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【J2:第29節 水戸 vs 鳥栖 プレビュー】水戸は3連勝、そして白星先行がかかった大事な一戦。鳥栖の新居ら3人の出場停止がどう転ぶか。(06.07.22)

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7月22日(土)J2 第29節 水戸 vs 鳥栖(19:00KICK OFF/笠松)
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-スターティングメンバーは、試合開始約2時間前に各試合のスコアボード「試合詳細」に掲載されます-
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前節、愛媛戦は「攻撃に人数をかけて勝ちに行く」(前田監督)ために、3−4−3システムを採用。アンデルソンを頂点に桑原、眞行寺をシャドーに置く3トップに、ボランチには秦と椎原という攻撃的なコンビを起用し、これまでの守備的な戦いから脱却を図ろうとした。だが、試合は終始愛媛ペース。中盤でいいようにボールをつながれ、「3−4−3のはずが5−4−1になってしまい」(前田監督)、防戦一方の展開を強いられることとなった。90分間で水戸が放ったシュートはわずか2本。結局、アンデルソンの個人技から奪った虎の子の1点を守りきる戦いとなったのだ。「内容で負けて、勝負に勝った」と前田監督が振り返るように、勝ち点3をもぎ取ったものの、当初の目的を果たすことはできなかった。

だが、「いい試合で負けるのではなく、内容が悪くても勝てるようになったのは成長だと思う」と時崎が言うように、選手たちが勝利への貪欲さを身につけ、そしてどんな状況でも破綻をきたさなくなったことは、チームの底力が確かなものになったと見ていいだろう。さらに「上の順位のチームが前日に勝っていたので、勝たなきゃいけなかった」(時崎)という状況で結果を出せたのも、間違いなくチームの成長である。5位東京Vとの勝ち点差は3。上位進出の可能性を大きく秘めており、愛媛戦の勝利によってチーム全体のモチベーションは高く保てているのだ。やはり、どんな内容でも勝つことが重要なのである。

今季初の3連勝がかかった今節、対戦相手の鳥栖はリーグ得点王の新居をはじめ、山口、高橋という中心選手3人を出場停止で欠く苦しい状況。それだけに水戸の有利が予想される。しかし、それは安易な考えと言えよう。鳥栖が3選手を欠くことで「相手がどう来るか分からない。情報がほしいくらい」と前田監督が頭を悩ませるように、これまで相手を細かに分析し、相手の長所をつぶすことで主導権を握っていた水戸にとっては、こうした状況は決して望ましくないのだ。さらに「チャンスをもらった選手のモチベーションは高いはず」(時崎)ということも水戸を苦しめることだろう。

8位の鳥栖にとっても上位進出をかけた大きな一戦。エースを欠くこの試合で勝てるようなら、今後に大きな弾みがつくだけに、鼻息を荒くして試合に臨んでくるはずである。それだけに水戸は受け身に回らずに、自らアクションを仕掛けて鳥栖の出端をくじきたい。前節の愛媛戦のような『引き腰』を見せるようだと、鳥栖の勢いに飲まれることとなるだろう。

鳥栖は前節、札幌に4対0の圧勝をしている。その試合を見た前田監督の感想は「札幌はフッキが出場停止で攻撃を組み立てられなかった。1人に頼ってるとああなってしまう」というものだった。だが、水戸の現状も攻撃はアンデルソン頼みと言われても致し方ない状況。だからこそ、前田監督はこう言い放った。「ウチもアンデルソンだけに頼らないサッカーをしないといけない」と。

思い出されるのは前々節の湘南戦のロスタイム、同点に追いつかれた後に、眞行寺が怒涛のドリブル突破から決勝ゴールを奪ったプレー。そのプレーに対し、前田監督は「いつもあれくらいゴールに向かえられればもっと成長する」と語っている。それは眞行寺にだけに向けられたのではなく、チーム全体に言った言葉と受け取っていいだろう。アンデルソンだけでなく、1人1人がゴールに迫る意識を高く持った時、水戸はさらなるステップアップをすることができるのである。

今季初の3連勝、そして、白星先行がかかった大事な一戦。結果いかんでは上位進出も見えてくる。だが、そんな状況だからこそ、あえて結果だけでなく、内容にもこだわりたい。堅固な守備をベースに、攻撃でも鋭さを見せることができれば、自然と上位に立つことができるだろう。それを求めるだけの基盤はできあがっている。

以上

2006.07.21 Reported by 佐藤拓也
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