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【日本代表 vs ドイツ代表 プレビュー】ドイツ戦は2トップに柳沢と高原の3-5-2。世界の強豪相手に守備システムの確立を目指すジーコジャパン(06.05.29)

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■日本代表 国際親善試合
5月30日(火)20:30(日本時間5月31日 03:30)/ドイツ・レバークーゼン
ドイツ代表 vs 日本代表
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 6月12日のドイツワールドカップ初戦・オーストラリア戦(カイザースラウテルン)までちょうど2週間。26日にボン入りし、本番に向けて本格的に調整を続けているジーコジャパン。明日30日には地元・ドイツとの親善試合(20時30分キックオフ、レバークーゼン)に挑む。

 ドイツはご存知の通り、90年イタリア大会以来の世界タイトルを狙う強豪。2004年12月の対戦では0-3で完敗を喫している。今回も攻められる時間帯が長くなるだろう。そんな日本が今、早急に取り組まなければならないのが「本番を想定した守備システム確立」だ。「どこでボールを奪うのか」「ラインの高さをどの位置に設定するのか」などの詳細を詰めていく絶好の機会。本番前の数少ない実戦の場をムダにしてはならない。

 福島・Jヴィレッジでの8日間にわたる国内合宿を打ち上げ、決戦の地・ドイツ入りした日本代表。ベースキャンプ地のボンは気温が18〜20度まで上がり、湿度も低く、選手たちにとっては非常に動きやすいコンディションだ。トレーニングを全て公開するジーコ監督の考えもあって、日本代表を一目見ようというファンの姿で町は賑わっている。練習会場の「ノルドスポーツパーク」にも連日、大勢の人々が詰め掛けている。2月のボスニア・ヘルツェゴビナ戦(ドルトムント)で訪れた際には雪で埋まっていたピッチも、今は完璧に仕上げられている。

 ボン入りしてからは7対7や10対10などの実戦に近い練習でチーム完成度を高めている日本代表。28日は紅白戦も行われた。先発組はGK川口能活(磐田)、DF坪井慶介(浦和)、宮本恒靖(G大阪)、中澤佑二(横浜)、右サイド・加地亮(G大阪)、左サイド・三都主アレサンドロ(浦和)、ボランチ・中田英寿(ボルトン)、福西崇史(磐田)、トップ下・中村俊輔(セルティック)、FW高原直泰(ハンブルガーSV)、柳沢敦(鹿島)。福島・Jヴィレッジ合宿時の2試合と同じメンバーだ。サブ組には稲本潤一(ウエストブロミッチ)や小野伸二(浦和)、小笠原満男(鹿島)などボールの持てる選手がずらりと集まった。

 このためか、先発組はサブ組がボールを回される場面が目立った。先発組は自陣に引いて守る時間が長く、深い位置で奪ってカウンターという形でしか攻められない。柳沢と高原の2トップにボールが入る回数も少なかった。「後ろが下がりすぎるから前や中盤は積極的にボールを取りにいけない。加地も「今日はボールの取りどころがハッキリしなかった。相手の4-4-2に対してうまく追い込めていなかった」と反省を口にしていた。

「どこからボールを取りにいくか」という部分について、今は攻撃陣と守備陣の考え方が微妙に食い違っているようだ。「ヒデさんも引きすぎだと言っていた」と中村が話す一方で、宮本は「最近の親善試合を見ていても、最終ラインを高い位置にガンガン上げて守るというのをやっている国は少ない」とセイフティ第一に行きたい考えを示唆する。試合中にも最終ラインと中田や福西らが話し合う場面も見られた。

 こうした問題点の解決を含め、いかにして守備全体を連動させるかは重要なポイントだ。これを克服しなければF組突破は非常に厳しくなる。ジーコジャパンには4年という時間が与えられたが、最も肝心なテーマになかなか切り込んでいけなかった。それだけに選手たちは練習以外でも話し合いの場を持っているという。昨年の最終予選後半戦の天王山・バーレーン戦(マナマ)前にも彼らはミーティングでそれぞれの考えをぶつけ合い一体感を高めている。こうした試みを通じて、ドイツ戦までにどこまでチームとしての守備の共通意識を持てるか。今回の一戦は本番の重要な試金石になるだろう。

 攻撃に関しては紅白戦では見どころが少なかった。が、川口のロングフィードから中村を経て、三都主がクロスを上げ、ファーサイドに鋭く動いた柳沢がゴールを奪うパターンが出た。このような「速くムダのない攻め」が見えてきたのは、明るい材料といえる。格上揃いのワールドカップでは、ショートパスを細かくつないでポゼッションしながら攻める形はやはり出しづらい。ボールを奪ってシンプルにゴールを狙う形が有効なだけに、ドイツ戦でも意識していきたい。高原と柳沢の「シドニー五輪・2トップ」の動きにも注目だ。

 日本に立ちはだかるドイツだが、エース・バラックが負傷のため今回は欠場する見通し。27日にルクセンブルクと親善試合を行った(7-0で勝利)ばかりで、主力を先発させてくるかどうかも微妙だ。ベストメンバーを出してくると想定した場合はGKレーマン、DFフート、メルテザッカー、MFフリンクス、シュナイダー、ボロウスキー、FWクローゼ、ポドルスキーらがピッチに立つと見られるが、もしかするとクリンスマン監督は若い選手にチャンスが与える可能性もある。ドイツも試合を重ねて疲労がたまっている時期。それだけに思うようなサッカーをさせてはいけない。「日本も侮れない」という印象をここで強くアピールしたいものだ。


以上

2006.05.29 Reported by 元川悦子
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