7月22日(土) 2006 J2リーグ戦 第29節
水戸 2 - 2 鳥栖 (19:04/笠松/1,859人)
得点者:'6 西野晃平(水戸)、'17 村主博正(鳥栖)、'60 長谷川豊喜(鳥栖)、'77 西野晃平(水戸)
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「点を取られても返せると思っている」と倉本が自信を持って語るように、水戸は1-1でむかえた60分、1点ビハインドを追いながらも、その後も焦らずプレー。その結果が77分の同点ゴールにつながったのである。
前田監督は振り返る。「これまでなら点を取りにいったら、追加点を取られることが多かった」と。だが、今は違う。リードされても決して前掛かりになるだけでなく、チームの基盤である守備のマネジメントをしながら、効果的な攻撃を繰り出すサッカーを続けることができるようになっているのだ。引き分けに終わったものの、試合を支配していたものはどんな状況でも動じない水戸の確固たる「自信」であった。
水戸のペースで試合ははじまった。ボールキープこそ鳥栖が長かったが、水戸はDFラインを高くし、中盤をコンパクトに保つことで鳥栖の攻撃を封じることに成功。鳥栖の縦に入れるボールに対し、鋭い寄せを見せ、ボールを奪取。そこから速い攻撃を仕掛け、チャンスを作り出していった。それが結果につながったのは試合開始からわずか6分。水戸がボールをキープすると、すかさず右サイドのアンデルソンへ。鳥栖DFはアンデルソンに釣られ、空いた中央のスペースに西野が走りこむ。そして、ドリブル突破したアンデルソンからのクロスに西野が合わせ、先制ゴール。アンデルソンをうまくおとりに使った新たな攻撃スタイルでの先制点に、水戸の今後の新たな可能性が感じられた。
一方の鳥栖はエースの新居をはじめ、山口、高橋が出場停止。メンバーの入れ替えを余儀なくされたが、その中で山城と高地の位置を替えて試合に臨むなど松本監督は奇策を打って出た。だが、「山城が後ろで助かった」と倉本が言うように、それが機能したとは言い難い。序盤から連携が合わず、パスミスを連発するなどチームに迷いが見られ、水戸の粘り強い守備を打開することができず、水戸の速攻にも苦しむ展開に。鈴木、小林の即席2トップも水戸の高いDFラインを相手に前を向くことができず、2人ともシュート0で終わることとなった。そんな状況の中、17分には右サイドからのFK。そして、60分には右CKから尹が見事なキックでゴールをアシスト。『個』の力により形勢は逆転したかのように思われた。
だが、鳥栖には大きな弱点が存在した。それは松本監督が「下手すぎる」という『セットプレー時の守備』である。それが顕著に表れるのは後半に入ってから。47分には左CKに対して時崎が完全フリーでヘッド。53分にも左CKを西野がフリーでヘッド。両方ともGKシュナイダー潤之介が好セーブを見せて、難を逃れたが、77分にとうとう堰が切られる。右サイドからのFK、ファーサイドでこれまで再三マークを曖昧にしてきた時崎に中央に折り返されてしまう。それを西野に体で押し込まれ同点ゴールが決まったのだ。
結局、痛み分けに終わったこの試合。だが、前田監督が「『水戸も強くなったな』と思われたと思う」と言うように、開幕当初に比べ、1人1人が自信を持ったプレーを見せるようになっており、この日2得点を挙げた西野をはじめ、眞行寺、桑原、倉本など積極的なプレーで鳥栖を翻弄。リードされてもゴールへ向かう意識を高く保ったことが、同点ゴールへとつながったのだ。第3クールに入って生まれた6得点中アンデルソンが決めたのは1点のみということからも分かるように、チーム全体のゴールへ向かう意識が強くなっている。堅固な守備を基盤に、攻撃面でも積極性が芽生えているのだ。戦うたびに強くなってきた水戸。それが第3クール2勝1分という好成績につながっており、この試合でも追いつくことができたのである。
対する鳥栖はエース新居を欠いたことで流れの中でチャンスをつくれず。さらにセットプレー時の守備という大きな課題も残した。だが、それでも少ないチャンスを生かして勝ち点1を取ったのは収穫と言っていいだろう。
両チームともに『負けない強さ』を身につけてきていることを証明した試合であった。あとはそれをいかに勝利につなげられるか。中位争いからの脱出はそこにかかっている。
以上
2006.07.22 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
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