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【ヤマザキナビスコカップ 磐田 vs 甲府 レポート】立ち上がりに負ったビハインドを取り返すことができずに敗れた磐田。甲府は山崎の2ゴールで予選リーグの最後を勝利で飾る。(06.05.19)

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5月18日(木) 2006 ヤマザキナビスコカップ
磐田 1 - 2 甲府 (19:00/ヤマハ/6,823人)
得点者:'2 山崎光太郎(甲府)、'30 山崎光太郎(甲府)、'37 茶野隆行(磐田)
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 2列目から右サイドに斜めに飛び出す石原に、右サイドバックの杉山から縦パスが出て、きれいに裏に抜ける。そして、石原が大きく切り返してDFをかわし、折り返しのパスにタイミング良く飛びこんだ山崎が、きっちりと空いたコースに流し込む。開始2分に甲府が先制点を奪った場面は、この日の勝負所を象徴したような形だった。
 このところ公式戦5連敗中の甲府は、「攻撃に問題があったので、その部分を少しマイナーチェンジというか、もう一度元に戻すということをした」(大木監督)という意識で、今週の練習ではその部分に重点を置いてきた。中盤でのボールの動かし方をくり返し練習したのも、そのひとつ。メンバー的には倉貫や藤田が不在という状況だったが、実際に試合が始まっても、少ないボールタッチでボールがよく動き、ボランチの林や両サイドバックが、前を向いて顔を上げてパスを出せる場面が多くなった。「だから僕らも動きやすかった」(山崎)と、そこから山崎、大西、石原らが次々に2列目から裏に飛び出していく。

 逆に磐田のDFラインは、センターバックとボランチの中央の4人が初めての組み合わせで、2列目の飛び出しに対する対応や受け渡しがはっきりしない。立ち上がりでいきなり何度か裏を取られたことで背後への注意を強いられ、その結果、中盤でのプレッシャーが甘くなった。このことも、甲府のパス回しを許し、より裏を狙いやすくさせてしまうという悪循環につながった。
 また、磐田のDFラインがバレーの動きを見てラインを上げると、そのタイミングで甲府の2列目の選手が飛び出すという形も見事にはまって、磐田サポーターから見れば『あっさり』と裏をとられる場面が、序盤は特に目立った。甲府が意識してトレーニングしてきた部分と、磐田が不安を持っていた部分が、完全に重なった結果だった。

 2点目は「真ん中から崩すという練習も多くやった」(山崎)という成果が出た。30分、甲府がボールをつないで中央からペナルティエリア手前まで攻めこみ、保坂がバレーにスルーパスを出すと、カットにいったDF鈴木の足に当たって山崎のところにこぼれ、これを山崎が左足で冷静に決めて、この日2点目。バレーのオフサイドをアピールした磐田DF陣は、完全に足が止まってしまった。
 これで2点を追いかける立場となった磐田だが、「サポートが悪く、前半は1タッチ2タッチで素早いパス回しができなかった」(山本監督)と振り返った通り、思うように前にボールを運べない。なかなかボールを触れない1トップの前田が、中盤まで下がってボールを受けると、それは甲府の厳しいプレスの餌食となった。
 ただ、37分に太田の右FKから茶野が頭で決めて1点を返したことで、磐田も何とか後半に望みをつなぐことができた。

 前半の出来に業を煮やした山本監督が、後半の頭から成岡に代えてトップ下に名波を投入。これでボールの流れはかなり良くなり、磐田らしいパスのリズムが出て、完全に主導権を奪い返すことに成功。17分には、名波のパスで太田が右サイドに抜け出し、DFとGKの間に低いクロスを入れたが、フリーで合わせた西がゴール直前のシュートを上に外してしまう。これが決まっていれば、結果はどうなっていたかわからないが、この日は勝負の神様が甲府に味方した。
 その後も、磐田が攻めて甲府が守るという形になり、甲府は中盤を押しこまれて2列目からの飛び出しもできなくなったが、守備に関しては高い集中力を保って磐田の攻撃に耐える。後半のシュート数は、磐田が9本、甲府が1本という展開だったが、GK阿部も何度か好セーブを見せ、結局後半のスコアは0-0。甲府が1点差で逃げ切って、中断前の最後の試合で連敗をストップした。

 これで甲府は、勝ち点8の2位で予選の日程を終了。準々決勝進出にわずかな望みをつないだ。混戦となったグループDは、首位のC大阪が勝ち点9で、その後を磐田と大宮が勝ち点7で追う。21日の予選最終日は、C大阪vs大宮、磐田vs名古屋というカード。
 この試合では立ち上がりのもたつきから生じたビハインドを取り返しきれなかった磐田だが、次は初めからエンジン全開で勝ち点3を取ることが、予選突破の可能性をつなぐ絶対条件となる。

以上

2006.05.19 Reported by 前島芳雄
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