●AFCアジアカップ2007予選大会 グループA
10月11日21:10キックオフ(日本時間)/インド・バンガロール
日本代表 対 インド代表
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「先発だったことに驚きはない。かといってほかのメンバーと遜色ないとも思わない。自分がやれると思ってしまったら落ちてしまう。日本代表はそういう場所だと思っている」
4日のガーナ戦で国際Aマッチデビューを果たした21歳のDF水本裕貴(千葉)。久しぶりに台頭してきた新世代のセンターバックは、高い身体能力を誇るガーナのストライカー・ジャンをマンマークする大役を担った。いきなりの初先発。しかも2006年ドイツW杯ベスト16進出国のFWを消す仕事だ。やはり重圧がつきまとっただろう。けれども彼には緊張も興奮もなかった。冒頭の通り、試合後に発した言葉もプレースタイルそのままに淡々としていた。
「今の日本には長身で敏捷性の高いセンターバックタイプの選手が少ない」と懸念材料を口にするオシム監督にとって、若く伸び盛りのDFの登場は心強い材料に違いない。自身が2年半、手塩にかけて育てた選手だけに、期待はより大きいはずだ。
水本が頭角を現したのは、三重県の無名チームだった三重高(松阪市)時代。大熊清監督(現日本代表コーチ)率いるユース日本代表に抜擢されたことで、サッカー界では確実に知られる存在になった。高校卒業時には複数のクラブからオファーがあったが「オシム監督の指導を受けたい」としてジェフユナイテッド千葉(当時市原)入りを決意する。恩師との出会いは彼にとって必然的なものだったのだ。
そして2004年AFCユース選手権(マレーシア)で、水本は将来性の高さを強烈にアピールすることになる。全国高校選手権常連高である市立船橋高出身の増嶋竜也(F東京)、あるいは静岡学園出身の小林祐三(柏)ら他のDFが注目される中、彼は抜群の安定感を披露。183cmの長身を生かしたハイボールの処理、競り合いや1対1の強さはアジア屈指のレベルと評された。
翌2005年には、大熊ジャパンの軸としてFIFAワールドユース選手権(オランダ)に出場。3−5−2の左ストッパー、あるいは4−4−2の左サイドバックとして全試合休まずピッチに立ち続けた。この大会の日本は1勝もできなかったが、奇跡的にグループリーグ突破に成功する。それも水本ら守備陣の頑張りによるところが大きかった。
しかし初めての世界舞台で、彼は苦い思いを味わうことになる。ベスト8進出を賭けたモロッコ戦。試合は一進一退の攻防を繰り返していた。このまま行けば延長戦に突入は確実という情勢の中、水本は不用意にも相手にスローインを与えてしまう。疲労困憊の日本選手たちはここからの速いリスタートについていけず、痛恨の1点を奪われる。責任を感じた彼は号泣し、試合後はスタッフに抱きかかえられながらピッチを後にした…。
「ワールドユースでは日本を背負っているという責任感を持ちながらやったけど、最後の最後で競り負けて、チームとして結果が残せなかった。個人の力で一気に打開されたりと、相手の能力が高いこともわかりました」と彼自身、世界の怖さを改めて実感したようだった。
そんな1年4ヶ月前の貴重な体験を生かさなければ、日本代表での成功はない。幸いにして水本は成長を止めることなく前進し、ガーナ戦で順調に国際Aマッチデビューを飾るに至った。これは日本のユース育成の貴重な成功例であろう。というのも、日本は95年以来7大会連続FIFAワールドユース選手権出場を果たしているが、その舞台で戦ったDFが日本代表に上り詰めるケースが非常に少なかったからだ。過去のFIFAワールドユース選手権経験者でワールドカップに出ているのは宮本恒靖(G大阪)や松田直樹(横浜)くらい。負傷続きでパフォーマンスを落としたり、所属クラブで出場機会をつかめないなど、さまざまな要因が重なって新世代のDFがなかなか出てこなかったのだ。
そういう意味でも、水本が「期待の星」であることに間違いはない。「水本は速さと敏捷性を兼ね備えており、エースキラーとしての能力が非常に高い。これからの日本の守備陣をリードして行ってもらわなければ困る存在」と、あまり選手を褒めない大熊氏でさえ以前から太鼓判を押していたのだ。
ガーナ戦でようやく第一歩を踏み出した水本。だが本当の勝負はこれからだ。まずはオシムジャパンに定着し、田中マルクス闘莉王(浦和)らとの競争に勝たなければならない。まさにスタートラインに立ったばかりの若き才能がこの先、どう変化していくのか…。まずは11日のインド戦(バンガロール)でお手並み拝見といきたいところだ。
以上
2006.10.09 Reported by 元川悦子
J’s GOALニュース
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