●キリンチャレンジカップ2006
8月9日(水)19:20/国立
日本代表 vs トリニダード・トバゴ代表
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5色のビブスに分かれてのパス回し、数的優位・不利な状況での攻守に始まり、3対3が5対5や6対6へと変化する練習、そして7対7+フリーマンのゲーム…。短時間でめまぐるしく変化するメニューを90分間行った後、選手たちは「これほど頭を使ったのは久しぶり」と口を揃えた。
「自分で考えて走ることをどう徹底するか。サッカーは生き物だし、相手も生き物。急に数的優位になったり、不利になったりする。そういうことに臨機応変に対応できるようにすること。それがトリニダード・トバゴ戦に向けたテーマの1つ」と、大熊清コーチはオシム監督の意図を代弁していた。この複雑なトレーニングを通じて、いかに初戦への準備を整えるのか。オシムジャパンの挑戦がいよいよ本格的に始まった。
ドイツワールドカップのグループリーグ敗退から1ヵ月半。2010年南アフリカワールドカップを目指す新生・ジャパンが初合宿2日目を迎えた。7日は暑さのため、当初のトレーニング開始時間が1時間遅れ、19時からとなった。千葉県内のグランドには大柄なオシム監督と18人の選手たちが集合。左ヒザ負傷の今野泰幸(F東京)以外はみなピッチに立った。
昨日の平成国際大学との練習試合を経て、2日目は一体何が行われるのか…。誰もが興味津々の中、指揮官は早速、選手たちにビブスを配った。赤、黄、青、白、緑のビブスで、15人のフィールドプレーヤーは3人ずつ5組に分かれる。彼らは攻撃3組(9人)、守備2組(6人)という形でパス回しを始めた。攻撃者は同じ色の選手にボールを出してはならず、奪われたらすぐ守備に入るというルールである。
「ビブスの色を見てすぐ判断しなければいけなかった」と長谷部誠(浦和)が話すように、選手たちはいきなり考えさせられた。少し慣れたらピッチが広がりスピードもアップする。オシム監督は「同じ練習を長く続ける」という価値観は持たないようだ。「最初の練習はかなり戸惑った」とジーコジャパン時代も日本代表候補だった佐藤寿人(広島)でさえ苦労していた。
続いて、3人でのパス回しから合図とともに1人が守備・2人が攻撃に入ってゴールまで行く練習へ。これが10分程度続いたと思えば、今度は選手のビブスを着替えさせてグループ分けを変更。3対3から3対4、5対5、6対6へと状況を変化させながらゴールを狙う練習へと移行していった。
途中から出てくる選手は自ら状況を判断し、声をかけコミュニケーションを取りながら参戦する。オシム監督は練習方法やミスをした時の指示などは入念に出したが、「ああしろ、こうしろ」とは一切言わない。「何をしたらいちばん効果的なのか自分で判断しないといけない。それが分かるようになったら人もボールも動くサッカーになるのに…」と鈴木啓太(浦和)も全てがうまくこなせない苛立ちを言葉にしていた。
練習開始から1時間が経過した頃には、7色のビブスに分かれた7対7+フリーマンに突入する。といっても、ビブスの色が複雑なだけで、この練習は実際には2組に分かれたゲームだと考えていいものだった。一方の組にはGK川口能活(磐田)、DF坪井慶介、田中マルクス闘莉王(ともに浦和)、MF三都主アレサンドロ、鈴木(ともに浦和)、中村直志(名古屋)、FW田中達也(浦和)、佐藤が陣取り、もう片方にはGK山岸範久(浦和)、DF栗原勇蔵(横浜FM)、駒野友一(広島)、MF小林大悟(大宮)、長谷部、田中隼磨(横浜FM)、FW我那覇和樹(川崎F)、坂田大輔(横浜FM)が入った。フリーマン役の山瀬功治(横浜FM)は攻め一辺倒の仕事を担った。
この7対7+フリーマンは、条件や組み合わせを変えつつ、数回にわたって行われたが、いずれもカウンターの意識が色濃く出ていた。三都主、田中達也、田中隼磨らに得点が生まれたが、どれも奪ってから少ないタッチ数でゴールまで持って行く形だった。
「僕らFWやDFは結構簡単だったけど、中盤は考えながらやることが多かった」と坂田は話した。当初は複雑なルールに戸惑っていた選手たちだったが、時間が経過するにつれて本来の持ち味を少しずつ出せるようになっていった。オシム監督はミスをした選手に手厳しい一面を見せたが、そんなキャラクターも選手は前向きに捉えている。「運動量も多いし、頭を使いながらやるのは大変だけど、このトレーニングはすごく面白い。楽しみながらやれてます」と中盤のキーマンになりそうな山瀬も充実感を漂わせていた。
練習前のミーティングでは、トリニダード・トバゴの数多くのゲームのビデオを見せたという。相手がどんな形で来ても、自分たちで判断しながら対応できるような「応用力」を身につけさせることをオシム監督は第一に考えているのだ。この複雑なトレーニングメニューからは今後のチームが目指すべき方向がしっかりとうかがえた。
まだ2日目ということで、オシム監督が求めるレベルの数パーセントしか消化できていないものの、若きジャパンはやる気に満ちている。新たなものを吸収しようという意欲、持ち前のスピード、飽くなき運動量で敵に向かおうとしている。まだスタメンは未知数だが、初戦への期待は初日よりも大きくなった。
以上
2006.08.07 Reported by 元川悦子
J’s GOALニュース
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