8月26日(土) 2006 J2リーグ戦 第36節
神戸 2 - 1 東京V (19:04/神戸ユ/8,378人)
得点者:'27 シウバ(東京V)、'54 河本裕之(神戸)、'89 田中英雄(神戸)
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今日の東京V戦までに神戸が喫した黒星8つのうち、6試合が先制点を奪われてのものだっただけに、正直、27分に東京VのFW平本に先制点を許した際は嫌な予感がした。しかも、立ち上がりこそ攻勢に出たものの、20分を過ぎると東京Vの堅守もあってか、いまひとつリズムが感じられない展開。ミスも増え、そのミスを奪った東京Vにヒヤリとさせられるシーンも見られる。そんな中で27分、東京VのFWシウバが先制点。これにより「先に先制点を奪うことが大事(DF北本)」と話していた神戸のプランは崩れ、かつ、前半終了間際には、DF丹羽が2枚目のイエローカードで退場に。前回の対戦時にもDF柳川が退場となった神戸が、またしても数的不利な状況を強いられての戦いになる。
数的不利、しかも1点のビハインドを追いかける苦しい状況下で迎えた後半。FWシウバに代えてMF大橋を投入した東京Vに対し、神戸はMF栗原を下げ、Jリーグ初出場のMFガブリエルを投入。中盤はMF三浦をボランチの真ん中に据え、右にMF田中、左にMFガブリエルを置き、前線をFW近藤とMF朴の2枚にして4-3-2の布陣を敷く。プラス、一人少ない分の運動量を残りの選手が補うかのように一人一人が運動量と役割を増やしながら前への姿勢を示す。特にワイドのFWがいなくなったことで、両サイドバックのDF北本、DF坪内は縦への動きを増やし、効果的な攻め上がりからチャンスを作り出そうという姿勢を示す。
そんな中、神戸に同点弾が生まれたのは54分のこと。ハーフタイムには「失点さえしなければ、絶対に取り返せる」という強い激で仲間を励ましたMF三浦の左CKにあわせて飛び込んだDF河本がドンピシャのヘディングシュート!東京Vにしてみれば注意していたはずの立ち上がりの時間帯に、神戸は試合を振り出しに戻す。
となれば、神戸は俄然ヒートアップ。後半からの投入でスタミナの残るMFガブリエルを積極的に攻撃に絡めながら勢いを示す神戸。58分にはそのMFガブリエルが思い切りのいいミドルシュートを放つが、これは右ポストを直撃しゴールにはならず。61分にはMF田中からの右からのパスにFW近藤が中央からシュートを放つもこれは立ちはだかったDFに当たってバーを越える。これに対し、東京Vは63分にMF金澤に代えてMF永井を、66分にMF菅原に代えてFW齋藤を投入。前線に走れる、元気のいい選手を増やすことで追加点を奪いにかかるが、神戸の身体を張った必死のDFもありゴールを打ち切れない。
残り15分を切っても、めまぐるしく両者の攻守が入れ替わる展開はかわらず。数的不利な状況ながらバランスを保った攻守を展開する神戸に対し、東京Vは何とか数的優位の状況を活かそうと、ボールを動かしながら神戸ゴールに襲いかかるが83分、FW平本が左サイドのクロスにあわせて放ったヘディング弾は右ポストに嫌われてゴールにならず。対する神戸は84分にFW近藤に代えてFW平瀬を投入し、サイドを使った展開からゴールを目指すも、最後のツメが甘い。
だが「今日の試合の重要性をみんなが理解していた神戸」にとって欲しいのは勝ち点3。だからこそ、神戸イレブンの足は止まらない。もちろん、サポーターの声援も途切れない。そうした全員の執念がゴールを導くかのように逆転弾が決まったのは、ロスタイムに突入した89分。MF朴のシュートが相手DFに当たり、そのこぼれ球を詰めていたMF田中が右足でゴール。結果、数的不利の状況をものともせず、勝ち点3を求め続けた神戸が、執念で勝利をもぎ取った。
試合後、既報通り、スウェーデンへの帰国が決まったバクスター監督が、スタンドのファンに挨拶。たどたどしさはあるものの、だが、心のこもった日本語で語りかけ、それに対しサポーターが『バクスターコール』。選手もそのサポーターの声援にあわせて一緒に手を叩き、スタジアムが一体となってバクスター監督を送り出した。「ワタシハ、コウベヲアイシテイマス。マタ、ミナサンヤ、ナカマニアウコトヲ、タノシミニシテイマス。ミナサン『サヨナラ』トハ、イイマセン。『マタ、アトデ』ト、イワセテクダサイ」。
以上
2006.08.27 Reported by 高村 美砂
J’s GOALニュース
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