7月12日(水)J2 第27節 仙台 vs 東京V(19:00KICK OFF/ユアスタ)
-ゲームサマリーはこちら-
-スターティングメンバーは、試合開始約2時間前に各試合のスコアボード「試合詳細」に掲載されます-
----------
仙台と、東京V。決して必要以上に焚き付けるつもりはないし、それを詳しく語ることがこの場に相応しくないのも承知しているが、今季この2クラブ間に横たわる因縁は根深い。サポーター、そして一部の選手の中には、こうした背景や過去の試合での出来事を深く意識している者もいることだろう。
だが仙台・ジョエル サンタナ監督、東京V・ラモス監督ともに、考えているのは「目の前の」この一戦の勝利のみ。過去の出来事はひとまず置いておいて、今季3度目となる同対決をものにするために、それぞれが準備を進めている。
この先の話の流れ上、今回は東京Vの前節の振り返りからプレビューを展開したい。
J1が休みだったワールドカップ期間中に、川崎FのFWマルクス(過去に新潟、川崎FのJ1昇格に貢献した、まさに「昇格請負人」と呼べる存在である)を獲得した東京V。前節の鳥栖戦で移籍2試合目にして東京Vでの初ゴールをマークするなど、早速期待に見合った働きを見せている。その要因の一つと言えるのが、ここまでの戦い方を変えてまでラモス監督が採用した「マルクス・システム」とも表現できる前線の形である。
今季ここまでの東京Vは、主にダブルボランチの4‐4‐2の布陣を敷いて戦ってきたが、マルクス加入と同時に若干様相が変わった。トップ下の位置にマルクスを配し、後方を守備に長所を持つMF3人で固めるという、4‐3‐1‐2に近い形を採用したのだ。
1人のトップ下に2トップと言われれば、どうしてもパサー・司令塔タイプの選手に2トップを操らせる形を想像してしまうが、このトップ下に入ったマルクスは、決してそうしたプレースタイルを採らない。2トップを頻繁に追い越し、自らゴール前でフィニッシュに絡んでいく、いわば「第3のFW」としての動きがマルクスの売りであり、事実これまで、個人、チーム双方に幸せな関係を築くことが出来た新潟と川崎Fでの在籍時には、判を押したように似たような前線の組み合わせが採用されていた。「マルクス・システム」と評したのには、こうした理由がある。
そしてそれは、東京Vでも同じだった。前半戦が終了したのみの今の段階で、一見積極的過ぎるかと思われる施策、選手起用の変更を繰り広げてきた東京Vは、マルクス加入と同時に、彼の能力を最大限活かす方法へと舵を切っている。
さて、ここまで踏まえてようやく、この試合を前にした仙台の準備について触れることが出来る。
土曜日の試合から間が短い今節に向けて、仙台が月曜日に行った紅白戦では注目ポイントが2つあった。1つは最前線にエースのボルジェスではなく、前節に引き続き萬代が入ったこと。ただこれは戦術面というより、ボルジェスのコンディションがまだ思わしくないという事情があってのことという側面が大きい(ちなみにボルジェスはその間、ピッチの周りを黙々とランニングしていた)。
だが2つ目のポイントは、ひょっとすると東京V対策の一環かと考えられるものだった。今節、出場停止が明ける熊林がそのまま戻るかと思われていた左ボランチのポジションに、こちらも前節同様、磯崎が入っていたのだ。
確かに、前節の磯崎は素晴らしかった。最前線でポストに入った選手の足元めがけて時折放つ鋭いグラウンダーのパスが的確で、攻撃で貢献できる面も垣間見せたが、それ以上に評価が高かったのは持ち前の守備力。サイドでは若干苦境も見せた仙台だったが、中央から破られた場面がほとんどなかったことに、磯崎の働きは大きく絡んでいる。熊林ではなく磯崎を起用する理由として、真っ先に思いつくのはやはりこの守備力である。
そう考えた時、次の対戦相手が「マルクス・システム」の東京Vというのは、なんとも興味深い事実ではないか。相手の攻撃の基点が、サイドではなく中央になることが予想される上に、しかも相手のシステムはまだこれが3試合目で、完全に形が確定しているわけでもなく、待ち受ける守備陣にとって不確定要素が多いとなれば、攻撃よりもまず守備を重視して試合に入ることは、いたって自然な成り行きではある。
過去、Jのリーグ戦において、両チームは計6度対戦しているが、アウェーチームが勝利を収めたことは今まで一度もない。東京Vに限れば、ここユアスタ(仙台スタジアム時代を含む)では1分け2敗だ(「スタジアム別通算勝敗表」参照)。
7度目の対決におけるジンクスの成否は、仙台のバイタルエリア付近で展開されるであろう争いが、その行方を大きく左右するはずである。加入したてであり、ジンクスなどどこ吹く風であろうマルクスを、仙台とそのサポーターは阻止することが出来るだろうか。
以上
2006.07.10 Reported by 佐々木聡
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第27節 仙台 vs 東京V プレビュー】「マルクス・システム」で初のユアスタ攻略に挑む東京V。そうはさせじと仙台は、守備対策を念入りにして迎え撃つ。(06.07.12)















