7月22日（土）J1 第14節 川崎Ｆ vs 浦和（19:00KICK OFF/等々力）
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退場者を出していたとはいえ、過去に一度も勝ちのなかったアウェイの鹿島戦で勝利。「修羅場3」と銘打った強豪との3連戦（鹿島、浦和、G大阪）を、川崎Fは幸先良く勝利でスタートさせる事に成功した。続いて今節で対戦するのは現在3位の浦和。これまた優勝を争う強敵である。

前節は、ボランチの谷口博之が2ゴール＋1PK奪取の活躍を見せ、さらにはルーキーの鄭大世がプロ初ゴールをマークするなど、攻撃力にさらに磨きをかけているが、その一方で寺田周平の負傷と、それに伴う米山篤志の代替出場が懸念材料として上げられていた。キャプテンの伊藤宏樹は、その鹿島戦について「2失点はもったいなかったが、崩されていたわけではないので特に問題はなかった」と守備に手応えを感じている様子だった。

首位川崎Fに存在する現在唯一の懸念材料は、マルクスの退団とそれに伴って獲得したマギヌンだと言える。たとえば米山にしても、初ゴールを決めた鄭にしても、これまでチームに帯同してきており、チームがやるべき仕事は理解できている。つまり今節、森勇介の累積警告による出場停止の穴を長橋康弘が埋めるにしても、飛弾暁が埋めるにしても、川崎Fにとっては大きな戦力ダウンにはならないという事が言える。ただしマギヌンだけは新加入選手としての難しさを抱えてのプレーとならざるを得ない。「素直だしお互いに意見を言い合っている」（伊藤宏樹）との事だが、完全にチームにフィットするまでにはもうしばらく時間がかかりそうだ。

ただ、だからといってマギヌンが大きな穴になるわけではない、という事には留意する必要がある。彼はトップ下の選手であり、浦和が攻撃時に突く事のできる穴ではない。つまり川崎Fにとって起用し続ける事のリスクは少ないといえるだろう。

ちなみに川崎Fの各選手が最も警戒していたのが、ヤマザキナビスコカップ準々決勝において、一人で4ゴールを叩き込まれたワシントン。そのワシントンがポンテと共に今節は欠場する事が予想されているが、「ただ長谷部が帰ってくるので、小野が入った形を見てみないと・・・浦和は層は厚いですからね」と関塚監督は警戒を怠る事はなかった。今季ここまで連敗のない浦和にとってはどうしても負けられない試合になるだろうが、それは初タイトルを目指す川崎Fにとっても同じ事が言える。

昨季から激しい戦いを繰り広げてきたこの両者だが、勝ち点4差で迎えるこの試合はどのような結末を迎えるのか。前売り完売のスタジアムは熱い戦いを目撃する事になるだろう。

以上

2006.7.21 Reported by 江藤高志