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【J2:第38節 仙台 vs 柏 プレビュー】休み明けの仙台は背水の陣。首位の柏を迎え、今季の行方を決めかねない大きな一戦に挑む。(06.09.08)

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9月9日(土)J2 第38節 仙台 vs 柏(19:00KICK OFF/ユアスタ)
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-スターティングメンバーは、試合開始約2時間前に各試合のスコアボード「試合詳細」に掲載されます-
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 この時期の記事は、やたらと数字が並ぶものになりがちだが、致し方ない。
 仙台が休みの間、首位の柏は大勝して、仙台との勝ち点差は14に。2位3位の直接対決を制した神戸と仙台の間は、これで勝ち点差12まで開いた。3位横浜とは9ポイントの差である。
 上位4チームの残り試合数は揃って14。J1というゴールを目指し、最終のストレートを目前にした昇格レースにおいて、現在仙台は、ただの「好調」程度ならばフィニッシュライン付近の歓声にすら届かないほど、スタート位置が後方に追いやられている状態だ。求められるのは、驚異的な末脚。それをもって、逆転で昇格の悲願を成せたのならば、J2の、そして仙台の歴史に名を残すことになるであろうほどの猛追を、仙台は課せられている。

 今節仙台がホームに迎える相手は首位の柏。前節はホームで湘南を、後半一気の4ゴールで粉砕、勢いに乗る上に、出場停止の選手がいない(前節負傷で退いた山根の出場こそ微妙だが)という完全に近い状況でやって来る。
 しかし、残りシーズンでの逆襲のために、何かしらの起爆剤があればと願う仙台にとって「強大な敵」とこのタイミングで対峙できることは、決して悪いだけの話ではない。ここで勝利を上げられれば、確実に単なる1勝以上の高揚感を得られるはず。
 今節勝ち点を取り逃がせば、昇格への赤信号が点滅ではなく点灯へと変わる。そういったマイナスへの影響も含めて、仙台にとっては今シーズンの行方を決めかねない、文字通りの大一番がやってきた。

 この一戦に向けての2週間、仙台はジョエル サンタナ監督曰く「常にハードな練習」をこなしてきた。「そこで選手たちが見せた激しさや情熱などを(柏戦の)ピッチ上で見せないといけない」と監督は語る。
 そんなトレーニングを経て、柏戦に向けて監督が出した答えの一つが、満を持しての大柴スタメン起用である。今季初出場となった35節の横浜FC戦、途中投入でピッチに入る大柴に向けられた声援は、誇張ではなく現実にスタジアムを揺らし、悩むチームを救ってくれるはずというサポーターの期待が伝わってくるものだった。その大柴がこの決戦で、ついに今季初のスタメン出場を飾りそうだ。
 当の大柴は「あまり僕一人に期待してもらいたくない」といつものテンションだが、それでも紅白戦では、1トップ気味にボルジェスを残し、その一列下に並ぶ大柴、ロペス、梁の3人が頻繁に繰り返すポジションチェンジの発生源として、水を得た魚のようにピッチを幅広く動き回っていた。「(ポジションチェンジの)質や量はまだ高いレベルにない。味方の動きや考えを予測しながら、もう少し効果的にやる必要がある」というコメントも、こうした動きには定評の有る大柴だからこそ説得力があるが、とはいえ前線の流動性という点がこれまで極端に欠けていた仙台なので、紅白戦での光景は言いえぬ新鮮味があった。
 確かに、大柴一人に爆発的な攻撃力があるわけではない。しかし彼が入ったことで、チームの攻撃全体において、わずかに、しかし確実に変化は見え始めている。

 一方で、柏のストロングポイント(そして仙台が警戒すべきポイント)は、ディエゴとリカルジーニョが居並ぶ中盤センターになるだろうか。ディエゴは(FW起用の時期もあったが)、中盤からゴール前への馬力溢れる顔出しを活かして、押しも押されぬクラブ得点王。リカルジーニョも序盤はケガで出場していなかったにも関わらず、ここまで6ゴールと得点力を持っている。
 こうした柏によるバイタルエリア付近の脅威を、千葉や熊林のボランチ陣がどのように跳ね返すかは、試合の結果を分ける大きな要素となるだろう。思えば千葉は、柏サッカー場で行われた前回対決、直前の試合で受けたレッドカードの影響で出場できず。そんな状況で仙台は後半ロスタイム、ディエゴにこのエリアから決勝点を奪われ敗れた。最近の試合では若干精彩を欠いていた千葉だが、この試合で与えられる仕事は大きい。

最後にもう一つ鍵になるとすればセットプレー。仙台はここ2試合、CKから失点を許しているのに対し、柏はここまでDFながら8ゴールの岡山を筆頭に、セットプレーで強さを誇っている。一方で直接FKでは、仙台は様々な球質を持つキッカーを揃えており、相手GKに十分脅威を与えられる。かかるものが大きい試合ほど、セットプレーが結果を左右することも少なくないだけに、この点も見逃せない。

 ともかく一つ言えることは、柏にとってはいざしらず、仙台にとってこの試合が「内容を度外視してでも勝ちのみが求められる一戦である」ということ。サンタナ監督が「綺麗なプレーを求めるのではなく、ガッツを見せて勝たなくてはいけない」と言えば、「大事な試合ほど燃える」と心境を隠さない熊林も「内容が良くて負けたら意味がない。この試合に関して言えば、勝てればそれだけで問題ない」と言い切っている。

 仙台サポーターの気持ちを思えば、「決戦」と呼ぶべき試合は11、12月辺りに来てほしかったことだろうが、事態はそれを許してくれなかった。

 とはいえ決戦とあらば、クラブ一丸となって戦う以外に道はないはずだ。
 9月9日、背水の陣の仙台が、柏を迎え撃つ。その一戦は間違いなく苛烈を極める。

以上

2006.09.08 Reported by 佐々木 聡
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