7月22日（土）J1 第14節 磐田 vs Ｃ大阪（19:00KICK OFF/ヤマハ）
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　再開初戦でどちらも黒星スタートとなった磐田とC大阪。両チームとも新監督就任後のリーグ戦初勝利がノドから手が出るほど欲しいだけに、この試合にかける気持ちは相当強い。

　磐田は、アジウソン監督による新体制となって公式戦3戦目で、ヤマハスタジアムでの初ゲーム。ここまで1分1敗で、内容的にもサポーターが納得のいく試合ができていないだけに、ここは本当に重要な一戦となる。
　ただ、短い時間でのチーム作りを課せられていることもあり、アジウソン監督としても、最初から理想を追求することはできない。理想はあくまで、監督自身が磐田でプレーしていた頃のような高いポゼッションをベースにした攻撃サッカーにあるが、現時点ではある程度現実路線の戦いになっていることは仕方ない部分だろう。その結果として今は、DFラインを無理に高く上げるのではなく、まずは守備をしっかりと整備して、ボールを奪ったらシンプルに縦に速く攻めるという形が目立っている。初めはセーフティーに戦って結果を出しながら、内容的にも徐々に立て直していくという狙いだろう。


　そうした流れの中で、アジウソン監督は、就任当初から「ミスを少なくしたい」と言っていたが、前節の大宮戦では「ミスが多くてもったいない」（服部）という声もあり、2つの失点もミス絡みのものとなった。それらのミスの中には、単純にボールタッチのミスやパスミスといった部分ばかりではなく、ポジショニングや判断のミスなども含まれる。大宮戦でも、ポジショニングが甘かったり、バイタルエリアにスペースを作ってしまったりして、相手選手への寄せが遅れる場面が目立っていた。
　アジウソン監督と同じ現実路線で考えれば、まずは守備面でのそうしたミスを減らし、90分間を無失点で終えることが、この試合での大きなテーマとなるはずだ。特に、相手のカウンターへの対策という部分も含めて、ポジショニングのミスには十分なケアが必要になるだろう。韓国代表センターバックの金が出場停止だが、十分にそれを可能にするだけの戦力と経験はある。
　その上で、決めるべきところを決めることが、勝ち点3をつかむための最大のポイント。攻撃陣のクオリティは十分に高く、チャンスも作れているので、「最後の精度を高めたい」（成岡）という言葉通り、きっちりとチャンスを結果につなげたいところだ。

　対するC大阪は、前節・大分戦ではホーム長居で0-2の完敗。ただ、スペインのマジョルカから復帰した大久保のコンディションが徐々に上がってきたことは大きな希望で、大分戦では37分間の出場だったが、この試合ではさらに出場時間を延ばしてくるだろう。大久保は以前から磐田戦に強く、磐田サポーターにもホームで何度も大久保に痛い目にあっているという印象がある。
　お互いに4-4-2でがっぷり四つに組み合う中で、C大阪としても、現状では磐田と同様にしっかり守って決めるべきところを決めるという戦い方が基本になるはずなので、大久保と周囲との連携や、大久保、西澤らの決定力が上がってくれば、大きなアドバンテージとなるだろう。

　そう考えると、両チームとも集中力や自信といったメンタル面が、試合内容や結果にも大きな影響を及ぼすことになりそうだ。その意味では、暑さや雨といった気候面も気になるが、やはりどんな条件であっても「絶対に勝つ」という気持ちで上回ったほうが、より勝利に近づけることは間違いないだろう。

2006.07.21 Reported by 井上　慎也