今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【U-21中国代表 vs U-21日本代表 レポート】反町ジャパンのスタートは2−0で中国に快勝!(06.08.08)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
■日中韓3ヶ国対抗戦
8/7(月)18:00キックオフ(日本時間19:00)
秦皇島オリンピックスタジアム
U-21中国代表 0-2 U-21日本代表
得点者:後半6分 本田圭(名古屋)、後半17分 増田(鹿島)
-----------
 反町ジャパンが上々の船出を見せた。初招集となった7月31日から実質5日間の準備期間を経て迎えた初陣U-21中国代表戦を2−0と勝利で飾った。

 北京五輪へ向け本気の強化を着々と進めるこのU-21中国代表には先手を取られてきた。2004年、日本がグループリーグで敗退したトゥーロン国際大会で中国はブラジルを下し3位に入った。その成果もあってか、 2005年、2006年と続けて大会からの招待を受けている。(日本は今年招待されず)同じく2004年AFCユースでは日本は3位で世界への切符を手にしたが、中国は決勝へ進出。韓国には敗れたものの2位に輝いた。ワールドユースでは、日本が決勝トーナメントに進出したもののお互いに実力を発揮し切れたとは言えず。昨年6月から11月のアグリバンクカップ参加はあったとはいえ実質一旦は活動が中止していた日本に比べ、中国はこの後も常に五輪を意識し活動を続けてきていた。

 また、既に多くの85年以降生まれ(つまりU-21)をA代表に送り込み、今回のチームでも4人がA代表経験者。今回は負傷のために招集が見送られたガオ林(上海申花)もA代表で主力級の働きを見せるFW。また前日に、大連実徳所属のA3参加選手もひとり呼び戻している。つまりこの年代が中国サッカーシーンの中心となりつつあるのである。

 その中国を相手に、立ち上げから1週間の日本が2−0と快勝。慢心してはいけないし、手放しで喜べることばかりではない。ただ、こちらは主力を数名欠く状態、しかもアウェイでの戦い・・・とマイナス要素も加わる訳だから、指揮官が試合後勝利を喜び、褒め過ぎかと思うほど選手を褒め称えたのも仕方がない。

 試合に臨んだのは、プレビューで述べた通りのメンバー。「そういうキャラじゃない」と指揮官自身も認める苔口の1トップで試合に入った。相手中国は4−4−2の布陣。右サイドからハオ俊ミンの攻撃と、ボランチに入った「あいつはガットゥーゾ(笑)」(反町監督)という崔鵬そして、A代表経験もあるGK王大雷などをチームの核に、とにかく前線からパワフルに日本ゴールに襲い掛かる。圧倒された日本は、容易に間延びし、特に前線苔口は元々ボールの収まるタイプでもないため孤立。後手に回り試合を支配される。クロスからあるいはミドルレンジから強烈なシュートを打たれGK西川に助けられることもしばしば。ただ、これも前半20分過ぎまでの話。飛ばし過ぎた中国は早くも動きを停滞させ始める。「粘り切った」と指揮官が表現した0−0で前半を終える。

 後半に入り、日本は「前線に当て1、2,3のリズム」と反町監督が表現するように前線に当て、そこから2シャドウやサイドを使うなどカウンター攻撃のリズムを掴み出す。「サイドが上手く使えるようになったからだと思う」と中村北斗が振り返るように、後半開始6分には、枝村が右サイドに飛び出しあげたクロスに左サイドから斜めに走り込んだ本田圭がふたりのディフェンダーをモノともせず頭で合わせて先制。この後ハオ俊ミンがセットプレーなどから惜しいシュートを放つも西川が止め、事なきを得る。そして、早くも17分には追加点。右サイド中盤を崩し、ウラに抜けた中村が中央へボールを送る。ペナルティエリア内右で受けた増田がボールをコントロール。角度のないところを上手くゴール右に突き刺した。その後も相手に決定機を与える事なく2−0で試合を終えた。

 この試合で何より新鮮さを覚えたのは、ひたすら走る。ポジションに関係なくチャンスと見るや攻めるフレキシブルな攻撃。また、球際での粘りや前線から追い込みも見違えていた。何よりA代表にも通じるであろう、サッカーの考え方がここでも見られたことだ。選手たちは、ここでのサッカーがA代表に直結することを強烈に意識しているし、既に言葉にも出し始めている。上につながるということ、さらなる目標が見えるということがこれほど選手を明確に駆り立てるものなのかと、目に見えることも新鮮であった。

 昨年一つも勝つことの出来なかったワールドユースから一年。「選手がでかくなってるなあって驚いた」と当時の指揮官、大熊清日本代表コーチも驚くほど見た目に成長を見せていた彼ら。一つ一つを恐る恐る判断し、守備こそ総力で行うが、攻撃なるや平山相太をまず探していた姿が消えた。自ら走り、攻める。まだまだ一対一の弱さ、ゴール前で躊躇する姿がある。対する中国の思い切りの良さと同時に目にすると、そのコンストラストは鮮やかだ。ただ、これから克服し、慢心にさえ気をつければいい。

 負けた事が奮起の材料になることもあれば、勝った自信が成長を加速させることもある。今回の勝利で必要以上の自信は禁物だ。大きな大会前の親善試合など負けた方が良いというジンクスもあるほどだ。ただ、長い準備段階のスタート、自分たちを過小評価する必要もない。これから2年間、堂々と前進できる、そんな第一歩を彼らは標した。

以上

2006.08.08 Reported by 了戒美子
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着