第86回 天皇杯全日本サッカー選手権大会 3回戦
山形 6-2 三菱水島(13:00/1,804人/山形県)
得点者:'12 レアンドロ(山形)、'14 高松健太郎(三菱水島)、'27 渡辺 匠(山形)、'30 内山俊彦(山形)、'55 レアンドロ(山形)、'59 レアンドロ(山形)、'63 原 竜太(山形)、'70 川口正人(三菱水島)
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●樋口靖洋 監督(山形):
「まず、リーグ戦が9月中の6試合、なかなか勝てなかった状況のなかで、月が変わって、大会こそ違え、大事な公式戦をしっかり勝って次の4回戦に進めたということを率直によろこびたいと思います。得点は今日は6点ということで、もう少しチャンスがあっただけに決めなきゃいけない部分はあったと思うんですが、ただ点数の取り方として、取るべき人間、レアンドロがハットトリックした、クロスから渡辺匠が取ったもの、それから最後の6点目の原竜太が取った得点、このへんはトレーニングでかなりやっていて、うまくいっている部分が実際の試合で表現できたというところはしっかりとよろこびたいし、セットプレーで取れたことも次のリーグ戦に向けていきたい。その得点の取り方に関しては非常にいい状態だと思っています。
ただ、ちょっとすっきりしない部分としては、失点。2点取られたこと。この部分はしっかりと受け止めなきゃいけない。しかも1点目は、得点したあとの5分間をしっかりとコントロールしようという話をしていたにも関わらず、その時間帯にやられたこと。それと点の取られ方として、アンラッキーではなくて崩されているという部分はしっかり修正しなきゃいけないと思っています。三菱水島は、特に中盤でのパス回しがワンタッチでテンポよくボールが回って、なかなか取りどころを絞らせてくれなかった。そのへんのところは、逆に我々も少し、余裕がありすぎたことがあるんですけども、止めて考える時間をどうしても持ちすぎて、リズムをつくれなかったところは、逆に三菱水島のほうのテンポのいいパス回しを見習わなきゃいけないと、ゲームを観ながら感じてました。
いずれにしても、リーグ戦でなかなか結果が出ないなか、この勝ちをしっかりときっかけにして、札幌、神戸、鳥栖、そしてダービーと続くこの10月のリーグ戦をしっかりと勝ち点3を狙って、チーム一丸となって戦っていこうと思っています。そのきっかけにするゲームとして、今日は考えています」
Q:天皇杯の目標は?
「これはトーナメントなので、目の前の1試合1試合に全力を尽くして戦っていく。その結果として、今日を含めた6試合を戦えれば優勝というものがある、という位置づけです。やはり、選手たちにはJ1をひとつでも多く倒す。その結果として優勝があるわけですから、J1をひとつでも多く倒すということで我々の力を示そうということを求めていますし、選手には話をしています」
Q:今日のメンバーはベストに近い布陣だと思いますが、その意図は?
「これも同じように、選手たちには10月、11月、12月と、天皇杯、リーグ戦、そのときのベストメンバーを組んで常に勝ちを狙っていく。そうすることで我々チームとしての成長、個人としての成長があると選手には話しています。そういう意味で、今日はこういうメンバーを組みました」
Q:レアンドロ選手の動きについて
「怪我明けでこの間(9月30日・横浜FC戦)は45分、1週間置いて今日はほぼ60分だったんですが、点を取る感覚、この部分については彼のいいものが出てると思います。それと中盤に引いてきてプレーすることが多いのですが、そこでアクセントになっているんですが、今日はそこで持ちすぎの部分、ちょっとリズムを崩す部分がありました。このへんは周りとの兼ね合い、本人のコンディションが上がることによって、シンプルにはたいてゴール前ということを求めていかなきゃいけないし、彼にはそういうことを要求していこうと思っています」
Q:リーグ戦ではJ1昇格は厳しい状況だと思いますが、去年の順位の5位以上の目標は視野に入れているのか?
「当然、可能性のある限りというのは当たり前なんですが、ひとつひとつ勝つことしかない。ひとつひとつ勝ち点3を積み上げていく。その結果が昨年の順位を上回るかどうかだといったところで、順位に関しては相手があることなので、上が負けない限りはダメですけど、ただ上位との対戦が残っているので、それをひとつひとつ戦っていく。その結果として5位以上をめざせればいいし、それ以上に勝ち点で昨年を確実に上回ろうと。試合数が増えた分、当然上回らなきゃいけないんですけども、勝ち点というところに目標の数字を置いて、その結果としての順位だととらえています」
Q:攻撃面ですが、早いパス回しからサイドへ展開という攻撃の形についてはどのように見ていますか?
「いくつか、テンポのいいパス回しからサイドを崩すというのがここのところトレーニングで強調してやっていることなので、それが表現できたというのは一定の成果として評価したいと思います。ただ、もっとできるなというのがありますね。最後のところ、崩してるんですけれど打ち切れないで終わっている部分、それから、もっとチャンスがあったので確実に決めなきゃいけない。仕上げの部分としてはもう少し精度を高めなきゃいけないと思ってます」
Q:2失点の原因はどのへんにあると思いますか?
「攻守の切り替えが、特に前半遅かったと思います。しっかりとブロックをつくらなきゃいけないポジションに戻ってディフェンスをするというよりは、相手のミス待ち的なところを感じますね。選手たちはもちろん一生懸命やっているんですけど、このぐらいで大丈夫だろうというあいまいなポジションが前半は多かったかなと、そのへんが原因になっていると思っています」
Q:6点目を取ったあと、なかなか次の得点がなかったのですが、その要因はどこにあると考えていますか?
「6点取ったあともチャンスがなかったわけではないというふうに思っています。少し全体が落ち着いてしまったかなという印象はありますね。特に後半のスタートから『次の1点、次の1点』ということで送り出しまして、いい時間帯に点も取って、6点を取った時点で少し全体が落ち着いてしまったというか、少しほっとしたところがあるのかと。それで少し後ろでもパス回しが多くなったり、人が前に出ていくケースが減ったのかなと思っています。ただ、そのなかでも、代わって入った氏原を起点にしたりだとか、佐々木勇人が、今日は(中盤の)中のほうで使ってみたんですけども、そこでのボール展開からチャンスをつくるという部分も引き出せた。それと、臼井を右サイドに上げたことで右サイドから再三形もつくれたということでは、得点は決めなきゃいけないんですけども、ある程度形はつくれたと思っています」
以上













