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【J1:第20節 福岡 vs 千葉 レポート】方向転換も決定力不足とアラートさを欠いて4連敗。福岡の苦悩は続く。(06.08.27)

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8月26日(土) 2006 J1リーグ戦 第20節
福岡 1 - 3 千葉 (19:00/博多球/17,738人)
得点者:'2 ハース(千葉)、'68 羽生直剛(千葉)、'82 山岸智(千葉)、'89 布部陽功(福岡)
★ハイライト&会見映像は【こちら】
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「今日は完全な勝ち試合。中盤はこちらが支配してシュートも約3倍打った」(川勝良一監督・福岡)

確かに、サッカーの内容では福岡が上回っていた部分は多い。しかし、川勝監督の記者会見でのコメントを聞いて納得する福岡サポーターは少ないだろう。チャンスは作れるけれども決定力不足でゴールを奪えずに思うように勝ち点が伸ばせない。それこそが数年にわたる福岡の課題だからだ。過去、勝てないたびに聞かされてきたコメントと同じフレーズは、その課題がいまもなお解消されていないことを物語る。

また、この日は攻撃的なサッカーではなく守備を意識したサッカーを展開。中盤で相手を複数で囲い込むシーンも見られるようになり、守備は一時の絶望的な状況からは脱した。しかし、それでも3失点を喫したのは、ディテールの部分を抑え切れなかったから。これも堅守を誇った頃からの課題で、守備面でも状況に変化がないことが明らかになった。結局、現段階ではシーズン途中で断行した監督交代の効果は攻守にわたって表われていない。

それどころか、川勝監督が修正点として挙げた決定力不足の解消と無失点で抑える守備は、監督交代前にチームが目指したのと同じ道。監督交代の意味さえも不明確になりつつある。そんな中で布部陽功が挙げた意地のゴールは何かを訴えているように思えた。勝てない情けなさ、試合に出られないふがいなさだけに留まらず、福岡が置かれているあらゆる状況に強く抵抗するかのような気迫溢れるゴール。その気持ちが福岡を変える「最後の切り札」になるのかもしれない。

一方、千葉が見せたパフォーマンスは決して本来のものではなかった。持ち味である長い距離を走ってスペースへ飛び込むシーンはほとんど見られずに攻撃が停滞。守っても福岡にプレッシャーをかけられず、自由にボールを回された。連戦の疲れ、蒸し暑いピッチの上、そういった状況が彼らから運動量を奪い去っていたのかも知れない。しかし、そんな中でも終わって見れば3−1と結果を出したところに、この試合の意義があった。

リーグ戦は山あり谷あり。コンディションが整わないときもあれば、流れが悪いときもある。そんな状態のときに、どれだけコンスタントに結果を手に入れられるかで強いチームと、そうでないチームとが分かれる。多くのピンチを招き、わずかなチャンスしか手に入れられなかったが、要所を押さえた戦い方は福岡とは対照的だった。「勝ちに値する試合ができた」とアマル・オシム監督が試合を振り返ったのは、そういうことを指してのことだったのだろう。

連敗を2つで止めた千葉の次節の相手は川崎F。4連戦の最後の試合はフィジカル的には非常に厳しいものだが、この試合を制することでチームは上昇気流に乗ることが出来る。「今日の試合だけじゃなく、毎試合集中しながら我慢強くサッカーをすることが、これからは大事」(巻誠一郎)。考えて走るサッカーを実直なまでに実行するのが千葉のサッカー。自分たちのサッカーを追及することで頂点を目指す。

以上

2006.08.27 Reported by 中倉一志
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