●KIRIN WORLD CHALLENGE キリンチャレンジカップ2006
10月4日(水)19:21/日産ス/52,437人
日本代表 0−1 ガーナ代表
得点者:73' ドラマン・ハミヌ
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●オシム監督(日本代表):
Q:1タッチで早くつないでシュートまでという場面が何度かあったと思うがそれはどう評価する?
「あなたはどう思いますか?一番大事なことはチャレンジをすることです。ガーナのような強敵を相手にこういう内容の試合をするということは簡単ではないと言うことです。ある程度のところまでは何回かチャレンジが成功しましたが、それをフィニッシュまでつなげることはできませんでした。前にも言いましたが、フィニッシュが一番の問題です」
Q:ここ数試合、後方からのビルドアップが課題だと思います。今日ガーナがいいレッスンを与えてくれたと思うのですが、これを打開するためになにが必要だと考えますか?
「良い教訓ともいえますし、そうでないともいえます。途中までですが今日、私たちのチャレンジは少なくとも何回か成功しました。ですが、ガーナのような強敵とやるのは初めてで、こういった試合でそれができるかと言うと、例えばDFラインの5人は4つの異なったチームから選ばれた選手達です。ですから、彼らがミスがあったとしてもトライしたことを評価したいと思っています。ただ、あなたがお気づきになった点は選手も分かっていると思います。私は昨日も家をつくるときは土台が大事だと言う話をしたばかりなんです」
Q:フィニッシュが満足できないなかで、すぐでなくても欧州でやっている選手がそういうフィニッシュに入ってくれればもう少し強い戦いができるのでは?と思うが。
「具体的に誰のことを指しているのでしょう?(例えばFKの場面で中村俊輔選手がいたら点を取る可能性がもう少しあがるのでは?)試合開始前に今日は10個のFKがありますと約束されているわけではないので、FKをとるまでのプロセスも大事なわけです。昨日の練習もご覧になったと思いますが、遠藤に注意をしたことに気がつきませんでしたか?練習でそんなにいいシュートを決めるなと遠藤と三都主に注意をしたんですよ。で、今日の試合なんです。実践ですからプレッシャーもある、観客もいる、ガーナの選手の壁は大きいというなかで、どういうFKをしたかと。ですから、FKに関してはそんなに心配することではありません。
それよりも、それも含めてですが毎日眠れない心配事があるんです。なぜかというと心配事に加えて彼らの(欧州組)試合が夜中に放送があるからなんです。今日の試合は日本の選手をテストしている段階です。欧州の選手は毎週ガーナの代表ような選手を相手にプレーをしているわけです。そういうチャンスがない日本の選手の力を試す機会として、その方が良かったと思います。
今日はランキングにふさわしい力があるのかと言うことは分かりませんでしたが、もっとできる、まだ伸びるという可能性を感じたのではないかと思います。ガーナと比べて日本がどこならば優れているのかと言う比較もできました。戦術面は問題ない。個人スキルは少し問題がある。オプションのクオリティの高さアイディアの抱負さ、アイディアをプレッシャーの中で出せるかということ、日本の選手はプレッシャーのない中ならアイディアを実行できるが、大事なのはプレッシャーの中で実行できるかと言うことです。そこに大きな違いがあります。勝ち負けの差をつけるには十分な差です。しかし、良い面も小さなものですが少しはありました。気がつくと前進の可能性を見ることができます」
Q:今日のガーナのような浅いラインに対する指示は出したのか?
「いちいち細かい指示はしませんでした。彼らから顧問料をもらっているなら話は別ですが。試合開始直後に彼らの4バックがラインディフェンスでオフサイドトラップをかけてくることは分かりました。ですからそれに対応するためにはもう少し慎重であった方がよかったかもしれません。事実上3トップで試合を始めたのは勇気を出しすぎたかもしれません。ですから大変強い相手に、日本は立ち上がりは非常にオフェンシブに試合を始めたと言えると思います。その結果が出たかでなかったかはまた別の問題ですが。将来もこういうやり方で積極的なやり方をしていきたいと思っています。昨日ももしかしたら4トップで行くかもしれないと話したでしょう?いずれにしてもチャレンジをしなくては力試しはできませんから。
遠藤は今日、一生懸命走ろうとしてチャレンジし、ある程度走りました。私はそれをみてもっとやれと言えばもっと走ると思いました。中村も同じです。試合中に走ることで死ぬことはないと常々申し上げています。もっといいプレーをするためにはもっと走らなくてはならないということです」
Q:選手のオートマティズムに対する評価は?
