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【J1:第11節 甲府 vs F東京 レポート】上り調子のチームに連敗。健闘中の甲府がF東京に見せつけられたJ1の壁と課題(06.05.04)

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5月3日(水) 2006 J1リーグ戦 第11節
甲府 1 - 3 F東京 (14:04/小瀬/15,427人)
得点者:'29 宇留野純(甲府)、'62 川口信男(F東京)、'76 ルーカス(F東京)、'89 ルーカス(F東京)
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■特J!プレイヤー: ルーカス選手(F東京)
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何故か疲れを感じる負け試合だった。先制して、逆転負けを喫したことだけが理由ではない。試合直後は疲れを感じるだけで理由を明確な言葉にすることが出来なかった。

中盤をダイヤモンド型にした4−4−2のF東京を迎え撃つ甲府は、3トップの頂点・バレーを活かすための4−3−3。J2ではこのシステムでリーグトップレベルの得点力を発揮したが、ここまでJ1では一試合平均1.1点(昨年のJ2では1.7点)と、得点を積み重ねることに苦労している。しかし、身の丈経営の戦力補強だけでJ1を戦って、まだ、1度も降格圏内に入ったこともない。ある程度戦えることを実感できてからは、何かの壁を感じることも少なくなってきた。

立ち上がりからトップ下のルーカスの能力の高さを見せつけられた甲府。ボールが彼を経由すればF東京のチャンスが生まれ、失点を覚悟せざるを得ない展開だった。ツートップの川口、赤嶺、そしてルーカスを加えた3人のスピードと連携だけでも十分に怖いが、左サイドの宮沢、鈴木、右サイドの梶山の攻撃参加が更に大きな脅威となった。また、甲府がボールを持ってもボールに対するプレッシャーが早くて強いF東京。甲府は危険なゾーンでボールを失うことも少なくなく、シュートを打たれることが多くなる。この状況を糧にできたのは生きたシュートを何度もセーブし続けたGK・阿部だけ。

なかなかフィニッシュまで到達しなかった甲府は、29分に藤田が起点となる。中央の藤田が左サイドの石原にミドルパスを出し、石原が入れたセンタリングはバレーに合わなかったがファーから入ってきた宇留野に繋がり、先制ゴールとなる。この得点が、F東京の前からの勢いをようやく衰えさせることに繋がった。立ち上がりからのF東京の攻撃をようやく凌ぐことが出来たと感じる瞬間。その後は、甲府が前掛りになってボールを持てるようになり、追加点のチャンスが生まれる。右サイドバックの杉山から保坂やバレーに正確なクロスが入った。倉貫の穴を埋めることが期待された保坂は、攻撃の起点になるという点ではまだ課題があるが、チャンスにスペースへ飛び込むというプレーでは何度もいい判断と動きを見せた。

前半終盤、先制点をきっかけに流れを掴みながら追加点を奪えなかった甲府。F東京は後半から赤嶺に替えてスピードスター・リチェーリを投入してくる。7分にはビジュがリチェーリに振り切られて決定的なチャンスを与えるが、リチェーリはシュートを打たずにパスを選択するという判断ミスで相手を助けてしまった。ただ、立ち上がりの時間帯は甲府も前半の流れを繋げて決定的なシュートチャンスを作る。17分にはキレのある宇留野が右サイドからポスト直撃のシュートを放つ。ここまでは機嫌よく勝てそうな雰囲気があったが、そのリスタートから川口にゴールを決められてしまう。そして、このゴールをきっかけに流れは再びF東京に移ってしまう。F東京は、リスクを負って前に人数をかけてくる。甲府は、どうしても守備に人数をかけざるを得なくなり、ボールを奪ってもダイレクトな攻撃に繋げることが出来なくなった。バレーもジャーンのマークに苦しみ、決定的な仕事をさせてもらえない。F東京は16分に即戦力新人・小澤を中盤の左サイドに投入しており、彼は攻守に渡ってチームに貢献する素晴らしいプレーを見せた。高校時代(青森山田)はFWで活躍した選手だが、中盤で使われても起点を潰す守備と、ツートップやルーカスと被らない攻撃参加で可能性の高さを見せつけた。

流れを失った甲府は31分とロスタイムにルーカスに得点を許して1−3で敗れた。試合後の選手のコメントには「リードしている時の2点目(追加点)の意識。決めるべきときに決める」という課題が出てきた。確かに、チャンスがあっただけに「あそこで決めていれば」という思いは強い。ただ、J1のレベルという壁も感じた。甲府には、ひとりで仕事が出来るスーパーな選手はバレーしかいない。しかし、対戦するチームにはそういう選手が複数いる。中には、11人全員がそれに匹敵する能力のチームもある。J1という世界で甲府の選手がボール扱いや戦術理解で劣っているとは思わないが、ボールキープ、スピード、競り合いにおけるフィジカルでは明らかに苦しい。ここで勝負するサッカーになってしまえば、レベルという壁を嫌でも意識させられてしまう。このことが、疲れを感じた理由かもしれない。

やはり甲府は、前からプレスをかけてボールを支配し、常に攻撃的に試合を進めないと勝機はなかなか見出せない。大木監督の方向性は正しいし、理想論だけでサッカーを創造しているのではない。現実を意識して、そのなかで勝つためにはどうすればいいのか考え抜いた結果の4−3−3だ。能力の高いディフェンダーが揃うJ1で、バレーをもっと活かすのか、それとも別のところに何かを見つけるのか。敗れたとはいえ、チャンスを作っているだけに決定力の問題でもあるが、それだけではない何かが見てきた。甲府にとって最初の正念場がやってきているのかもしれない。

以上

2006.05.04 Reported by 松尾潤
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