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【J2:第29節 横浜FC vs 湘南 湘南レポート】意義深い「勝点1」。ロスタイム、初出場・北島義生のゴールによって、湘南が劇的な同点劇を演じる。(06.07.23)

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7月22日(土) 2006 J2リーグ戦 第29節
横浜FC 1 - 1 湘南 (19:04/三ツ沢/5,147人)
得点者:'39 アレモン(横浜FC)、'89 北島義生(湘南)
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アウェイで勝てていないのだと、あるとき菅野監督は渋い表情を見せた。事実、今シーズンだけを振り返ってみても、前節までに13試合で1勝8敗4分と、アウェイの分の悪さは数字が如実に物語っている。今節も前半、横浜FCのカウンターからアレモンに先制を許し、厳しい展開を強いられた。90分を経過しても得点は動かない。しかしロスタイムに入ってのち、湘南はようやく大きな1点をもぎ取ることになる。

佐藤悠介のフリーキックが壁に阻まれ、ゴールラインを割る。ふたたび手にしたセットプレー、佐藤が放ったコーナーキックは、中央に走りこんだ北島義生の頭をピンポイントで捉えた。
「どんぴしゃでした」今シーズン、湘南に移籍して初めてリーグ戦のピッチを踏んだ北島は、相好を崩した。

長い道のりだった。怪我でブランクを余儀なくさせ、スタメンで臨むピッチは実におよそ1年8ヶ月ぶりのことだ。湘南に来ても、サテライトの日々が続いた。それでも、「腐ることはない。いつでも出られるように、僕は準備をするだけです」と、前向きな笑顔を絶やさなかった。2日前の横浜FMとの練習試合では佐藤と初めてボランチを組み、「悠介のプレーは普段から見ているし、僕の役割はハッキリしている。試合に出たら自分の持ち味を出したい」と語っている。果たして北島は今節、出場停止のニヴァウドに代わりスタメンを手にし、終了間際に決めた自らの同点ゴールで歓喜の輪の中心に立ったのだった。

「誰が出ても目指すサッカーは変わらない。新しい力が出てきてくれることは、チームにとって財産になる」試合後、菅野監督は話した。ニヴァウドと中町公祐、田村雄三を出場停止で欠き、また梅田直哉も離脱した苦境のなかで、新たな可能性の台頭は喜ばしい。今節は北島をはじめ、怪我から復帰した松本昂聡と森谷佳祐、そして加藤望も8試合ぶりにスタメンに名を連ね、それぞれが惜しみないプレーを披露した。

ひとつ心配なのは、森谷の試合途中の負傷である。足を引きづり顔を歪ませ、62分に坂本紘司と交代した。怪我から復帰した矢先のアクシデントに、手当てを受けながら見せた苦悶の表情は決して足の痛みだけではなかったろう。

その森谷の忸怩たる思いを引き継いだ坂本は、「点を取りに行かなければ」と胸に期し、ショートパスの潤滑油になる。佐藤から受けると前で時間をつくり、アジエルとのパス交換も織り交ぜながら、尾亦弘友希、あるいは逆サイドの永里源気を相手DFの裏へと導いた。また、それまで左サイドハーフに入っていたアジエルの守備の負担も軽くし、そのアジエルはトップ下から右寄りのポジションで北島や永里と絡み、数的優位を生み出している。結局、ゴールには結べなかったものの流れを手繰り寄せ、ロスタイムのフリーキックに繋げたのだった。

今節もアウェイで勝てはしなかった。「2点取れたはず。1点では物足りない」と坂本が断じれば、前節に続きセンターバックとしてスタメン出場した村山祐介も「勝ちたかった」と、チームの総意を代弁する。「ゴールはともかく、それまでのプレーでもっとできることがあった」。と、同点弾を決めた北島にも満足はない。だが追加点を奪ったうえでの勝利を目論んでいた相手に対し、与えたインパクトは小さくなかったはずだ。

思い出されるのは、柏との開幕戦である。あの日もレイソルカラーに囲まれた圧倒的なアウェイのなか、劇的な同点劇をロスタイムに演じている。さらにもうひとつ付け加えるならば、追いついた直後に決勝点を許した前々節の水戸戦だ。過去の課題を繰り返さず最後まで守り抜いた今節は、開幕当初の粘り強さを取り戻しつつある証ともいえるだろう。手にした勝点は「1」だが、それ以上の意味を裏に見る。そして勝利も敗戦も引き分けも、つぎのゲームがそれらの意味を肉付ける。4日後の仙台戦に、あらためて期待したい。

以上

2006.07.22 Reported by 隈元大吾
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