「私は結婚して40年になりますが、まだ家内との間にオートマティズムというのはないんです。それなのに選手はわずか2,3ヶ月でどうやってオートマティズムが生まれるというのでしょう?3日間のトレーニングを数回やっただけで、オートマティズムができるとお思いですか?しかしそれなしでいい試合をすることができないというのも事実です。
ですからそのためには選手がもっと頻繁に集まって、同じ場所で同じトレーニングをする機会が増えなくてはいけないと思います。今日のように5人の選手が違うクラブから来ていて1度でオートマティズムができたら奇跡ですね。(近々集合する機会を作りたいと言う希望は?)私の知っているスケジュールにはその予定は書き込んでありませんので、あまり可能性があるとはいえません。J1リーグは大詰めで一つ一つの試合が白熱してきて、そういう中で優勝争いをしているチームから選手を預かっているわけです。彼らは彼らの目標があり、それは尊重しなくてはいけないと思います」
Q:3トップで攻撃的にスタートしたとおっしゃったが、相手の両サイドバックのケアをする形でむしろ守備的な布陣にみえた。相手に合わせたりアクションが多くなった印象を受けたが、ホームだし積極的にゲームを作っていく形は想定していなかったのか?
「スタメンを見てもらえれば守備的でないことは分かると思います。もし守備的にいくのであれば佐藤勇人、田中隼磨などを起用し、巻のワントップという戦い方をしたと思います。サイドについていえば、現代サッカーで攻撃も守備も両方できなくてはいけない。前線の選手が相手のサイドバックが上がってきたのをケアしなくてもすむというならいいが、システムはそうではなかったわけです。
例えば山岸が先発したことでたくさんのチャンスが生まれましたよね?もちろん彼はディフェンスもしました。佐藤寿人は2,3回惜しいチャンスがありました。巻にもいいパスを出していた。巻も何回かトライをしました。それを見た上で守備的だというのであれば仕方ありません。
例えば三都主や駒野はシステムから言えばDFですが、彼らが何回シュート、シュートチャンスを作ろうとしたか数えましたか?もし守備的ということであれば、彼らはシュートやラストパスを上げる位置まであがらなくてもいいわけです。DF専門であればいいわけですから。ちょっと言葉はきつかったかもしれませんが、サッカーは日々進歩しているわけです。
選手によく伝わるように記事を書いていただきたいのですが、攻撃も守備も両方できる選手でなければその選手の未来は短い。それが現代のサッカーのトレンドです。例えば山岸、佐藤寿人、駒野など色々な名前をあげましたが、誰がどの名前かということは重要ではないんです。サッカーではそこでチャンスか、スペースがあるか、あるいはピンチか、相手がどのディスタンスで迫っているか、ということにすばやく反応して攻撃をしたり守備をしたりと、すばやく切り替えられる選手。それが大事なんです。ですから、そこを見ていただきたかったと思うんです。3トップが全然ディフェンスをしなくてもいいというのが攻撃的というのとはまた違うわけです。もちろんトップですから攻撃をするのが仕事ですけれど。
ただし、私が今日の試合に満足しているとは思わないで下さい。負けたわけですから満足はしていません。ですが、なにか前進するヒントがこの試合にあったか、探しているところです。ひょっとすると欧州組の選手を呼ばない時間が長すぎるかもしれませんけれども、欧州ははるか遠い場所にあるわけです。他にどうしようもなくなった時に最後のチャンスをもたらす人々として彼らが助けに来てくれる、そういうための準備をしようと思っているわけです。もし欧州組の選手を呼んで、それで最初の試合に負けてしまったら、彼らは救世主としての役割を果たせないわけです。ありがとうございました」
以上















