7月19日(水) 2006 J1リーグ戦 第13節
C大阪 0 - 2 大分 (19:00/長居/6,806人)
得点者:'27 松橋章太(大分)、'72 梅崎司(大分)
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「後半戦の最初にホントにいい試合ができた」。大分・シャムスカ監督は、試合後にこやかに語った。その言葉どおり、前半から持ち味を発揮し続けたのはアウェイチームのほうだった。上本大海をリベロに、ストッパーに深谷友基と福元洋平を配した3バックがゴール前に立ちはだかり、C大阪の攻撃を跳ね返した。中盤では、トゥーリオとエジミウソンのダブルボランチが素早いプレスで相手の選手を思うようにプレーさせず、両ウイングバックは機を見て相手陣内に進入する。前線は高松大樹が前に張って、その後方に右に松橋章太、左に梅崎 司が入る3トップ。相手DFを混乱させたのが、松橋と梅崎の2シャドーだった。
前半7分、左ウイングバック・根本裕一のクロスがクリアされたこぼれ球を、梅崎がシュート。サイドネットをかすめたが、これを皮切りに大分がチャンスを次々に作り出していく。24分には、C大阪ディフェンスのマークがずれ、ゴール前で高松がフリーになるが、C大阪のGK吉田宗弘が思い切った飛び出しを見せて何とか防いだ。そして、その3分後。ボランチのエジミウソンのパスを受けた松橋が、相手GKが飛び出すのを見て冷静にシュート。待望の先制点が大分に入った。
C大阪が流れを引き戻せたとしたら、このあとのタイミングだったかもしれない。松橋のゴールの直後、C大阪も決定機を迎えていたからだ。左サイドバックの山崎哲也が、オーバーラップし絶妙のクロスをゴール前に送る。飛び込んだ西澤明訓がダイビングヘッド。しかし、ボールはバーの上を通過した。「いい歳をして空回りした。冷静になれなかった。ひざで押し込めば入ったのに」。西澤が激しく悔やんだこのシーンが、C大阪がもっともゴールに近づいた瞬間だった。
前半を0-1で終え、試合は後半へ。C大阪は、「前半はマーキングをはっきりつかめず混乱した。ハーフタイムに修正した」(塚田監督)ことで、少しずつ流れを引き寄せた。そして、53分、盛大な拍手と歓声をもって、大久保嘉人が登場。FW柿本倫明に代わり、西澤のやや後ろにポジションをとった。大久保は57分にはやや強引ながらシュートを放つなど、気迫は感じさせたが、C大阪は攻撃になかなか厚みを持たせることができない。頼みの大久保も「まだ周りの選手とのタイミングにずれがある」(塚田監督)ことで、決定機は作れずじまいだった。
そして72分、大分にとって貴重な追加点が入った。トゥーリオのパスを受けた梅崎が、相手DFのマークをすばやくかわすと、ためらいなく左足を振りぬき、鮮やかなシュートを叩き込んだ。反撃に出かけたC大阪にとっては、あまりにも痛い失点だった。「粘り強い対応という点で、相手のほうが上だった」と、塚田監督も脱帽するしかなかった。
中断前同様に、攻守に組織だったプレーを見せた大分が確実に勝点を積み上げた。「チームが成長する中で、結果が伴っていけばいいことだと思う」と話したシャムスカ監督にとって思惑通りのチームづくりが進んでいることがうかがえた。一方のC大阪は対照的に、苦しいチーム状態を露呈。「下を向かずやっていかないといけない」。大久保が気丈に語ったことが救いだった。
以上
2006.07.20 Reported by 横井 素子
J’s GOALニュース
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