9月9日(土)J1 第22節 広島 vs 名古屋(18:00KICK OFF/広島ビ)
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ハーフコートの中に11人対13人。常にトップチームの人数が少ない中で、練習は進められていく。当然、選手間の距離は常に狭く、ボールを持っている選手はいつも厳しいプレスにさらされることになる。
トップチームの選手たちは常に数的不利な状況にあるわけだから、パスを通そうとすれば複数の「受け手候補」たちがしっかりと動いてパスコースをつくることがまず必要。さらにパッサーも周囲をしっかりと見渡してパスコースを確認し、フェイントやダイレクトプレーなど、一工夫しながらパスを出さないと、相手に易々とカットされてしまう。
今週、広島が重点的に行った練習はこれだ。もちろん、一義的には明日に迫った名古屋戦に向けての対策である。「名古屋は中盤で厳しいプレスをかけてボールを奪い、そこからスピーディな攻撃をしかけてくる。守備の意識も高く、相手ボールになったら1トップを残して全員が守備に入ってくるチームだ」
広島・ペトロヴィッチ監督は、1ヶ月半前に自らのJデビュー戦で闘った相手を、そう分析している。こんな特徴を持つチームを相手にする場合、当然こちら側に与えられるスペースも狭い。それに対応するには、常にプレッシャーがかかっている状態に慣れていることが肝要だ。だが、これは対名古屋だけに限った話ではなく、現代サッカーにおいては普遍的なことと言える。
また、この練習だと、選手たちが「サボる」ことが難しくなる。フルコートであれば、選手が少々さぼっていても、それほど目だたない。しかし、ハーフコートの中に24人もの選手がいれば、常にポジションを修正して攻守にゲームにかかわらないと、間違いなくチームメイトに迷惑をかけるしゲームに参加できない。必然的にゲームの中での運動量は多くなり、常にダッシュを繰り返す状況が生まれる。これは、広島が目指す「考えて走るサッカー」を身につけるためにも、意義深い練習と言えよう。
つまり、ペトロヴィッチ監督の目的は名古屋の戦術に対応することではなく、チームにとってベースになるはずの「自分たちのサッカー」の構築と徹底なのだ。
「自分たちのサッカーをやる」
これは、指導者や選手たちがよく使う言葉ではあるが、ではそれを徹底してやりぬこうとしているチームが、どれほどあるだろう。一握りの強豪をのぞき、多くのチームは相手の戦術に合わせた対処療法的な闘いに終始している。確かに、目先の結果は欲しい。まして、J2降格があるJ1の場合は、より一層「結果」へのこだわりが強くなる。
もちろん、広島もまだJ1残留争いに参戦しているのだから、ペトロヴィッチ監督も目先の結果はほしい。しかし、それと同時に、チームのベースとなるもの・迷った時に戻ることができる場所をつくらないと、シーズン終盤戦を闘っていけない、という想いもあるわけだ。だからこそ、彼は徹底して「自分たちのサッカー」にこだわるのだ。
名古屋は、再開直後こそ連敗したものの、そこから4連勝。ノルウェー代表FWヨンセンの加入によって得点力が一気にあがった。数字を見ると、ヨンセン加入前の1試合平均得点が1.00。それが加入後の6試合ではなんと2.83まであがっている。ヨンセンの後ろから飛び出すシャドーストライカーの杉本恵太・津田知宏のスピードコンビが与える脅威はなかなかのものだ。さらに、両サイドで起点をつくる中村直志・本田圭佑のテクニックやプレースキックも効いている。
ただ、この3試合で9失点と守備が崩れている傾向にあり、レギュラーDF大森征之が今節出場停止なのも痛い。また、ヨンセンと中村がそれぞれ代表チームに参加しており、帰国が今日ということでコンディションに不安がある上に、玉田もケガから戻ってくることが厳しい状況にある。もっとも、一方の広島も佐藤寿人・駒野友一が日本代表に招集され、ウェズレイにも疲れが見える。連勝の原動力となった青山敏弘や柏木陽介の若いMF陣も、決して盤石ではない。
どちらも不安材料を抱えてはいるが、ただそれを言い訳にはできない「J1残留争い」という現実が、彼らには存在する。そして、この試合に勝利した方が、残留争いから一歩抜け出せる可能性が高まることは間違いない、つまり明日の闘いは、両チームとも絶対に勝ちたい試合である。
しかし、ペトロヴィッチ監督は、名古屋のヨンセンに対する対策や強力なサイドからの攻撃に対し、特効薬を講じるつもりはない。「自分たちのサッカー」の精度を高めそれを徹底することで、名古屋相手に堂々とぶつかっていくつもりだ。
以上
2006.09.08 Reported by 中野和也
J’s GOALニュース
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