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【J2:第36節 徳島 vs 鳥栖 レポート】少ないチャンスの中でも、両者ともに『決定力』を見せた一戦。ただ軍配は、その数で徳島を上回った鳥栖に。(06.08.27)

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8月26日(土) 2006 J2リーグ戦 第36節
徳島 1 - 2 鳥栖 (19:04/鳴門/2,438人)
得点者:'50 新居辰基(鳥栖)、'81 挽地祐哉(徳島)、'83 高橋義希(鳥栖)
★ハイライト&会見映像は【こちら】
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この一戦、決定機と言えるほどのシーンは両チームとも数えるほどであった。シュート数こそ徳島が10本、対する鳥栖が13本ととりわけ少なくはないが、得点のにおいがしたそれはほんのわずか。互いに攻撃におけるいい形を作りあぐねた一戦であったと言えよう。

しかし、そのような中でもチャンスを2度きっちりとモノにしたことで鳥栖が勝利を手にした。鳥栖としては、内容には不満が残るだろうが、それでも少ないチャンスを活かしたアウェイでの勝利という意味では満足のいく結果であるはずだ。逆に徳島も、わずかなチャンスを逃さず同点にまでは追いついた。が、あと一歩の粘りを発揮出来ず、勝ち点を得られなかった。しかも、同点として「さぁこれから」という時に自らのミスが足掛かりとなって再びリードを許す苦い展開。ゴールを決めた挽地も「同点にした後はまず我慢すべきだった」と戦いを振り返り、この敗戦を大いに悔やんだ。

決定機をほとんど作れなかった両者、特に前半はそれがハッキリと出ていた。中盤では激しくボールを奪い合うものの、ゴールへ向けての組み立てとなると変化や工夫が見られず、ともに相手ディフェンスを混乱させるまでにも至らない。敢えて前半の得点機と言えるシーンを挙げるなら、立ち上がり早々に徳島が見せた攻撃の1度だけではなかっただろうか。ジョルジーニョが羽地とのワンツーで抜け出し、ペナルティエリア内右からフィニッシュ。シュートは残念ながら枠をとらえられなかったが、あと一歩と思えるいいチャンスではあった。

しかしながら、後半を迎えると、それまでやや劣勢かと思われた鳥栖がこの試合初めてチャンスらしいチャンスを掴み、そしてそれを確実にものにする。50分、左サイドから中央へと素早くボールをつなぐと、最後はこれをFW新居がしっかりと決めた。「ボールの動きが遅い」という松本監督のハーフタイムの指示によってすぐさま修正したチームの取り組み、そして絶対的なエースの『決定力』がもたらした価値ある先制点だったことは間違いない。

対して徳島は、先制点を奪われる直前に攻撃の核であるジョルジーニョが退場となったことで、それ以降は全くと言っていいほど攻め手が見い出せない。前線の羽地へボールが渡らず、時おりキープできた時でもフォローがなく孤立する場面が続いた。ただ81分に迎えた場面では、人数をかけてボールをつなぎ、上げたクロスからとうとう同点ゴールをもぎ取る。まさにワンチャンスをものにした貴重な同点弾、しかも課題であった『決定力』を克服した価値あるゴールだったと言えるだろう。

こうして少ないチャンスを1度ずつ得点に結びつけた両チームだったが、その後勝負の明暗を分けたのはまたしても鳥栖の『決定力』であった。同点とされた直後に得たFKから、こぼれ球をMF高橋が難しい体勢になりながらも見事なボレーで決めて見せた。

ただ、前にも触れたように、徳島にとってこの失点は自らのミスが招いたものであったことは見過ごせない。与えたFKは、奪ったボールをつないでいこうとしたところでFW小林が軽率なパスミスをしてしまい、それをリカバーするために小林自身が犯したものであったのだ。それを見逃さずゴールへと結び付けた鳥栖のしたたかさは賞賛に値するが、徳島について言えば、こういった部分を解決しなければ最下位からの脱出もなかなか難しいものとなるに違いない。

数少ないチャンスの中でゴールを奪い合ったことから見れば、戦前に勝負のポイントと予想された『決定力』という部分においては、両チーム一応しっかりと結果を出したことにはなる。とは言え、どちらにとっても満足いく内容であったわけではない。もちろん敗れた徳島にとってはなおさらだろう。次節に向けてどのような立て直しをするか、注目していきたい。

以上

2006.08.27 Reported by 松下英樹
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