●高円宮杯 第17回全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会 決勝
10月9日(月・祝)13:00/埼玉/8272人
名古屋グランパスエイトU-18 0-3 滝川第二高校
得点者:19分 森本 健太(滝川第二高)、80分 多田 高行(滝川第二高)、87分 友定 晃大(滝川第二高)
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“黒田監督を胴上げしたい”。滝川第二高校の選手たちから、何度この言葉を聞いただろうか。彼らは、その言葉を言い続けることで、口にし続けることで、夢を実現させてみせた。「なんといったらいいのか・・・・・・」記者会見の席にすわった滝川第二、黒田和生監督の第一声は、そんな言葉だった。ホッとしたような柔らかい表情は、高校サッカー界の名将であっても、頂点に立つことの難しさをあらわしているようだった。
U-18年代の日本一を決める大事な一戦。今まで見せていた滝川第二の相手を圧倒するような鋭さ、早さが陰を潜め、苦しい立ち上がりになった。
「決勝の意識をしないようにしていたのだが、前半は固かった」(黒田監督)。「これまでの滝川第二は、立ち上がりの勢いにのって得点を奪って逃げ切ってきていた。そこをうまくついて、素晴らしい立ち上がりで(前半は)圧倒できた」(名古屋U18・朴才絃監督)。
前線に背の高い、足の早い選手を配置し、空中戦をほぼ制した名古屋U18がセカンドボールやルーズボールをマイボールにし滝川第二陣内に迫っていく。細かくパスをつなぐだけではなく新川織部や花井聖らスピードとテクニックを持つ選手が両サイドをつき、チャンスを生む。
流れは完全に名古屋U18にあると思われたが、先に得点を奪ったのは滝川第二。前半19分、「(金崎夢生が)胸トラップした時に前が開いていたのでシュートを打った」という森本健太の素晴らしいミドルシュートが名古屋U18ゴールに突き刺さった。「アンラッキーはあのスーパーシュート」と朴監督も脱帽したほどだ。
名古屋U18も幾度となく決定機を生むも、前半22分の花井のシュートはGK清水圭介に、さらに26分の直接FKは惜しくもバーに阻まれた。「ボクが決めていればというシーンが何度もあった」と花井は悔しそうにうつむいた。
一方、押し込まれていた滝川第二の山本翔太はいう。「相手のレベルが高く、技術もある。苦しくなると思ったが耐えていればチャンスはある」。攻撃に定評のある滝川第二だが、この日の殊勲者は鉄壁ともいえる守備陣だっただろう。「攻撃型のチームなので大会に入っても失点が多かった。でも今日はDFが失点を0に抑えてくれたのが大きい」と森本。黒田監督も言葉を続けた。「名古屋U18の鋭い攻撃にピンチの連続も、全員で失点を0に抑えたこと。今大会初の無失点ゲームがよかった」
押し込まれても山本や田中を中心に体を張った守備と絶妙なラインコントロールで、名古屋U18の攻撃を潰すと、なかなか流れをつかめなかった攻撃陣が守備の頑張りに応えた。後半35分、川野大介の浮かせたボールを森本が胸で落としたところを多田高行が豪快なミドルシュート。さらに7分後の42分。友定晃大の直接FKが決まって3−0。描いていたような自分たちのサッカーができなくとも「DFが頑張って守備をしていれば、FWもそれを見て頑張ってくれるし、点を取ってくれる」(田中大二郎)というチームとしての信頼感が最後には大きな力になって日本一の花を咲かせた。
「ボクたちも勝ちたくて強い気持ちで臨んだが、滝川第二の方が、気持ちがずっと強かった」(名古屋U18・吉田麻也)
1回、2回と黒田監督の体が宙に舞う。高く、高く大空に映えた“胴上げ”。願いを叶えて、再び欲張りにいう。「国立でも胴上げしたいんです」笑顔を見せた山本の言葉に、また、力を感じた。
以上
2006.10.09 Reported by 青柳舞子
J’s GOALニュース
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