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【J2:第31節 札幌 vs 湘南 レポート】記念すべきJ2 5000ゴール目となったアジエルのPKを皮切りに湘南のゴールラッシュ。札幌は波に乗るチャンス逸す。(06.07.30)

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7月29日(土) 2006 J2リーグ戦 第31節
札幌 1 - 5 湘南 (14:04/札幌厚別/7,600人)
得点者:'7 アジエル(湘南)、'30 佐藤悠介(湘南)、'48 石原直樹(湘南)、'58 石原直樹(湘南)、'81 フッキ(札幌)、'87 佐藤悠介(湘南)
−ダイジェスト映像は【こちら】
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「恥ずかしい試合をしたということ」。試合後の会見で札幌の柳下監督は試合をこのように総括した。エースのフッキを欠いてのアウェイゲームだった前節をチーム一丸となって勝利したことで、チームには再び勢いが生まれつつあった。続けてこの湘南戦も勝利すれば、波に乗れそうな気配もあった。だが、そこでいきなり「恥ずかしい試合」を演じてしまうほどにパフォーマンスの波があること、それが札幌の大きな弱点のひとつだ。

試合は思わぬ形で幕を開ける。まだどちらのチームにも主導権が生まれていないニュートラルな状況だった開始7分、リスタート時のポジション取りの際に生まれたファウルで湘南がPKを得て先制。PKを決めたアジエルは「いい形で試合に入れた」と振り返る。
開始早々、悔やまれるPK献上をしてしまった札幌だったが、幸いだったのはゲームプランに影響がなかったこと。守備から入るチームであれば、早い時間帯にリードを許してしまうと戦い方に変更を強いられてしまうが、札幌にその必要はない。0−0であろうと0−1であろうと、攻撃的な姿勢は変わらない。さらに言ってしまえば、勝利するためには最低でも2点は必要になるわけだから逆にゲームプランはより一層明確になったはずだ。

だが、この日は湘南の守備が非常に安定しており、札幌の攻撃はほぼシャットアウトされた。石原、横山の2トップが献身的に守備を行い、高い位置でプレーする左MFのアジエルもそこに加わって前線からしっかりとプレッシャーをかける。中盤の選手も相手のトップ下や守備的MFへのパスコースを的確に塞ぐ。結果、札幌はアウトサイドに攻撃の起点を求めざるを得なくなるのだが、4−4−2のシステムで戦う湘南はサイドでの数的優位を生かしてこのエリアにもフタをした。
パスの出しどころを失った札幌はロングボールを蹴っても風に押し戻されたり、守備的MFの大塚が後方に下がって何とかポゼッションを高めようとするが、そうした狙いもすぐに湘南に読まれてしまい、逆に危ないエリアでボールをカットされる場面を増やしてしまう。

一度リズムを崩すと建て直しができない。これも札幌の大きな弱点だ。リズムが悪いならば悪いなりに、DFラインの背後へ長いボールを蹴って相手の守備ラインを下げさせるという手段もあるはずだが、この日の札幌は無理に自分たちの形を取り戻そうとしてさらなる深みにはまってしまった。30分に佐藤が強烈なミドルシュートを決め2点差にすると、湘南がほぼ勝利を決めた。

その後の札幌はもはや戦うチームではない。後半に入ると、中盤でパスを受けようとしている選手へのコーチングがほとんど感じられず、簡単にボールを奪われる場面がさらに増えた。そして失点も重ねた。58分の失点で4点差になり、87分には「普段あまり使わない」という右足のミドルシュートを佐藤に決められてしまった。

終わってみれば5−1というスコアで湘南のワンサイドゲーム。通常こうしたスコアの場合、リードされたチームが得点を求めて前がかりになり、その裏を突かれて失点を重ねるというケースがほとんどである。だが、この試合は違った。札幌は、もちろん相手ゴールを目指して攻撃を仕掛けてはいたが、なんとかして追いつき、そして逆転しようというほどの意気込みは見られなかった。後半途中には3点を追う状況ながらも、札幌陣内ペナルティエリア付近で湘南がフリーキックを蹴る場面で、前線に残るのはフッキ1人だけというシーンもあった。これではカウンターのチャンスが訪れたとしても、得点の可能性は高めることは難しい。

終盤に目立ったのはフッキのプレーだ。ボールを持てばとにかく自分ひとりでドリブルで突っ込んでいた。周囲にフリーな選手がいても、ひたすらに自分で持ち込んだ。これはプレーの選択としては拙いものだし、ワンマンなプレーでしかない。だが、大差をつけられている中で最後まであきらめず、拙いプレー選択ながらも『何とかしよう』ともがいていたのはこのフッキだけだった。実際、周囲の選手が声高にパスを要求していたようにも見えなかった。

フッキはシーズン開幕当初、心のコントロールができずに退場処分を受けてしまうことが何度かあった。周囲の選手がいかにフッキの心を落ち着かせるか、それが重要だと思われていた。だが、今となっては周囲の選手がフッキのメンタルから学ぶべき部分もあるのではないだろうか。周囲が見えなくなるほどガムシャラに相手ゴールに向かって突き進む、そんな情熱をいま、札幌イレブンは持たなくてはいけないはずだ。

以上

2006.07.29 Reported by 斉藤宏則
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