■日本代表　国際親善試合
5月30日（火）20：30（日本時間5月31日 03：30）／ドイツ・レバークーゼン
ドイツ代表 vs 日本代表
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●ジーコ監督
「この時期にこれだけ強く伝統あるチームのホームでプレーすることは、またとないチャンスだ。いい準備をして選手にはいろいろな意味で沢山のことを学んでもらいたい。フィジカル的に厳しいトレーニングをこなして戦術的にも技術的にもいい状態になっているので、今、持っている全てを出してほしい。だが、あくまで準備ということで、勝ち点3というよりもいい準備のために使いたいと思っている」

……ドイツに入ってから中盤以降の選手に守備の指示を与えていたが、その狙いは？

「中盤以降だけでなく、チーム全体での守備を考えてやってきた。今までやってきたことが現時点でどれだけ出来上がっているか。ドイツのような強いチームとやることでさらに課題が見つかるかもしれない。後に生かせるゲームだと思う。ボールを失ったときのリカバーが重要だが、守備ばかりに重点を置くと消極的になってしまう。すばやくボールを奪うことでうちの攻撃力を生かしたい」

……ドイツ戦のスタメンは？　メンバーを固定するポイントは？

「明日のスタメンは今日見ていただいたチーム。2度ほど日本でもやっているこのチームでいきたい。選手の固定というよりは、どういうときにメンバーをいじるかを考えている。いろいろな要素があり、予測もできる。明日の試合で何が起こるか。選手のコンディションもある。自分のやり方としていい時は動かさない。それによって安心感が生まれるし、結果も出ている。選手がコンディションを崩してしまったときは別だが、いい時はチームをいじらないで安定感を出していく。そしてベンチの選手が優秀であればあるほど自信をもって送り出せる。スタメンだけがメンバーではない。選手はそれぞれ6人代えられるが、それが必要であればすべて使うし、必要でない時は使わない場合もある」

……ジーコ監督はブラジルがW杯で優勝すると思うか？　サプライズを起こすチームは？　どんな大会になる？

「ブラジルが優勝候補筆頭ということだが、過去の実績もあるし伝統もある。今回に関してはここ2年ブラジルが残してきた成績はすばらしいし、欧州でプレーしている選手が数多くのタイトルを獲得している。そういう選手が中心になっているチームなので、下馬評が高いといえるだろう。サプライズは最近のサッカーにはない。ワールドカップは力が拮抗しているし、15くらいのチームに優勝の可能性がある。名前と伝統では勝てない。そういう大会だ。予選を見てみても今までは簡単に勝ち抜けるチームが苦しんでいる。世界のサッカーのレベルが似通ってきている」

……ドイツのＦＷ陣の調子がいいようだが。

「最近は日本人の選手が所属しているクラブやリーグの状況は映像でよく見る。スコットランドもそうだし、ドイツなどいろいろ見ている。クローゼは以前に戦っているし、非常にいい選手だと思う。高い得点能力を持っているのでちょっとでもスキを与えたら失点する。注意することが必要な選手だと思う」

……明日、高原に期待することは？

「ポジションを考えると得点が欲しいしチャンスも作り出してほしい。気持ちのうえでかなりいい状態だ。所属クラブではコンスタントに出るという状況がなかったが、ボスニア戦あたりで長い時間やれたことで充実感があっただろう。あのような積極性のある高原を期待しているし、やってくれると思っている」

……この時期にホスト国であるドイツと試合をすることは場合によってはショックを受ける可能性もあるが？

「自分の考え方としてこの時期に公式なゲームだった場合とは質が違う。準備の一環として臨むので、結果などどうでもよく内容が大事。2週間後にワールドカップに参加するチームがこの時期にドイツとやるのが恐いなら、最初から参加しない方がいい。あくまでどこに主眼を置くかだ。この試合をうまく活用してこのワールドカップに向けた最善の準備をすること。強く伝統あるチームとやれるという利点のほうが大きいと自分は考える」


以上

2006.5.30 Reported by 元川悦子