7月12日(水) 2006 J2リーグ戦 第27節
仙台 1 - 2 東京V (19:04/ユアスタ/14,058人)
得点者:'37 齋藤将基(東京V)、'64 高木義成(東京V)、'80 ボルジェス(仙台)
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試合後の会見で仙台・ジョエル サンタナ監督が見せたのは、まさしく「鬼の形相」。こめかみに人差し指を当て、テーブルにかがみ気味の姿勢で話すその口をついたのは、ミス、ミス、そしてミス。攻守に渡り、大小さまざまなミスを連発した仙台は、試合中にもたらされた思わぬ「追い風」すら活かすことができず敗れ去った。
試合の立ち上がりは、決して仙台にとって、このような結末を予感させるものではなかった。むしろ狙いがわかる攻撃で、確実に東京Vのゴールを脅かす。ボルジェスが相手の右サイド、海本や一柳の位置でポストプレーを仕掛けた上で、しかし勝負は逆サイド。右に守備陣が引き寄せられたことで、どうしても背後のカバーが薄くなる東京V・左SBの藤田に対して、仙台はサイドチェンジでボールを運び、梁が、ロペスが何度も突破を挑んでいく。が、センタリング、そしてシュートの精度を欠き、チャンスは作るもののゴールは遠い。
すると37分、先制点をあげたのは東京Vのほうだった。
仙台にとってこの失点には伏線がある。この日、トップ下に位置し、東京Vのキーマンであったマルクスに対して、仙台は千葉、そして磯崎の二人が連携してケアにあたっていた。その一角である千葉は、最終ライン付近といういつもの低い位置での守備ではなく、この日は積極的に前へ飛び出してボールを奪う守備が多く、失点シーンの直前にも、良い出足からマルクスへのボールをカット、カウンターの基点となる場面があった。
ところがこの失点の場面、先ほどと同じように積極的に行った千葉だが、今度は完全に奪いきることが出来ずに自身の後方にボールをこぼし、自ずとマルクスに裏を突かれる状態となってしまった。そして二人の関係上、カバーするべき磯崎も対処が後手に回る。
そうなればマルクスは仕事をする。一気にスピードを上げた後、菅井が上がっていたため空いていたサイドのスペースに流れていく前方の平本へスルーパス。木谷がゴール前に戻りながらパスにヒールで触れるがクリアにはならず、そのボールをかっさらった平本はスピードに乗ったまま強烈なシュート。これは一度バーを直撃するも、跳ね返った先のゴール正面にはフリーの齋藤が詰めていた。細かなミスを重ねた仙台から、東京Vは前線の3人だけでしっかりと先制点を奪っていく。
そして後半に入り、仙台はボルジェスが何本もの決定機を掴むがゴールを逃し続けるうち、悲劇とも喜劇とも言える大きすぎるミスから追加点を許してしまう。64分、東京Vのペナルティエリアすぐ外から、GK高木が仙台のゴール前めがけて蹴ったFKがぐんぐん伸びていく。落下点には池田がいたのだが、弾道のさらに先にいた高桑が自ら処理可能と判断し声をかけた。
ところが池田と高桑の間でバウンドしたボールは、高桑の予測よりもはるか大きく弾み、頭上を越えてなんとゴールマウスに吸い込まれていく。高桑が必死にかき出そうとするも時すでに遅し。見ていた者は呆然、決して少なくない見逃した者は事態がわからないという奇妙な空気の中、しかしスコアボードにははっきりと「0‐2」の文字が記される。
悪い空気の中、仙台が反撃を撃つのは、77分まで待たなくてはいけなかった。ロペスがボールを持って前を向くと、途中投入の萬代が良い動き出しでラインの裏へ、ロペスからのスルーパスに反応してペナルティエリアに入った萬代が、裏を取られた一柳のタックルに倒れる。仙台に今季初のPKが与えられ、ファールを犯した一柳は2枚目の警告となり退場に。
このPKはボルジェスが高木に止められるものの、こぼれ球に反応した関口が根占に倒されて、立て続けに仙台にPKが。次はボルジェスが決めるが、今度は蹴られる前に関口がエリア内に入っていたということでやり直し。そして今日3度目(公式記録上は2本目)となるPKを、ようやくボルジェスが問題なく決めて仙台が1点を返す。東京Vが一人少ない上、最低でも同点に追いつくには、10分プラスロスタイムという時間は決して短いものではない。俄然盛り上がるスタジアム。
しかし、この好機をも、仙台はミスでフイにし続けた。さぁ攻撃という場面でパスが足元からずれて流れが途切れるというシーンが続き、露骨に苛立ちを示す選手も。ようやく崩しても、センタリングは脅威を与えられない精度のものが相次ぎ、サポーターのため息を呼ぶ。
そしてシュートも、会心のものが撃てない。ようやくロスタイムに、ボルジェスがエリア内で個人技からDFをかわし、GK高木を丸裸にした状態でシュートを放つも、力みすぎたかボールはゴール右上に大きく逸れる。ミスが相次いだ試合は、ボルジェス自ら「外すほうが難しいボール」と反省した一発で終わってしまった。
数的有利、そしておよそ6分もあった後半のロスタイム、さらには東京Vが3枚目の交代枠を使ってのさらなる守備固めに走らずにいてくれたことなど、まるで追いついてくださいと言われんばかりの状況が重なりながら、今日の仙台には、それを活かす資格すらなかった。
序盤の低迷を除けば久しぶりとなる、昇格圏外、4位への転落。今願うことがあるとすれば、この事実が、仙台の選手たちの目を覚ますきっかけになることか。
以上
2006.07.13 Reported by 佐々木聡
J’s GOALニュース
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