜FMのそれを上回っていた。押し込まれる場面もあったものの、危なげなく対応し、逆にチャンスを演出。確実にゴールは名古屋の方が近いと感じさせる展開だった。
ところが、中澤が積極的に前線に上がり始めた終盤、その場面は訪れた。80分、一瞬のスキを突かれてシュート打たれた名古屋。そのボールは運良くバーに助けられる。いつもなら運のない名古屋に多かった場面だったが、やはり今日はツイている。そう思った直後、こぼれたボールがゴール前で混戦となり、なんとマグロンにシュートを決められてしまった。しかし、今日の名古屋は、この終盤の失点に下を向きはしなかった。
ここで、フェルフォーセン監督は疲れの見える玉田を下げて、フレッシュな鴨川を投入。すぐさまチャンスが訪れる。ペナルティエリア付近左からのFK。本田が蹴ったボールを古賀が頭でとらえ、そのボールはゴールへと吸い込まれていった。83分、土壇場で追いついた名古屋はさらに勢いを増す。わずか3分でリードを失った横浜FMは、ハーフナーマイクを投入して逆転を狙う。どちらも勝ち点3を奪うため、わずか10分弱の少ない時間に賭け、カウンターの応酬となる。しかしここでも、名古屋が優勢。最後のチャンスは名古屋にあるとみえた。が、両チームとも追加点を奪えず、試合終了のホイッスル。ドローに終わった。
試合後、名古屋の選手は口々に「勝てた試合だった」とコメントした。それほどこのゲームは勝ち点3の手応えがあった試合だったということだ。シュートのシーンも、あと一歩のシーンも数多く演出した。ただ、やはり「もう1点」が遠い。しかし「今日のような試合を続けていけば、いいシーズンになる」と山口が言っていたように、起死回生への手応えも掴んだ試合になった。次節、磐田戦は中断前最後のリーグ戦。同じような試合を続けることができれば、ひとまず、チームが生まれ変わる下地はできるはず。やっと今後の名古屋が楽しみになってきた。
以上
2006.05.04 Reported by 茂木美佐子
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